『名探偵コナン』映画「世紀末の魔術師」で怪盗キッドが狙うインペリアル・イースター・エッグの価値はいくら?
本記事では、インペリアル・イースター・エッグの歴史や概要をひも解きながら、現代における『メモリーズエッグ』の価値の試算・考察していきます。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
インペリアル・イースター・エッグとはどのようなもの?
大人気アニメ『名探偵コナン』の劇場版『世紀末の魔術師』で、怪盗キッドが狙うお宝として登場する『インペリアル・イースター・エッグ』。
作中では思い出の詰まったエッグとして描かれていますが、現実の歴史にも深く関わっています。まずは、この豪華絢爛なお宝の歴史や特徴を紹介します。
そもそもイースター・エッグとは
そもそもイースター・エッグとは、イースター(復活祭)を祝うための卵で、生命や復活の象徴とされているものです。親しい人に贈り物として渡す文化もあります。
その伝統から生まれたのが、『インペリアル・イースター・エッグ』であり、ロシア皇室のために作られた特別なイースターエッグを指します。
最初のインペリアル・イースター・エッグ
最初のインペリアル・イースター・エッグは1885年、ロシア皇帝のアレクサンドル3世が皇后マリア・フョードロブナに贈るため、高名な宝石商であるカール・ファベルジェに制作を依頼したものとされています。
白いエナメルで作られた卵の内部には金の卵黄、さらに雌鶏や王冠、ペンダントが隠されており、『開けるたびに驚きがある』仕掛け(サプライズ)が特徴といわれています。
インペリアル・イースター・エッグのその後
最初の作品が好評だったことから、皇帝一家への贈り物としてインペリアル・イースター・エッグは毎年制作されるようになりました。それはロマノフ王朝が崩壊するまで続き、計50点が制作されたとされています。
現在、50点のうち7点の所在が不明となっており、その希少性も価値をより高める要因になっているようです。
現実のインペリアル・イースター・エッグの価値
現実のインペリアル・イースター・エッグには、一体どれほどの金銭的価値があるのでしょうか。かつて蚤の市で見つかった歴史的な発見から、オークションでの驚きの落札額、さらには制作当時のロシアの物価との比較まで、その驚くべき価値を多角的にご紹介していきます。
現代での価値:蚤の市で見つかったエッグの場合
ある金属スクラップ業者の男性が、貴金属を溶かして儲けを得ようと、蚤の市で1万4000ドル(約140万円)で購入したエッグがあります。のちにそのエッグが本物であることが判明し、ファベルジェの専門家によると3300万ドル(約34億円)もの価値があるとされたケースもあるようです。
現代での価値:ウィンター・エッグの場合
また、個人所蔵していた『ウィンター・エッグ』と呼ばれる作品がオークションに出品され、手数料込みで2290万ポンド(約47億円)で落札されたこともあります。これは、オークションにかけられたファベルジェの作品としては最高額を更新したものとされています。
ちなみに専門家によると、使われている宝石類は非常に小ぶりであるものの、それらを用いた芸術的表現と職人技に価値があるといわれています。
制作当時の価値:ウィンター・エッグの場合
前述したウィンター・エッグは、当時2万4600ルーブルでロシア皇室に購入された記録が残っています。
当時のルーブルの価値を現代の日本円と単純に比較することは困難ですが、19世紀後半のロシアの平均年収は187ルーブル60カペイカであったというデータを踏まえると、当時から莫大な金額であることが想像できます。
『世紀末の魔術師』に登場した架空のエッグ『メモリーズエッグ』の価値とは
劇場版『名探偵コナン 世紀末の魔術師』に登場する『メモリーズ・エッグ』は、作中で51番目のインペリアル・イースター・エッグとして設定されています。
もし、この架空の秘宝が現実世界で発見された場合、一体どれほどの価値がつくのでしょうか。作中の設定を基に、その驚きの金額を考察していきましょう。
制作者はファベルジェ工房の細工師?
作中に登場するメモリーズ・エッグは、香坂夏美の曾祖父『香坂喜市』の作品であるとされています。彼はかつてロシアに渡り、ファベルジェの工房で働いていた板設定です。
現実の歴史でも、インペリアル・イースター・エッグの制作にはファベルジェ工房の細工師や宝飾師が携わっており、先程紹介した『ウィンター・エッグ』も、当時としては珍しい女性宝飾師のアルマ・ピルがデザインを手がけた作品として知られれています。
美しい飾りには宝石ではなくガラスが使われている箇所も?
メモリーズ・エッグは、すべての装飾が宝石で作られているわけではないようです。そもそもインペリアル・イースター・エッグは、素材そのものの純粋な資産価値だけでなく、その中に詰め込まれた芸術的表現や意匠に高い価値があるとされています。
後述の『サプライズ』も考慮に入れると、一部にガラスが使われていてもメモリーズ・エッグが持つ歴史的・美術的な価値を大きく損なう要因にはならないと考えられます。
エッグの概要と施された『サプライズ』
メモリーズ・エッグの内部には、最後のロシア皇帝であるニコライ2世の一家が皆で本を読んでいる微笑ましいシーンを写し取った、精巧な金の細工が施されています。
また、作中で見つかった52番目のエッグ(空のエッグ)とメモリーズ・エッグを重ね合わせ、下から特定の光を当てると、周囲の壁一面にニコライ皇帝一家の思い出の写真を投影する、、ロマンあふれる仕掛け(サプライズ)が隠されていました。
『メモリーズエッグ』の価値
金で作られたニコライ皇帝一家のミニチュアの精巧さ、ミニチュアが連動して動き、当時の写真を周囲に投影するという極めて高度なからくり仕掛けは、唯一無二の職人技の結晶といえます。
さらに、失われたロシア皇室の歴史的な写真そのものも内包されているという歴史的価値も考慮すると、美術品としての価値は計り知れません。
それを踏まえると、メモリーズ・エッグが、もし現実のオークションに出品された場合、『ウィンター・エッグ』の落札額2290万ポンド(約47億円)を大きく上回る可能性も、夢ではないかもしれません。
怪盗キッドが狙うのも納得? 『メモリーズエッグ』は数十億円級の価値を持つ可能性も
精巧な金細工や驚きのからくりギミックが施されたメモリーズ・エッグは、もし現実のオークションに出品された場合、数十億円級の価格で落札される可能性を秘めているといえます。
また、最後のロシア皇室の貴重な写真も内包されていることから、単なる美術品としての価値だけではなく、極めて高い歴史的価値も付与されると考えられます。
現実には存在しない51番目のインペリアル・イースター・エッグですが、もし実在していれば、数十億あるいはそれ以上の天文学的な価値がついていたかもしれません。世界を渡り歩く怪盗キッドが、この唯一無二の秘宝を狙うのも十分に納得できるのではないでしょうか。
出典
19世紀後半のロシアの平均賃金_年間187ルーブリ60カペイカ
九州大学学術情報リポジトリ『近代ロシア社会再考(続) : 『科学と文化』の時代における労働者をめぐって』 ページ20/53
九州大学学術情報リポジトリに保存されている論文
著作権法に規定されている引用などの範囲内でコンテンツ利用が可能
CiNii(NII学術情報ナビゲータ[サイニィ])などで検索可能
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

