都営住宅に住む母と同居することになり、世帯年収が「400万円」になる見込みです。収入が増えたら、家賃はすぐに引き上げられてしまうのでしょうか?

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
都営住宅に住む母と同居することになり、世帯年収が「400万円」になる見込みです。収入が増えたら、家賃はすぐに引き上げられてしまうのでしょうか?
都営住宅に入居するには、一定の条件を満たす必要があります。条件の1つに「所得要件」があります。もともと都営住宅は低所得者層向けの住宅サービスであるため、収入が一定以上の人には貸し出されません。
 
しかし当初の収入では入居条件を満たしていたものの、途中から状況が変わることもあります。今回のケースでも、都営住宅に入居中の母親が、子どもと一緒に住むことになったゆえに世帯収入が増えるようです。
 
本記事では、都営住宅に入居する際の所得要件が誰の収入によって決まるか、また収入が上がったことが家賃に影響を及ぼすかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

都営住宅の家賃は誰の収入で決まる?

都営住宅に入居できるか否かの所得基準は、「世帯の所得金額」で決まります。世帯人数に応じた所得基準を参照しなければなりません。
 
表1に、世帯人数に応じた所得基準を示しました。なお特別区分とは、心身障害者や60歳以上の世帯、高校修了期までの子どもがいる世帯などが当てはまります。また改良住宅や再開発住宅は表1に含めていません。
 
表1

世帯人数 一般区分 特別区分
1人 0円~189万6000円 0円~256万8000円
2人 0円~227万6000円 0円~294万8000円
3人 0円~265万6000円 0円~332万8000円
4人 0円~303万6000円 0円~370万8000円
5人 0円~341万6000円 0円~408万8000円
6人 0円~379万6000円 0円~446万8000円

出典:東京都住宅政策本部「所得基準」を基に筆者作成
 
今回のケースでは、母親と子どもの2人世帯になると考えられます。一般区分に属する世帯と仮定すると、所得は最高で227万6000円です。
 
世帯年収は400万円ということですので、仮に母親を年金受給者で前年度収入が120万円、子どもを給与所得者で前年度収入280万円として、東京都住宅供給公社で公開されているシミュレーターで試算すると、所得基準を満たしている可能性が高いという結果になりました。
 

世帯年収が上がると家賃も上がる?

子どもが同居することで世帯年収が上がっても、所得基準を満たせるケースはあります。一方で、世帯全体の収入が増えることにより、家賃が見直されて高くなることも考えられます。
 
都営住宅の家賃(使用料)は、次のような要素に基づいて決定されます。
 

・所得区分(収入の多さ)
・住宅の立地条件
・住宅の広さ
・建築年数

 
このうち収入面については、毎年入居者が提出する「収入報告書」に基づいて使用料が決定されます。毎年6月に送付される「収入報告書」に必要な情報を記載し提出すると、翌年度からの家賃が決まる仕組みです。
 
つまり入居者が増えて世帯年収が上がったといっても、即座に家賃引き上げが生じるとは限りません。
 

収入超過になるとどうなる?

都営住宅の入居および家賃に関して注意したい点に「収入超過」が挙げられます。
 
収入超過者とは、3年以上入居していて、かつ入居収入基準を超えてしまった世帯です。都営住宅は低所得者層向けであるため、収入超過者には、住宅の明け渡し努力義務が生じます。
 
強制的に立ち退きを迫られることはありません。しかし、入居を継続する場合には、割増の家賃が課されてしまいます。割増率は、収入区分や収入超過者になってからの時間経過などによって決まります。
 
いずれにしても、近隣の民間賃貸住宅と同程度の家賃になると考えられ、この場合は都営住宅の家賃面でのメリットは小さくなるでしょう。
 

世帯年収が増えても即座に家賃が上がるとは限らない

同居人が増えて世帯年収が増えたとしても、即座に家賃が上がるとは限りません。毎年提出する収入報告書に基づいて家賃が決定し、翌年度から適用される仕組みとなっています。
 
収入によっては収入超過状態になり、明け渡しを求められるかもしれないため注意が必要です。収入の変動による影響については、東京都住宅供給公社などに問い合わせるとよいでしょう。
 

出典

東京都住宅政策本部
東京都住宅供給公社 使用料のしくみ
東京都住宅供給公社 4-2 都営住宅の収入報告等(1ページ)
東京都住宅供給公社 4-4 収入超過者・高額所得者に対する措置
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

LINE