近所の公園で子どもがボール遊びをしていたら、住民から「危ないのでやめてください」と注意されました。有料の運動施設を使わず遊んでいますが、物を壊した場合は親が“全額弁償”する必要があるのでしょうか?
また、ボールが車や住宅の窓などを壊した場合、親が必ず新品代を全額負担するとは限りません。ただし、遊び方や親の見守り方によっては損害賠償責任を負う可能性があります。
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ボール遊びができるかは公園ごとのルールで決まる
公園は子どもが自由に遊べる場所ですが、どのようなボール遊びでも認められるわけではありません。自治体、公園の広さ、利用時間、周辺環境などによってルールが異なります。
たとえば、少人数のキャッチボールや幼児の柔らかいボール遊びは認める一方、硬いボールを使う野球、ゴールを置くサッカー、大人数で場所を占有する遊びは禁止している公園があります。川崎市や横浜市の公園案内でも、子ども数人のキャッチボールなどは、ほかの利用者と譲り合うことを前提に自由利用とする例があります。
したがって、有料の運動施設を使わず公園で遊ぶことだけで、直ちにルール違反になるわけではありません。ただし、禁止看板がある、住宅や道路にボールが飛び出しやすい、幼児や高齢者が近くにいる場合は、遊びを中止したほうが安全です。
住民から注意されたときは、「禁止されていないから続ける」と言い返すより、場所や時間を変えるのが現実的です。事故が起きてからでは遅いため、柔らかいボールを使う、広い場所へ移動する、強く蹴らないなどの工夫をしましょう。
物を壊しても親が必ず全額負担するとは限らない
子どもがボールで他人の車、窓、植木鉢などを壊した場合、誰が賠償責任を負うかは、子どもの年齢や理解力、事故の状況、親の監督状況で変わります。
子ども自身に、自分の行為の責任を理解できる能力があると判断されれば、子ども本人の責任が問題になります。理解する能力が十分でない場合は、親などの監督義務者が責任を負う可能性があります。
ただし、子どもが事故を起こしたら親が無条件で責任を負うという単純な仕組みではありません。
最高裁 判所は、子どもが通常の遊び方をしていて、親が日頃から危険な行為をしないよう適切に指導していた事案で、親が監督義務を怠ったとはいえないと判断した例があります。
一方、親がそばにいたのに、住宅の窓へ向けてボールを蹴るなど明らかに危険な遊びを止めなかった場合は、責任を問われる可能性が高まります。
これらの判断は、民法709条の「不法行為による損害賠償」や、同法714条の「責任無能力者の監督義務者等の責任」が根拠となり、争点となります。最高裁判所まで裁判が続いた例があるという事実が、単純な仕組みではないことを裏付けています。
住民から一度危険だと注意された後も同じ遊びを続け、事故が起きた場合は、「危険を予測できた」と判断されやすくなるでしょう。注意を受けたら、遊び方を見直すことが重要です。
そのため、親としては、子どもがどこでどんな遊び方をしているのか、ある程度把握する必要があるといえます。
弁償額は実際の損害と修理内容で決まる
責任がある場合でも、相手の言う金額を無条件で全額支払う必要があるとは限りません。原則として、事故によって生じた実際の損害を賠償します。
たとえば、車の小さなへこみなら、必要な板金塗装費が基準になります。古い物を壊したからといって、必ず最新の新品へ交換する費用まで負担するとは限りません。一方、窓ガラスが割れて全面交換が必要なら、その修理費の多くを負担する可能性があります。
事故が起きたら、現場と破損部分を写真に残し、相手の連絡先を確認しましょう。その場で「何円でも全部払います」と約束せず、見積書を確認することが大切です。
火災保険、自動車保険、傷害保険などに個人賠償責任特約が付いていれば、子どもが他人の物を壊した事故を補償できる場合があります。事故後は示談する前に保険会社へ連絡し、補償対象か確認しましょう。
まとめ
公園でのボール遊びは、有料施設を使っていないからといって違反になるわけではありません。ただし、公園ごとのルールを守り、周囲の利用者や住宅、道路へ危険が及ばないよう配慮する必要があります。
子どもが物を壊した場合も、親が必ず新品代を全額弁償するとは限りません。子どもの理解力、親の監督、遊び方、実際の損害額などをもとに判断されます。
住民から危険だと注意されたなら、柔らかいボールへ替える、広い公園や運動施設を使うなどの対策を取りましょう。個人賠償責任保険の有無も確認しておけば、万が一の事故に備えられます。
出典
川崎市 公園でのルール作りのガイドライン(ボール遊び)を作成しました
横浜市港北区 よくある質問(公園)への回答
最高裁判所 平成24年(受)第1948号 損害賠償請求事件
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

