「帰省の新幹線は指定席で十分」と思っていたら、妻は“往復1万円”近く高くても「グリーン車が快適でいい」と言います。普通車の指定席より“少し広いだけ”と感じますが、払う価値はありますか?
本記事では、新幹線のグリーン席は追加料金に見合うほど快適なのか検討します。座席や設備の違い、混雑期の過ごしやすさ、家計への影響から考えてみましょう。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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東京~新大阪間では往復約9740円の差
JR東海によると、東京~新大阪間を「のぞみ」で移動する場合、通常期の大人1人当たりの片道料金は、普通車指定席が1万4720円、グリーン車が1万9590円です。差額は片道4870円、往復では9740円です。
ただし、指定席料金は利用時期によって変わります。最繁忙期は通常期より高く、繁忙期や閑散期にもそれぞれ料金設定があるため、実際に購入する際は乗車日の金額を確認する必要があります。さらに、スマートEXやエクスプレス予約などの商品を利用する場合も、所定料金とは異なることがあります。
仮に、夫婦2人がそろってグリーン車を利用すると、普通車指定席との差額は往復で1万9480円です。帰省が年1回なら約2万円、年2回なら約4万円の追加支出になります。1人分だけを見ると1万円弱でも、家族単位では無視しにくい金額と言えるでしょう。
家計面では、一人分の差額だけでなく利用人数と年間回数を掛けて考えることが大切です。「1人1回なら払える」と感じても、家族全員で毎年利用すると負担は膨らみます。帰省費全体の予算を決めたうえで、座席にかけられる上限額を夫婦で共有するとよいでしょう。
グリーン車は座席の広さと設備に違いがある
普通車とグリーン車の座席には、やはり違いがあります。
普通車は、座席が横5列で、3人掛けと2人掛けに分かれています。一方、グリーン車は横4列で左右とも2人掛けのため、座席や通路にゆとりがあります。混雑した列車でも圧迫感を覚えにくく、夫婦で利用する場合などは、2人だけで並んで座れる点もメリットです。
グリーン車の座席は、座面が広いほか、フットレスト、読書灯、サイドテーブルなどを備え、全席でコンセントが利用可能です。テーブルも大きく、食事やパソコン作業をしやすい点も見逃せません。
ただし、普通車指定席にも移動に必要な設備はそろっています。N700Sというタイプの車両では普通車を含む全席にコンセントがあるため、充電環境だけを理由にグリーン車を選ぶ必要性は低くなっています。
このように、グリーン車の価値は、目的地に着けるかどうかではなく、移動中の疲労や窮屈さを減らせる点にあると言えるでしょう。
グリーン車を選ぶかどうかは移動時の状況で判断する
グリーン車が向いているのは、長時間座ると腰や足がつらい人、到着後すぐに運転や家事をする必要がある人、車内で休息や仕事をしたい人など、移動による疲労を減らしたい人です。荷物が多い場合や、混雑期でも落ち着いて過ごしたい場合にも、追加料金を支払う価値があるでしょう。
一方、移動が短時間の場合や、家計の節約を優先したい家庭なら、普通車指定席でも十分です。差額9740円があれば、帰省先での食事代や手土産代、駅までの交通費などに回せます。夫婦2人なら差額は約2万円になるため、宿泊費の一部や別のレジャー費として使うことも可能です。
また、毎回どちらか一方に決める必要はありません。行きは普通車、疲れが出やすい帰りだけグリーン車にする、混雑する年末年始だけグリーン車を利用する、といった方法もあります。
このほか、早めに予約して普通車の2人掛け窓側・通路側を確保できれば、追加料金をかけずに一定の快適さを得られます。体調や荷物の量、到着後の予定まで含めて、どの座席を予約するか判断するとよいでしょう。
グリーン車の価値は快適さと家計負担のバランスで判断しよう
東京~新大阪間では、普通車指定席からグリーン車に変更すると、通常期で1人往復約9740円、夫婦2人なら約1万9480円高くなります。
ただ、グリーン車は横4列で座席や足元に余裕があり、長距離移動の疲れを減らしやすい点が魅力です。帰省後の予定や体調、利用頻度と家計負担を比べ、必要な区間だけ使う方法も検討しましょう。
執筆者 : 小川ひろ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

