娘夫婦が仕事の日は毎日孫の夕飯を作っています。家計への負担も増えてきましたが、祖父母なら無償で協力するのが普通でしょうか?
祖父母だから無償で協力しなければならない、という決まりはありません。家族だからこそ、費用と役割を早めに話し合うことが大切です。
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祖父母の手伝いはありがたいが当然ではない
孫の夕飯を作ることは、単なる「ついで」ではありません。献立を考え、買い物をし、調理をし、食べさせ、片付けるまで含めれば、かなりの時間と労力がかかります。
子どもの年齢によっては、食物アレルギー、好き嫌い、食べる量、宿題や入浴の見守りまで関係してくることもあります。
発達過程の子どもに「夕飯を作る」というのは、簡単なことではありません。たとえば、厚生労働省の「放課後児童クラブ運営指針」には、放課後の時間に食べるおやつですら「栄養や活力面」を考慮し、「適切な時間」に、「量を工夫」して提供することが明記されているほどです。おやつは補食としての役割もはたしています。
もし夕飯からではなく、孫が帰ってくる放課後から面倒をみているなら、おやつのことも考えなければなりません。メインの食事となる夕飯には、それ以上に気をつかうでしょう。
祖父母が無償で助けてくれることは、娘夫婦にとって大きな支えです。しかし、それを「親なんだから当然」「孫なんだから無料で見てくれるはず」と考えると、関係がこじれます。
法律上、直系血族には扶養義務があります(民法877条)。祖父母と孫も直系血族です。ただし、これは生活に困窮している親族をどう支えるかという問題であり、共働き家庭の夕飯作りを毎日無償で引き受けなければならない、という意味ではありません。
祖父母にも自分の生活、健康、老後資金があります。無理を続けて体調を崩せば、結局は家族全体が困ります。祖父母にとって「無理なく手伝える範囲」を決めることは、冷たいことではありません。
毎日の夕飯代は見える形で負担してもらう
家計への負担が増えているなら、まず実際にいくらかかっているかを見える化しましょう。
孫1人分の夕飯でも、食材費、おやつ、飲み物、調味料、光熱費を含めると、1日数百円から1000円近くになることがあります。毎日なら月に1万円から2万円以上になることもあります。
娘夫婦に伝えるときは、「お金が苦しい」と感情的に言うより、「食材費が月にこれくらい増えている」と具体的に示すほうが話しやすくなります。
たとえば、月2万円を食費としてもらう、週ごとに食材を届けてもらう、冷凍のおかずを娘夫婦が用意する、ネットスーパーの支払いを娘夫婦にしてもらうなどの方法があります。
現金を受け取りにくいなら、米、肉、野菜、牛乳などを定期的に持ってきてもらう形でもよいでしょう。
ただし、「食費2万円」を受け取るとしても、栄養管理を含めた手間や拘束時間は考慮されていません。大切なのは、祖父母側が「言いにくいから」と我慢し続けないことです。最初は小さな不満でも、積み重なると「利用されている」という気持ちになりやすくなります。
外部サービスも組み合わせると負担を減らせる
祖父母だけで毎日支えるのが大変なら、外部サービスも選択肢に入れましょう。こども家庭庁は、ファミリー・サポート・センターについて、子育ての援助を受けたい人と援助を行いたい人の相互援助活動を調整する事業と説明しています。
地域によっては、放課後児童クラブ、学童保育、子ども食堂、宅配弁当、家事代行、ファミリーサポートなどが使えます。祖父母の家で食べる日を週3日にし、残りは娘夫婦が作る、宅配を使う、学童で過ごすなど、分散させると負担が軽くなります。
娘夫婦にとっても、祖父母に頼りきりの状態はリスクです。祖父母が体調を崩したり、通院が必要になったりしたとき、急に夕飯と見守りの体制がなくなるからです。
話し合うときは、「もう手伝わない」ではなく、「長く続けるために分担したい」と伝えましょう。曜日、時間、費用、緊急時の連絡方法を決めておくと、感情的な衝突を防ぎやすくなります。
まとめ
祖父母が孫の夕飯を作ることは、家族にとって大きな助けです。しかし、毎日となれば食費、光熱費、体力、時間の負担がかかります。祖父母だから無償で当然という決まりはありません。
家計への負担が増えているなら、月いくらかかっているかを整理し、娘夫婦に食費や食材の負担を相談しましょう。言いにくい場合でも、早めに話すほうが関係は悪化しにくくなります。
外部サービスや学童、宅配も組み合わせ、祖父母だけに負担が集中しない形を作ることが大切です。無理なく続けられる仕組みにすれば、孫との時間も前向きに楽しみやすくなります。
出典
厚生労働省 放課後児童クラブ運営指針
e-Gov 法令検索 民法
こども家庭庁 子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

