生活保護費から家賃や光熱費を払うと、食費がほとんど残りません。友人に“医療費は無料になるよ”と言われましたが、実際の生活は成り立ちますか?

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生活保護費から家賃や光熱費を払うと、食費がほとんど残りません。友人に“医療費は無料になるよ”と言われましたが、実際の生活は成り立ちますか?
生活保護の認定を受けると、保険診療の範囲内の医療は自己負担なしで受けることができます。しかし、医療費の負担がなくなっても、家賃や光熱費、食費など日々の生活費に不安が残る人もいるでしょう。
 
生活保護は、さまざまな扶助を積み重ねて支給額が決まる仕組みです。では、不足額が生じる場合はどうしたらよいのでしょうか。本記事では、生活保護の仕組みと不足時の対応について解説していきます。
菊原浩司

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

生活保護費は複数の扶助の積み重ね

生活保護は病気などで働けなくなり収入が途絶えた際、最低限の文化的生活を維持し、生活を立て直すためのきっかけとなる重要なセーフティーネットです。
 
しかし、そのイメージは決してよいものではありません。「国民年金よりも生活保護のほうがお得」などといった、制度の実態とは異なった文脈で語られることも多いです。
 
生活保護費は、用途別に分かれた8つの扶助から、世帯の状況に応じて必要な扶助を組み合わせて支給額が決まります。食費や水道光熱費に充当する「生活扶助」や家賃に充当する「住宅扶助」、保険診療の「医療扶助」、学用品・給食費などの「教育扶助」が主な扶助制度となります。
 

生活扶助が不足するケース1 ~家賃が高い~

生活扶助が不足する原因として、まず家賃が住宅扶助の上限を超えているケースが考えられます。住宅扶助は地域によって上限額が定められているため、この不足額を生活扶助から流用してしまうと、生活費が不足する状態に陥ってしまいます。
 
住宅扶助の上限を超える家賃を生活扶助で補い続けると、生活の持続性に問題が生じやすいため、通常は一定の期間を設けて家賃の安い物件への転居を求められますが、障害・高齢・大家族などの特別な事情がある場合は、住宅扶助の引き上げが認められる場合があります。
 
家賃負担が大きい場合は。担当者に転居支援や住宅扶助の引き上げなどを確認してみるとよいでしょう。
 

生活扶助が不足するケース2 ~必要な扶助が受けられていない~

もう一つのケースとして、扶助の加算が適用されておらず、扶助額が不足している場合が考えられます。生活保護費の代表的な加算として、寒冷地における光熱費の冬季加算や障害者加算・母子加算などがあります。
 
こうした加算は、世帯の状況や要件によって適用の有無が変わるため、保護計算書を確認するか、担当者に適用できる加算制度がないかを確認するようにしましょう。
 
過剰・突発的な支出をしていないのなら、生活保護の制度上、保険診療の範囲内の医療費は原則として本人負担なしで、家賃も住宅扶助の上限内で実費が支給されます。もし生活費が不足するのであれば、扶助が適切に適用されているかを確かめることをお勧めします。
 

生活保護を適切に利用するには

生活保護の不正利用の報道によるイメージや「働かざる者食うべからず」の価値観からくる罪悪感、窓口の水際作戦などにより、本来は利用できる状況にあっても制度につながれない人がいます。
 
また、制度の誤解も多くあります。例えば「扶養照会で家族・親族に窮状が知らされる迷惑がかかる」「働いたら受給停止または働いた分差し引かれる」「財産があると申請できない」「窓口で断られたら申請できない」などです。
 
しかし、実際には扶養照会は、DVなど扶養義務の履行が期待できない場合には照会しない扱いが示されており、勤労控除制度により働いて得た収入がすべて保護費から差し引かれるわけではありません。財産があっても、通勤用の車などは保持できる場合もあります。また、生活保護の申請拒否は違法であり、書面を提出すれば受付義務が生じます。
 
生活保護の受給世帯は、高齢者・障害者・傷病者がほとんどです。就労支援などの課題はありますが、生活保護によって生活を立て直せる方も多くいます。
 
生活保護を適切に利用しても、医療費以外の負担によって生活が苦しい場合は、住宅扶助の上限や加算の有無などを担当のケースワーカーに相談し、改善できる点がないか確認するとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 生活保護制度の概要等について
柏市 生活保護
 
執筆者 : 菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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