通勤電車で確実に座るため、定期券の区間内で一度「逆方向」に乗ってから折り返し!このような使い方は定期区間内であれば大丈夫ですよね?

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通勤電車で確実に座るため、定期券の区間内で一度「逆方向」に乗ってから折り返し!このような使い方は定期区間内であれば大丈夫ですよね?
混雑した通勤電車で座るため、いったん逆方向へ向かい、始発駅や空いている駅から折り返す人がいます。
 
定期券の区間内なら問題ないと思うかもしれませんが、判断は単純ではありません。定期券は、原則として券面区間内で使用回数の制限なく使えます。ただし、区間外へ出たり、定期券の経路外を通ったりすれば不正乗車になるおそれがあります。
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本当に定期券の有効区間内だけなら直ちに不正とは限らない

JR東日本の旅客営業規則では、乗車券類は券面表示事項に従って1回に限り使用できるが、定期乗車券については使用回数を制限しないとされています(第147条)。つまり、有効期間内の定期券で、券面に表示された区間内を乗ること自体は、回数制限のある普通乗車券とは違います。
 
たとえば、A駅からC駅までの定期券を持っていて、途中のB駅から乗り、いったんA駅へ向かってからC駅へ行く場合、移動した区間がすべてA駅からC駅の定期券区間内なら、運賃面では直ちに区間外乗車とは言いにくいでしょう。
 
ただし、これは「どの鉄道会社でも、どんな形でも問題ない」という意味ではありません。鉄道会社ごとに規則や案内があり、IC定期券の入出場記録、折り返し駅での扱い、ホームの混雑対策などによって注意されることがあります。
 
同じ駅を通過して長く乗る行為は、ほかの乗客の混雑にも影響します。座席確保だけを目的に、必要以上に車内に滞在する使い方は、マナー面では好ましくありません。
 

定期区間外へ1駅でも出ると不正乗車になるおそれがある

もっとも注意したいのは、逆方向に向かった先が定期券の区間外の場合です。たとえば、B駅からC駅までの定期券しかない人が、座るために逆方向のA駅まで行き、そこからC駅へ折り返すケースです。この場合、B駅からA駅までの区間は定期券でカバーされていません。
 
具体的な駅名で考えてみましょう。たとえば、JR国分寺駅からJR新宿駅の定期券を持っていて、中央線快速を利用して通勤している場合です。座りたいという理由で、新宿駅とは逆方面の立川駅まで行ってから、立川駅で新宿方面行きに乗り換えます。このケースでは、国分寺~立川の区間が定期券外ということになります。
 
このように、区間の乗車券を持たずに乗れば、不正乗車と判断される可能性があります。
 
JR東日本の規則には、係員の承諾なく定期乗車券の券面に表示された区間外を乗車した場合などは、定期券が無効として回収されることが明記されています(第168条)。無効として回収された場合、普通運賃と、その2倍に相当する増運賃を合わせて収受される、とあります(第265条 )。
 
「改札を出ていないから分からない」「定期で入っているから大丈夫」と考えるのは危険です。車内改札や駅係員の確認で、乗車経路を聞かれることがあります。ICカードの記録だけで実際の乗車経路がすべて分かるわけではありませんが、定期区間外を乗った事実があれば、精算が必要です。
 

会社の通勤手当にも影響することがある

通勤定期券は、会社から通勤手当を受けて購入している人も多いでしょう。この場合、会社に届け出た通勤経路と違う乗り方を常にしていると、社内規定上の問題になることがあります。
 
たとえば、会社に最短・合理的な経路で申請しているのに、毎朝座るために遠回りしている場合です。定期券の区間内であれば運賃の追加負担はないかもしれませんが、通勤災害の認定や社内ルールとの関係で問題になる可能性があります。
 
東京労働局も、通勤災害における「移動経路の逸脱」について説明しています。「逸脱」とは、通勤の途中で就業や通勤と関係ない目的で合理的な経路をそれることをいいます。逸脱と見なされた場合、通勤災害の認定がおりないリスクがあります。
 
また、混雑する駅で折り返し乗車が増えると、ホーム上の混雑や列車遅延の原因になることもあります。鉄道会社から注意された場合は、自己判断で続けず、駅係員に確認しましょう。
 
どうしても座って通勤したいなら、始発駅に近い場所へ引っ越す、有料座席サービスを使う、時差出勤を相談する、勤務先の制度を使って在宅勤務を増やすなど、正規の方法を検討するほうが安心です。
 

まとめ

定期券は、原則として券面区間内で使用回数の制限なく使えるため、移動が本当に定期区間内だけであれば、直ちに不正乗車とは限りません。
 
しかし、逆方向に向かった先が定期区間外なら、その区間の運賃が必要です。乗車券を持たずに折り返せば、不正乗車と判断され、定期券の回収や割増運賃の請求につながるおそれがあります。
 
座るための折り返し乗車は、運賃だけでなくマナーや会社の通勤経路にも関係します。不安がある場合は、利用する鉄道会社の規則や駅係員に確認しましょう。安心して通勤するには、正規の区間と経路を守ることが一番です。
 

出典

JR東日本 旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第1節 通則
JR東日本 旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第2節 乗車券の効力
JR東日本 旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第7章 乗車変更等の取扱い -第3節 旅客の特殊取扱 -第2款 乗車券類の無札及び無効
JR東日本 東京近郊路線図(車内掲出版)
厚生労働省 東京労働局 通勤災害について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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