子どもが“通信費”を節約するため、外出先の「無料Wi-Fi」に毎回接続していることに気づきました。料金は抑えられても、“個人情報の流出”で金銭被害に遭う可能性はないのでしょうか?
IDやパスワード、カード情報が漏れれば、不正利用などの金銭被害につながることもあります。無料であることだけでなく、安全性を確認して利用しましょう。
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無料Wi-Fiでは通信を盗み見られる可能性がある
公衆無線LAN、いわゆる無料Wi-Fiは、不特定多数の人が同じ接続先を使います。暗号化されていないWi-Fiや、接続用パスワードが誰にでも分かる状態では、通信内容を盗み見られる危険があります。
IPA(情報処理推進機構)は、公衆無線LANでは同じ暗号化キーを多くの利用者が共有する場合があり、通信が暗号化されていても盗聴の危険があると注意を促しています。
簡単な説明ですが、「通信の暗号化」とは、インターネット上でやり取りする文字や画像などのデータを、第三者に盗み見られないよう「秘密の暗号(読めない文字)」に変換して送る仕組みのことです。
この暗号化を行うためのセキュリティ方式には、「WPA」や「WEP」などがあります。つまり、無料Wi-Fiに「WPA」や「WPA2(WPAの改良版)」が使われていれば、「通信の暗号化」は行われていることになります。
それでも、内容が盗み見られる可能性があるということです。総務省も、公衆Wi-Fiでは「WPA2」でも安心できないと説明しています。不特定多数の人が利用するために、利用者全員が暗号化キーを知っている状態にあるからです。
また、もっと悪質なケースがあります。店舗や駅の正式なWi-Fiとよく似た名前を付けた「偽アクセスポイント」が設置されていることもあります。子どもが接続先の名前だけを見て選ぶと、攻撃者が用意したWi-Fiにつながる可能性があります。
動画を見るだけなら被害が起きないこともありますが、そのままSNS、メール、ネット通販、銀行アプリなどを開くと危険性が高まります。通信費を数百円抑えるために、重要なアカウントや決済情報を危険にさらすのは割に合いません。
パスワードの使い回しは金銭被害を広げやすい
無料Wi-Fiを通じてIDやパスワードが漏れた場合、SNSアカウントの乗っ取りだけで終わらないことがあります。
同じパスワードを複数のサービスで使っていると、メール、ネット通販、ゲーム、キャッシュレス決済などへ次々に不正ログインされる可能性があります。登録済みのクレジットカードやポイントを使われれば、実際の金銭被害につながります。
総務省をはじめとする国の公表によれば、令和7年における不正アクセスの認知件数は7190件です。不正アクセス後に行われた行為としては、「インターネットバンキングでの不正送金等」が最も多く、4747件であったことが報告されています。
子どものアカウントでも安心はできません。オンラインゲームのアイテム、電子マネー、保護者のカード情報が登録されている場合があります。また、乗っ取ったSNSから家族や友人へ詐欺メッセージが送られることも考えられます。
無料Wi-Fiへ接続するときは、金融機関へのログイン、ネット通販での購入、カード番号の入力、重要なパスワード変更などを避けましょう。こうした操作が必要なら、携帯電話回線へ切り替えるほうが安全です。
自動接続を切り、正式な接続先か確認する
子どものスマートフォンでは、Wi-Fiの自動接続設定を見直しましょう。一度利用した無料Wi-Fiへ自動的につながる設定になっていると、本人が気づかないまま危険な接続先を使うことがあります。
店舗や施設のWi-Fiを使う場合は、正式な接続先名を店内の掲示や公式サイトで確認します。「FREE」「Public」などの名前だけで接続しないよう伝えましょう。
OSやアプリを最新の状態にし、画面ロックと多要素認証も設定します。多要素認証とは、パスワードだけでなく、SMSの確認番号や認証アプリなどを組み合わせる仕組みです。パスワードが漏れても、不正ログインを防ぎやすくなります。
すでに不審なWi-Fiを使った可能性があるなら、安全な回線へ切り替え、重要なパスワードを変更しましょう。ログイン履歴、カード利用明細、キャッシュレス決済の履歴も確認し、覚えのない利用があればサービス会社やカード会社へ早めに連絡します。
まとめ
無料Wi-Fiは通信費を節約できますが、個人情報の流出やアカウントの乗っ取り、カードの不正利用につながる危険があります。特に、暗号化されていないWi-Fiや、提供元を確認できない接続先は注意が必要です。
利用する場合は、正式な接続先名を確認し、自動接続を切りましょう。銀行、ネット通販、キャッシュレス決済など重要な操作は、携帯電話回線を使うほうが安心です。
通信費を抑えるなら、料金プランの見直しや自宅での動画ダウンロードも検討できます。無料Wi-Fiを全面的に禁止するのではなく、「動画閲覧に限る」「個人情報は入力しない」など、親子で具体的なルールを決めることが被害防止につながります。
出典
IPA 独立行政法人情報処理推進機構 公衆無線 LAN 利用に係る脅威と対策
総務省 公衆Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル
総務省 報道資料 不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

