契約しているマンションの駐車区画を、隣人から「来客があるので数時間貸してほしい」と頼まれました。自分が使わない日でも、無断で貸して事故が起きた場合は“修理費”や“賠償金”を負担しなければいけないのでしょうか?
しかし、マンションの駐車場は、管理組合などと契約した本人や登録車両だけが使えるルールになっていることがあります。無断で貸すと、駐車場使用契約や管理規約に違反する可能性があります。
事故が起きたときに必ず全額賠償するとは限りませんが、余計な責任やトラブルを抱えるおそれがあります。
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使わない日でも自由に又貸しできるとは限らない
マンションの駐車区画は、区分所有者が自由に処分できる専有部分ではなく、管理組合から使用を認められている共用部分であることが多いです。
国土交通省のマンション標準管理規約でも、管理組合が特定の区分所有者と駐車場使用契約を結び、駐車場を使用させる形が示されています。実際のマンションでは、使用者、車両番号、車種などを管理会社へ届け出るルールが設けられていることがあります。
そのため、数時間だけでも、契約者の判断で隣人や来客へ貸すと、無断使用や又貸しと判断される可能性があります。「自分が料金を払っているのだから自由に使える」とは限りません。
特に、機械式駐車場では、車高、車幅、重量などの制限があります。登録外の車が入り、装置を壊したり車が挟まったりすれば、高額な修理につながることがあります。
また、使い慣れていない人の機械式駐車場の利用は、人身事故につながる可能性にも直結します。国土交通省は事故の再発防止を図るため、平成19年6月以降の「機械式立体駐車場の事故情報(重大事故)」の情報提供をしています。
重大事故とは、死亡や全治30日以上の事故を指しています。住んでいるマンションの駐車場の利用がどのように定められているのか、まずは駐車場使用契約書、管理規約、使用細則を確認しましょう。
事故の責任は運転者が中心だが契約者も無関係とは限らない
借りた人が駐車中に隣の車へぶつけた場合、基本的には運転者や車の所有者の責任が問題になります。相手の車の修理費は、借りた人の自動車保険にある対物賠償保険で対応できる可能性があります。
ただし、駐車区画を貸した契約者が、どのような場合でも無関係とは限りません。無断で使用させたことで共用設備が壊れた、利用できない車種だと知りながら機械式駐車場へ案内した、事故後の連絡を妨げたといった事情があれば、管理組合から責任を追及される可能性があります。
また、事故の賠償責任とは別に、無断使用による契約違反が問題になります。注意、違約金、駐車場使用契約の解除などの扱いが規約に書かれている場合があります。
事故が起きたときは、運転者本人の自動車保険が使えるかを確認し、管理会社と警察へ連絡しましょう。物損事故だからと当事者だけで金額を決めると、後から損傷範囲をめぐって揉めることがあります。
貸す前に管理会社へ確認するのが安全
隣人から頼まれた場合は、「契約上、勝手に貸せないので管理会社に確認します」と伝えるのが安全です。断ることは冷たい対応ではありません。マンション全体の安全と契約を守るための判断です。
来客用駐車場がある場合は、その予約方法を案内しましょう。近くの時間貸し駐車場を利用してもらう方法もあります。数時間の駐車料金で済むなら、事故や規約違反のリスクを抱えるより安心です。
管理会社から隣人の来客のための一時利用の許可が出る場合は、貸し出す側の対応を管理会社に聞きましょう。利用時間、車両番号、運転者の連絡先などが必要であれば、隣人に伝えます。
機械式駐車場であれば、制限なども確認します。口頭だけではなく、メールなどで記録を残すとよいでしょう。
お礼としてお金を受け取ると、有償の又貸しと見られ、さらに問題が大きくなる場合があります。管理会社の許可がない限り、金銭の受け渡しも避けたほうが無難です。
まとめ
マンションの駐車区画は、自分が使わない日でも自由に他人へ貸せるとは限りません。管理組合との使用契約や管理規約で、利用者や登録車両が限定されている場合があります。
事故が起きた場合、まず責任を負うのは運転者や車の所有者ですが、無断で貸した契約者も、規約違反や設備損傷について責任を問われる可能性があります。必ず全額を負担するとは限らないものの、不要なトラブルにつながります。
隣人に頼まれたら、管理会社へ確認し、許可がなければ来客用駐車場や時間貸し駐車場を案内しましょう。数時間分の駐車料金を惜しまず、正式な方法を選ぶほうが安心です。
出典
国土交通省 住宅:マンション標準管理規約
国土交通省 機械式立体駐車場の事故情報
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

