バスの両替機が一万円札に対応していない、と運転手にキレられて地獄でした。両替不可能とのことで次回の精算になりましたが、これがバス業界で正しい対応なのでしょうか?

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バスの両替機が一万円札に対応していない、と運転手にキレられて地獄でした。両替不可能とのことで次回の精算になりましたが、これがバス業界で正しい対応なのでしょうか?
路線バスに乗車し、降車時に財布を開けたところ一万円札しか入っておらず、車内の両替機を見ると、「高額紙幣は利用できません」と表示されています。
 
事情を説明すると、運転手から強い口調で「両替できません! 困ります!」と言われ、車内には何とも言えない気まずい空気が流れた……。このような経験をされた方もいるでしょう。
 
では、車内の両替機が一万円札に対応していないことや、運賃をその場で支払えなかった場合の対応は、バス業界ではどのように扱われているのでしょうか。また、運転手の対応は適切だったでしょうか。今回は、バス業界の実態について考えていきます。
水上克朗

ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー

バスの両替機が一万円札に対応していないのは珍しくない

結論から言えば、車内の両替機が一万円札に対応していないことは、決して珍しくありません。実際、多くの路線バスでは、車内で利用できる紙幣は千円札までです。
 
都営バスでは、運賃の支払いに利用できる紙幣は千円札のみと案内されています。また、小田急バス、京成バスなどでも、高額紙幣である二千円札、五千円札、一万円札は利用できません。
 
その理由としては、車内で大量の釣り銭を保管することが難しいことや防犯上の観点、そして運行の定時性を維持する必要があることが挙げられます。
 
特に、朝夕の混雑時には、一人の利用者の両替対応によって数分遅れただけでも、その後の運行に影響が及ぶことがあります。そのため、多くの事業者は「事前に千円札をご用意ください」と利用者に呼びかけているのです。
 

運賃を支払えない場合の対応は、バス会社によって異なる

では、一万円札しか持っていない利用者がいた場合、どのような対応が行われているのでしょうか。
 
実は、この点について全国共通のルールはありません。多くのバス会社は「高額紙幣は利用できません」と案内していますが、その場で運賃を支払えなかった場合の対応については、事業者ごとに運用が異なります。
 
例えば、西東京バスでは、高額紙幣しか持ち合わせていない利用者に対し、「過剰運賃払戻証」を発行し、後日営業所や案内所で返金を受けられる仕組みを設けています。
 
一方で、「次回利用時に支払ってください」「後日精算します」といった対応を公式ホームページやFAQで公表しているバス会社は、著者が確認した範囲では見当たりませんでした。
 
そのため、一万円札しか持っていない利用者への対応は、各バス会社や営業所の運用によって異なると考えられます。今回のケースで「次回精算」という対応が取られたのであれば、その対応がそのバス会社の運用に基づくものであった可能性があります。
 

問題は制度ではなく、運転手の伝え方かもしれない

もっとも、今回のケースで利用者が強い不快感を抱いたのは、「次回精算」という制度そのものではなく、その伝え方だったのではないでしょうか。
 
利用者からすれば、決して運賃を支払うつもりがなかったわけではなく、単に一万円札しか持ち合わせていなかっただけです。もちろん、利用者側にも小銭や千円札を準備しておく責任があります。しかし近年はキャッシュレス決済が普及し、現金をほとんど持ち歩かない人も増えています。
 
そのような状況のなかで、「申し訳ありませんが、一万円札はご利用いただけません。別の方法で対応いたします。」と丁寧に説明されるのと、「両替できません! 困ります!」と強い口調で言われるのとでは、利用者が受ける印象は大きく異なります。
 
公共交通機関は、高齢者や観光客、外国人旅行者など、さまざまな利用者が日常的に利用するサービスです。だからこそ、利用者には事前準備が求められる一方で、事業者側にも分かりやすい案内や、利用者に寄り添った説明が期待されるのではないでしょうか。
 

まとめ

今回のケースを整理すると、「一万円札が使えなかったこと」は、多くのバス事業者で採用される一般的な運用です。一方、運賃をその場で払えない場合の対応は全国共通ではなく、事業者ごとに運用が異なります。「次回精算」という方法も、その会社独自の運用である可能性があります。
 
利用者が不快な思いをしたのであれば、それは制度という問題よりも、コミュニケーションや接遇の問題だった可能性があります。キャッシュレス化が進む時代だからこそ、利用者も千円札を数枚携帯する意識を持ち、事業者側も利用者に配慮した対応を心掛けることが求められているかもしれません。
 
バスは、地域の交通の大きなインフラです。利用者と事業者がお互いの事情を理解することで、こうしたトラブルは減らしていけるのではないでしょうか。
 

出典

東京都交通局 よくあるご質問 都営バス
小田急バス株式会社 車内における高額紙幣の取り扱いについて
京成電鉄バスグループ ご乗車方法
西東京バス株式会社 よくあるご質問
 
執筆者 : 水上克朗
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー

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