築40年の中古住宅を現状のまま購入しました。引き渡し後に雨漏りしているのが分かったのですが、売主へ修理代を請求できますか?
しかし、現状有姿で購入したからといって、必ず売主へ何も請求できないわけではありません。契約書の内容、売主が個人か不動産会社か、雨漏りの程度、告知の有無、通知時期によって、修理代を請求できる可能性があります。
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現状有姿でも契約不適合責任が問題になる
中古住宅の売買では、「現状有姿で引き渡す」と契約書に書かれることがあります。これは、売主が引き渡し時の状態で買主へ渡すという意味です。
しかし、現状有姿と書かれているだけで、売主の責任がすべてなくなるわけではありません。民法では、売買の目的物が種類、品質、数量について契約内容に合っていない場合、買主は売主に対して修補、代金減額、損害賠償、契約解除などを求められる場合があります。これを契約不適合責任といいます。
雨漏りは、居住用住宅として重要な問題です。築40年で経年劣化があることは買主もある程度予想すべきですが、住むための家として売買されたのに、通常の生活に支障が出る雨漏りがあるなら、契約内容に適合しないと評価される可能性があります。
ただし、小さなシミや古さによる傷みのすべてが売主の責任になるわけではありません。築年数、価格、説明内容、内覧時に確認できた状態などを総合的に見ます。
売主が個人か業者かで責任の重さが変わる
売主が不動産会社など宅地建物取引業者の場合、買主が個人なら、契約不適合責任を免除するような特約は制限されます。業者は専門家として、建物の状態についてより重い説明責任を負う場面があります。
一方、売主が個人の場合は、契約書で契約不適合責任を免除したり、責任期間を短くしたりしていることがあります。たとえば、「売主は契約不適合責任を負わない」「引き渡し後3か月以内に通知があった雨漏りに限る」といった特約です。
しかし、売主が宅建業者ではなく事業者で、買主は個人の消費者だった場合において、「引き渡し日から3ヶ月以内とする特約」については消費者契約第10条の観点から、契約不適合責任を著しく制限していると判断され、無効になった裁判例もあります。
このような特約があった場合、買主が請求できる範囲は狭くなります。ただし、売主が雨漏りを知っていたのに告げなかった場合は、免責特約があっても責任を問える可能性があります。
まず確認すべきなのは、売買契約書、重要事項説明書、物件状況報告書です。そこに「雨漏りあり」「過去に雨漏り修理あり」「雨漏りなし」とどう書かれているかを見ましょう。売主が「雨漏りなし」と告知していたのに、引き渡し直後に雨漏りが発覚した場合は、請求の余地が大きくなります。
雨漏りに気づいたら早く通知し、証拠を残す
契約不適合責任を追及するには、買主が不適合を知った時から一定期間内に売主へ通知する必要があります。民法566条では、買主が不適合を知った時から1年以内に通知しなければ、原則として権利を失うとされています。
ただし、契約書でこれより短い期間が決められていることもあります。中古住宅では、引き渡し後数か月以内に限定されていることがあります。雨漏りを見つけたら、すぐに仲介会社や売主へ書面やメールで連絡しましょう。
証拠も重要です。雨漏りしている場所の写真、動画、雨の日の状況、天井や壁のシミ、床の濡れ、修理業者の調査報告書、見積書を残します。雨漏りの原因が引き渡し前からあったものか、引き渡し後の台風や買主側の工事によるものかで結論が変わるからです。
修理を急ぐ必要がある場合でも、修理前の状態を十分に記録しておきましょう。先に全部直してしまうと、売主側が原因を確認できず、争いになりやすくなります。
まとめ
築40年の中古住宅を現状有姿で買った場合でも、引き渡し後に雨漏りが分かれば、売主へ修理代を請求できる可能性があります。現状有姿という言葉だけで、売主の責任がすべて消えるわけではありません。
ただし、築年数による経年劣化、契約書の免責特約、通知期限、売主が個人か業者か、雨漏りを知っていたかによって判断は変わります。まずは契約書、重要事項説明書、物件状況報告書を確認しましょう。
雨漏りに気づいたら、写真や動画、業者の調査結果を残し、早めに売主や仲介会社へ書面で通知してください。感情的に責めるより、契約内容と証拠をもとに話し合うことが、修理代を請求するための現実的な第一歩です。
出典
東京都住宅政策本部 不動産取引における契約不適合責任・瑕疵担保責任について
e-Gov 法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

