約7000円の「ETC車載器」を買おうとしたら、息子に「損するから2万円の型がいい」と勧められました。あまり使わないからと“安いETC”を選ぶとトータルで損ですか?「セキュリティ規格の変更」とは
しかし、「安いほうを選ぶとかえって損をする」というアドバイスは、現在の高速道路事情や制度の変更を踏まえると、一理ある考え方です。
目先の価格だけでETC車載器を選んでしまうと、数年後に想定外の出費が発生したり、受けられるはずのサービスを利用できなかったりする可能性があります。
本記事では、安価なETC車載器を選ぶことで生じる懸念点を確認し、2万円程度するETC2.0対応車載器を選ぶメリットについて解説します。
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安価なETC車載器を選ぶことで生じる懸念点
カー用品店などでは、7000円程度のETC車載器から3万円以上するものまで販売されています。販売金額に幅がある理由の1つは、ETC規格の違いです。
現在販売されているETC車載器には、従来規格である「ETC(ETC1.0)」と、新規格である「ETC2.0」の2種類があります。ETC1.0は、2001年から主として有料道路通行料金の支払いを行うETCシステムに使用されてきました。
一方、「ETC2.0」は、2016年から導入された新しい規格のETC車載器です。ETC2.0の普及が進むなか、ETC1.0を価格だけで選ぶと、今後の高速道路の利用時にいくつかのデメリットが生じる可能性があります。
2030年頃に予定されている「新セキュリティ規格」への対応
最も注意したいのが、セキュリティ規格の変更です。国土交通省は、情報漏えいや不正利用を防止するため、ETC車載器のセキュリティ規格を更新する方針を示しています。
2030年に旧セキュリティ規格の車載器は利用できなくなる予定とされているため、ETC車載器を購入する際は、新セキュリティ規格に対応しているかどうかを確認することが重要です。
現在カー用品店などで販売されているETC車載器には、新セキュリティ規格に対応していない安価なETCモデルが残っている場合もあります。
非対応のETC機種を購入すると、将来的に本体の買い替えや再セットアップ、取り付け工賃などの費用が発生する可能性があります。
「ETC2.0限定割引」や「道の駅の一時退出サービス」が利用できない
ETC2.0の車載器を使用すると、対象路線で実施されているETC2.0限定の料金割引を受けることができます。特に圏央道および東海環状自動車道を利用する機会が多い人にとっては、影響が大きいでしょう。
ETC2.0限定の料金割引が適用される区間では、ETC1.0より料金が20%安くなるケースがあります。ETC1.0ではこうした割引を利用できないため、利用頻度によっては差額が積み重なる可能性があります。
また、長距離ドライブの途中で、トイレ休憩や食事のために高速道路を一度降りて道の駅を利用したい場面もあるでしょう。
ETC2.0では、対象となるインターチェンジから一時退出し、2時間以内に同一のインターチェンジから再流入すると、高速道路を降りなかった場合と同じ料金となる「一時退出サービス」の対象となる路線があります。
一方、ETC1.0ではこのサービスの対象外となるため、一度高速道路を降りると料金が精算され、再度乗り直した際には新たに料金が発生する場合があります。
利用頻度や状況によっては安価なETCという選択肢もあり
ETC1.0(約7000円)とETC2.0(約2万円)の価格差は、およそ1万3000円です。高速道路の利用頻度が少ない人にとっては、「その差額を回収できるのだろうか」と感じるかもしれません。
そこでおすすめなのが、新セキュリティ規格に対応している従来型ETCの選択です。7000円程で販売されているETC車載器には、ETC2.0には対応していなくても、新セキュリティ規格に対応している機器もあります。
また、3年以内に車を買い替える予定がある人や、高齢で数年後には免許返納を検討している人もいるかもしれません。2030年頃までに車を手放す予定で、高速道路を利用する機会も少ないのであれば、ETC2.0ではなく、ETC1.0の対応車載器でも十分でしょう。
一方、ETC2.0には安全運転支援や事故多発地点での注意喚起、災害時支援といった機能が搭載されています。このように、安全運転につながる機能も備わっているため、価格だけで判断しないことも大切です。
なお、国土交通省では、セキュリティ規格の変更について「セキュリティに問題が発生した場合は、変更時期が早まる可能性があります」としている点には注意が必要です。
長期的な視点で選ぶことが大切
利用頻度が少ないからといってETC1.0対応車載器を選ぶと、将来的な買い替え費用や、ETC2.0限定サービスを利用できないといったデメリットが生じる可能性があります。
約1万3000円の初期費用の差はありますが、将来の買い替えコストや手間を抑えられる可能性があることや、ETC2.0ならではのサービスを利用できることを考えると、長期的にはETC2.0を選ぶメリットはあるでしょう。
一方、新セキュリティ規格に対応しているETCであれば、ETC1.0でも十分な場合があります。高速道路の利用頻度や今後の利用予定も踏まえ、自分に合った車載器を選びましょう。
出典
国土交通省 ETC2.0とは
一般財団法人ITSサービス高度化機構 ETC2.0について
国土交通省 セキュリティ規格の変更について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

