定年直前にマンションの長期修繕計画を確認すると、5年後に修繕積立金が「3倍」になる予定です。このまま住み続けても大丈夫でしょうか?

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定年直前にマンションの長期修繕計画を確認すると、5年後に修繕積立金が「3倍」になる予定です。このまま住み続けても大丈夫でしょうか?
定年直前にマンションの長期修繕計画を見たら、5年後に修繕積立金が3倍になる予定だった。年金生活を前にすると、大きな不安を感じるでしょう。修繕積立金の増額自体は、建物を守るために必要なことがあります。
 
しかし、3倍という急な上昇は家計にも売却時の資産価値にも影響します。住み続けるかどうかは、計画の根拠と自分の老後収支を見て判断しましょう。
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修繕積立金の増額は悪いことばかりではない

マンションは、外壁、屋上、給排水管、エレベーター、機械式駐車場などを定期的に修繕しなければなりません。その費用を準備するために集めるのが修繕積立金です。
 
国土交通省は、マンションの居住環境や資産価値を維持するためには、長期修繕計画を作成し、それに基づいて修繕積立金を設定することが必要だとしています。つまり、修繕積立金の増額は、建物を長く使うために必要な対応である場合があります。
 
むしろ、長年値上げせず、積立金が不足しているマンションのほうが危険です。大規模修繕の時期に資金が足りず、一時金を数十万円単位で求められたり、必要な工事を先送りして建物の劣化が進んだりする可能性があります。
 
そのため、同省は5年ごとに長期修繕計画を見直すことを推奨しています。物価変動等で、修繕工事費用や工事内容が常に変わっていることが理由として挙げられています。
 
また、同省の「令和5年度マンション総合調査」によると、月/戸当たりの修繕積立金の平均額は年々上昇傾向にあります。平成25年度では1万783円、平成30年度では1万1243円、令和5年度には1万3054円となっています。
 
ただし、増額が必要だとしても、5年後に3倍という上がり方が適切かは別問題です。段階的な増額のはずが、老後家計に大きな負担を与える計画になっていないか確認しましょう。
 

5年後3倍なら老後の固定費を試算する

まず、現在の修繕積立金と5年後の金額を月額で確認しましょう。たとえば、現在1万円なら3倍で3万円です。
 
管理費が1万5000円なら、管理費と修繕積立金だけで月4万5000円になります。固定資産税、駐車場代、火災保険料も加えれば、持ち家でも毎月かなりの住居費がかかります。
 
年金生活では、固定費が上がると家計が硬直します。収入が大きく増えにくいため、食費や医療費、交際費を削ることになりかねません。
 
5年後の年金見込み額、退職金、預貯金、住宅ローン残高、医療・介護費の備えを並べて、増額後も払えるか計算しましょう。修繕積立金が3倍になっても、年金と貯蓄で無理なく払えるなら住み続ける選択はあります。反対に、毎月赤字になるなら早めの対策が必要です。
 
また、修繕積立金の増額は将来だけでなく、売却価格にも影響します。買主は管理費・修繕積立金の月額を重視します。負担が重すぎるマンションは、売りにくくなることがあります。
 

計画の根拠と管理組合の説明を確認する

3倍になる予定を見つけたら、まず管理組合の資料を確認しましょう。長期修繕計画、資金計画、過去の総会議事録、大規模修繕工事の見積もり、修繕積立金残高を見ます。
 
修繕積立金の積立方式には、「段階増額積立方式」と「均等積立方式」があります。国土交通省は、「段階増額積立方式」について、計画期間中に積立金水準が大幅に上昇する例(30年の計画期間で最終的に約4倍など)があり、予定どおり引き上げられないと不足につながるおそれがあると指摘しています。
 
将来にわたり安定的に積み立てる観点からは、「均等積立方式」が望ましいとしています。
 
つまり、3倍の増額が悪いと決めつけるのではなく、過去に低く抑えすぎていたのか、工事費が上がったのか、機械式駐車場や給排水管など高額設備があるのかを確認することが大切です。
 
説明が不十分なら、総会で質問しましょう。「なぜ3倍なのか」「分割増額や借入は検討したのか」「工事内容は妥当か」「専門家の意見は取ったのか」を確認します。マンション管理士に相談するのも有効です。
 

まとめ

5年後に修繕積立金が3倍になる予定でも、それだけで住み続けてはいけないとは言えません。建物を守るために必要な増額であれば、将来の一時金や劣化リスクを避ける意味があります。
 
ただし、定年後の家計には大きな影響があります。増額後の月額、管理費、税金、駐車場代を合わせて、年金と貯蓄で無理なく払えるか試算しましょう。毎月赤字になるなら、住み替えや売却も早めに検討する必要があります。
 
大切なのは、計画の根拠を確認することです。長期修繕計画、修繕積立金残高、工事見積もり、総会議事録を見て、納得できる増額か判断しましょう。早めに現実の数字を把握すれば、老後の住まいを前向きに選びやすくなります。
 

出典

国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト これだけは知っておきたい!マンションの管理状況チェックシート
国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト「長期修繕計画作成ガイドライン」では、5年ごとに計画を見直すことが推奨されていますが、なぜ見直しが定期的に必要なのですか。
国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状
国土交通省 段階増額積立方式を採用しているマンションは早めに均等積立方式に切り替えよう!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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