スーパーの「お一人様1点」の特売品を、夫が会計後にもう一度並んで買おうとします。「会計を分ければ問題ない」と言うのですが、こうした買い方は許されるのでしょうか?
「お一人さま1点」は会計回数ではなく、同じ人が買える数量を制限するための表示と考えるのが自然です。店舗によって細かな運用は異なりますが、同じ人が何度も並び直して購入すれば、店員から販売を断られる可能性があります。
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「お一人さま1点」は会計1回につき1点という意味ではない
「お一人さま1点限り」と表示されている場合、通常は一人の客が購入できる数を1点に制限する趣旨です。
そのため、一度会計を済ませて店内を回り、もう一度同じ商品をレジへ持っていったとしても、購入する人物は変わっていません。「会計を分ければ何個でも買える」と考えると、本来の販売条件とは合わなくなります。
特売品に数量制限が設けられる理由の一つは、できるだけ多くの客に商品を購入してもらうためであると考えられます。特売では「お一人さま1点」「一家族1点」「一定金額以上購入した人に限り1点」など、さまざまな条件が使われることがあります。
実際の店舗だけでなく、ネットスーパーでも「お一人さま1点限り」と数量を限定して販売する商品があります。つまり、数量制限は店舗が提示する販売条件の一つと考えたほうがよいでしょう。
ただし、「1日1点なのか」「来店1回につき1点なのか」「特売期間中に1点なのか」は、表示だけでは分かりにくい場合があります。その場合は、自分に都合よく解釈せず、店員へ確認するのが確実です。
並び直しても店側から販売を断られることがある
一度購入した人が再びレジに並んだ場合、店舗側が必ず2点目を販売しなければならないわけではありません。
法務省は、「契約自由の原則」について、契約は当事者の自由な意思に基づいて結ぶことができ、「契約を結ぶかどうか」、「誰と結ぶか」について当事者は自由に決めることができると説明しています。
また、契約の締結や成立については、民法第521条に「契約の締結及び内容の自由 」が、第522条に「契約の成立と方式 」が定められています。これらは、「契約自由の原則」の根拠として解釈されることが一般的です。
そのため、店舗側が「お一人さま1点限り」という販売条件を提示している場合、その条件に反して何度も購入を試みる客に対し、店側は契約を拒み、販売を断る法的な正当性を有しているといえます。
数量制限を意図的に無視する行為を繰り返せば、店員から明確に拒否される可能性があるだけでなく、円滑な店舗運営を妨げる行為とみなされるおそれもあります。
たとえば、卵、米、飲料、限定のお菓子など、通常より大幅に安く販売されている商品では、在庫数が限られていることがあります。一人が何個も買えば、後から来た客が買えなくなります。
レジ担当者が一回目の購入に気づかず販売してくれることもあるでしょう。しかし、「見つからなければ問題ない」という考え方はおすすめできません。
店員から指摘されたときに口論になったり、今後の利用について注意を受けたりすれば、数百円の節約以上のストレスになります。
また、セルフレジを使って複数回購入すればよいという考え方も同じです。レジの種類が変わっても、「一人1点」という条件がなくなるわけではありません。
家族で買う場合も表示を確認する
夫婦でスーパーへ行った場合はどうでしょうか。「お一人さま1点」と書かれているだけなら、夫と妻がそれぞれ1点買える運用になっている店舗もあります。
しかし、「一家族さま1点限り」と表示されているなら話は別です。この場合、夫婦で会計を分けても、家族全体で1点という条件になります。
また、「中学生以上のお客さま1点」「3000円以上購入した方に1点」などの追加条件が付いていることもあります。広告や商品棚の小さな文字まで確認しましょう。
どうしても2点必要なら、通常価格で2点目を買えるかを店員へ聞く方法もあります。店舗や商品によっては「特売価格は1点まで、2点目から通常価格」という扱いをしてくれることがあるかもしれません。別の日に購入できるか確認するのもよいでしょう。
近所のお気に入りのスーパーに行きにくくなってしまっては、元も子もありません。節約したいからこそ、店員とトラブルにならない買い方を選ぶことが大切です。
まとめ
スーパーの「お一人さま1点限り」は、一般的には「会計1回につき1点」ではなく、一人の客が買える数を1点に制限するための表示です。一度会計した後に同じ人が並び直しても、別人になるわけではありません。
店舗によって具体的な運用は異なりますが、2点目の販売を断られる可能性があります。「一家族1点」「1日1点」など別の条件が設定されている場合もあるため、表示を確認しましょう。
数百円安く買うために、ルールの隙を探して何度もレジへ並ぶ必要はありません。分からなければ「一度買ったのですが、もう1点購入できますか」と店員に確認するのが一番確実です。気持ちよく節約を続けるためにも、店舗が示した条件の範囲で買い物を楽しみましょう。
出典
法務省 高校生向けリーフレット「18歳を迎える君へ」
e-Gov 法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

