庭仕事中に「熱中症で救急車」を呼んだ父…“救急車はタダ”のはずが「7700円の請求」が届きビックリ! 最近は「軽症・入院なし」だと選定療養費が発生する!? 請求される・されないケースとは

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庭仕事中に「熱中症で救急車」を呼んだ父…“救急車はタダ”のはずが「7700円の請求」が届きビックリ! 最近は「軽症・入院なし」だと選定療養費が発生する!? 請求される・されないケースとは
「真夏の昼、庭仕事をしていた父がめまいと吐き気を訴えたため、熱中症を疑って救急車を呼んだ。点滴を受けて帰宅できたものの、後日、病院から7700円の請求が届いた」というケースがあります。救急車は無料と考えていると、驚く人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、救急車を呼んだ際に費用がかかる仕組みと、請求される場合・されない場合の条件を整理します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

救急車は無料。請求の正体は病院の「選定療養費」

救急車の出動そのものに料金はかかりません。消防機関の救急業務は税金で運営されており、これは全国共通です。ただし、搬送先の病院で受けた診察や治療には、通常どおり医療費の自己負担が発生します。
 
冒頭のような「7700円」の正体は、病院が徴収する「選定療養費」です。2016年4月の健康保険法改正により、地域医療を支える大きな病院を紹介状なしで受診した場合、通常の自己負担に上乗せして特別の料金を徴収することが義務化されています。この選定療養費は、原則として救急の患者は対象外ですが、原則とは異なる運用を始めた地域があります。
 
三重県松阪市では、2024年6月1日から、市内の三基幹病院(松阪中央総合病院・済生会松阪総合病院・松阪市民病院)において、救急車で搬送された場合であっても、基本的に入院に至らなかった軽症の人を選定療養費7700円(税込)の対象としています。開始後3ヶ月間(6~8月)の集計では、選定療養費を徴収された278人のうち、熱中症・脱水症が21人と、夏場ならではの傷病が上位に入りました。
 

請求されるケース・されないケース

三病院の運用では、救急搬送されても次のような場合は選定療養費の対象外です。紹介状を持参した場合、入院に至った場合、公費負担医療制度の対象者、災害による負傷、労働災害・公務災害・交通事故、そして医師の判断による場合です。
 
一律に徴収されるものではなく、個別の病院・医師が患者の状況を踏まえて判断します。実際、開始から1年間に救急車で三病院に収容された1万4786人のうち、入院しなかった「帰宅者」は7585人ですが、このうち選定療養費が徴収されたのは9.9%(1467人)でした。
 
こうした取り組みの背景には、救急需要の増加があります。総務省消防庁によると、2024年の救急自動車による救急出動件数は771万8380件で、集計を開始した1963年以降で最多となっています。
 
松阪地区では、救急搬送時の選定療養費運用開始前の1年間と比べて、救急出動件数が10.2%減少し、1日に50件以上の出動があった日が86日から36日へ減るなど、救急車の要請が重なる事態が減ったと報告されています。
 

迷ったときは「#7119」。ためらうべきではない症状もある

「この症状で救急車を呼んでいいのか」と判断に迷ったときは、救急安心センター事業「#7119」が利用できます。医師や看護師、救急救命士が症状を聞き取り、救急車を呼ぶべきか、医療機関を受診すべきかをアドバイスしてくれる電話相談窓口です。
 
現在実施しているのは全国41地域で、未実施の地域もあります。また、#7119以外の番号で救急電話相談等を行っている地域もあります。
 
今夏も猛暑・酷暑となっているため、費用を気にして通報をためらうのは危険です。意識がない、呼びかけへの反応がおかしい、自力で水分がとれないなど、熱中症で緊急性が疑われる症状があれば、ためらわずに119番通報してください。松阪市の取り組みも、必要な人の救急要請を妨げるものではありません。
 

救急車の利用自体は無料ですが、一部の地域では、救急搬送されても入院に至らなかった軽症の場合に、病院が選定療養費として7700円を請求する取り組みが始まっています。緊急性の判断に迷ったら#7119などの相談窓口を活用し、明らかに危険な症状のときはためらわず救急車を呼ぶ。この使い分けを、暑さが厳しくなる時期に家族で共有しておくとよいでしょう。
 

出典

松阪市 三基幹病院における選定療養費について
総務省消防庁 「令和7年版 救急・救助の現況」の公表
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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