契約している駐車場が工事で“数日”使えないと連絡がありました。代わりの“駐車場代”を自分で負担する場合でも、“月額料金”は通常どおり支払う必要がありますか?
契約内容や工事の理由によりますが、契約者の責任ではない事情で駐車場を使用できない場合は、利用できなかった期間について料金の減額を求められる余地があります。
ただし、自分の判断で月額料金を差し引くのではなく、管理会社と事前に精算方法を確認することが大切です。
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工事で使えない期間があれば料金減額の余地がある
月極駐車場は、貸主が駐車スペースを利用させ、借主がその対価として料金を支払う契約です。つまり、契約した区画をまったく利用できない期間があれば、「使えないのに通常どおり全額支払うのか」という問題が生じます。
民法では、賃借物の一部が借主の責任ではない理由で使用できなくなった場合、その割合に応じて賃料が減額されるという考え方があります(第611条第1項)。一時的な工事による使用不能についても、利用できなかった程度や契約内容を踏まえて料金調整が問題になることがあります。
たとえば、月額3万円の駐車場が30日のうち3日間まったく使えず、代替区画も提供されない場合です。単純な日割りなら3日分は約3000円です。このような金額について減額や翌月分との相殺を相談するのは、不自然ではありません。
ただし、「使えなかった3日分は自分で引いて2万7000円だけ振り込む」という対応は避けましょう。契約上は日割りをしない規定や、工事時の扱いが定められていることもあります。無断で減額すると、駐車料金の未払いとして扱われるおそれがあります。
代替駐車場が用意されれば月額料金が続く場合もある
貸主や管理会社が近隣の代替駐車場を無料で用意してくれる場合は、事情が変わります。多少場所が変わっても、契約期間中に車を停める場所が確保されているのであれば、通常の月額料金をそのまま支払う扱いになることがあります。
一方、「工事期間中は自分で駐車場を探してください。費用も自分で負担してください」と言われた場合は、月額料金との二重負担になります。
たとえば、普段の月極料金が3万円で、5日間のコインパーキング代が1万円かかったなら、その月だけ駐車費用が4万円になります。工事が契約者の都合ではない以上、管理会社に何も確認せず受け入れる必要があるとは限りません。
工事のお知らせが届いたら、「工事期間中の月額料金は減額されるのか」「代替駐車場は用意されるのか」「自分で借りた場合の費用を負担してもらえるのか」を書面やメールで確認しましょう。確認した内容が見える形で残るので、電話よりも安心です。
代わりの駐車場代まで必ず請求できるとは限らない
注意したいのは、駐車場料金の減額と、別の駐車場を借りた費用の補償は別の問題だということです。先ほど紹介した民法611条では、賃料の減額については記載がある一方で、補償については規定されていません。別の駐車場の費用について民法415条の考え方が適用できる場合があります。
民法第415条は、債務不履行による損害賠償の規定です。簡単に言えば、 「約束(契約)を守らなかった人(債務不履行)は、それによって相手が被った損害を賠償しなければならない」という損害賠償請求の基本ルールを定めた条文です。社会通念上、やむを得ない場合をのぞくことも書かれています。
つまり、貸主側に契約違反や落ち度があり、そのために損害が発生した場合は、代替駐車場代について損害賠償を求められる可能性があります。
しかし、安全上必要な補修工事や、契約書で一時的な利用制限が予定されていた場合などは、必ず全額を補償してもらえるとは限りません。
不動産流通推進センターの相談事例(賃貸ビルの設備工事)でも、設備工事によって賃借物が一時的に使用できない場合、賃料減額が問題になる一方、休業損害などの追加補償まで当然に請求できるわけではないという考え方が示されています。
駐車場でも同様に、まず契約書と工事案内を確認することが重要です。月額料金を減額するのか、代替区画を無償提供するのか、外部駐車場代を実費精算するのか、双方で決めておきましょう。
まとめ
契約している月極駐車場が貸主側の工事で数日使えない場合でも、月額料金を必ず通常どおり全額支払わなければならないとは限りません。契約者に責任がなく、駐車スペースを利用できなかったのであれば、期間に応じた料金減額を相談できる余地があります。
ただし、代替駐車場代まで必ず貸主が負担するとは限りません。工事の理由、契約書の内容、代替区画の有無によって変わります。
工事開始前に、月額料金の扱いと代替駐車場代の負担を管理会社へ確認しましょう。自分の判断で料金を差し引くのではなく、メールなどで合意を残しておけば、後から未払いをめぐって揉めることを防げます。
出典
e-Gov 法令検索 民法
不動産流通推進センター 賃貸ビルの設備工事で、店舗として賃借している物件を使用できない期間の、賃借人による賃料減額及び休業補償金の請求の是非について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

