“隣の空き家”が「ドクダミだらけ」で、わが家の敷地に侵入! お隣にも「除草剤」をまいて“根絶やしにしたい”ですが、勝手な散布は「器物損壊罪になる」って本当ですか!? リスクと対処法を確認
本記事では、勝手な除草剤散布に潜むリスクと、安全に問題を解決するための正しい対処法を解説します。

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目次
勝手な立ち入りや薬剤散布は法的トラブルにつながる可能性がある
空き家で誰も住んでいなくても、その土地や建物には所有者が存在します。所有者に無断で他人の敷地へ立ち入る行為は、状況によっては刑事上・民事上のトラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。
手入れされていない雑草であっても、所有者の管理する土地に生えている植物です。そのため、無断で除草剤を散布して枯らした場合には、器物損壊罪などの刑事上の問題や、不法行為として損害賠償請求の対象となる可能性があります。
器物損壊罪(刑法261条)が成立した場合、刑事罰として3年以上の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料に処されます。
長期間放置されているからといって、他人の所有物を勝手に処分してよいという法的な権限はありません。日本の法律では、法的手続きを経ずに実力行使で権利を回復しようとする「自力救済」は、原則として認められていません。
除草剤の飛散による損害賠償リスク
刑事上の問題だけでなく、民事上の損害賠償請求へ発展する可能性にも注意が必要です。除草剤の種類によっては、植物へ長期間影響を及ぼすものもあります。
例えば、所有者が将来その土地を売却したり、庭木や家庭菜園を整備したりする際に、「隣人が勝手に除草剤を散布したことで植物が育たなくなった」と主張された場合には、損害賠償を求められる可能性があります。
また、散布した薬剤が風で飛散し、近隣の庭木や植栽、農作物などに被害を与えた場合にも、数百万円規模の賠償責任を問われる恐れもあるため、むやみに除草剤をまくのは危険です。
自分の敷地内に入ってきたドクダミの合法的な処理方法
では、わが家の敷地内に侵入してくるドクダミは、ただ我慢するしかないのでしょうか。
民法第233条では、隣地から「根」が境界線を越えて侵入してきた場合、その根は土地の所有者が切り取ることが認められています。ドクダミは地下茎を伸ばして繁殖するため、自分の敷地内へ侵入した地下部分は除去できます。
さらに、民法改正(2023年4月施行)により、隣地の所有者が不明な場合や、督促しても対処してくれない場合には、根だけでなく境界線を越えて侵入してきた「枝や葉」も、被害を受けている側が自ら切り取ることが可能になりました。
つまり、自分の敷地内に侵入してきたドクダミや雑草の枝葉は、こちらの敷地内だけで処理する分には法的に問題はありません。ただし、対処できるのは、あくまで自分の敷地内にある部分に限られます。
フェンス越しに隣地へ向かって除草剤を散布したり、おおもとを枯らそうとして境界線を越えて薬剤をまいたりすることは避けましょう。
正しい対処法は「自治体への相談」
隣の空き家の雑草問題を安全に解決するためには、居住する市町村の自治体への相談が有効です。
多くの自治体では、空き家対策や生活環境の保全に関する条例を整備しています。雑草が繁茂して害虫が発生したり、周辺の生活環境に悪影響を及ぼしたりしている場合には、生活環境課や空き家対策担当部署などへ相談してみましょう。
自治体によっては、所有者へ適切な管理を促すよう働きかけを行う場合があります。行政を介することで、隣人同士が直接対立するリスクを抑えながら解決を図れる可能性があります。
行政を巻き込んだ冷静な解決をとろう
隣の空き家から侵入するドクダミに悩まされていても、独断で隣地へ除草剤を散布する行為は、刑事・民事双方の法的トラブルにつながる恐れがあります。さらに、除草剤の飛散によって近隣の庭木や植栽などに被害が及べば、損害賠償を求められるケースも考えられます。
いくら相手の管理がずさんであっても、感情に任せた行動は避けるべきです。自分で処理できるのは、自分の敷地内へ侵入してきた雑草に限られます。根本的な空き家の管理問題は、自治体の担当窓口へ相談し、行政の活用が、安全かつ適切な解決方法といえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー




