家の庭に「除草剤」をまいたら、隣家から「除草剤のせいで家庭菜園が枯れた」と弁償を求められた!“敷地外”には絶対まいてないのに、本当にうちのせいなんですか? トラブル時の対応も確認
本記事では、除草剤が隣家に影響を及ぼす主な原因やトラブル発生時の対応、近隣トラブルを未然に防ぐためのポイントを詳しく解説します。
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目次
自宅の庭にしか除草剤をまいていなくても隣家に影響はある?
自分の庭だけにまいたつもりでも、さまざまな理由から隣家の植物に影響を与えてしまうことがあります。
例えば、液体タイプの除草剤の場合、散布した後に雨が降ると、成分が雨水とともに流れて土壌へ染み出す可能性があります。また、急な斜面に除草剤をまくと、傾斜に沿って薬液が流れ落ちてしまい、十分な効果が得られないばかりか、坂の下方にある隣家に迷惑をかけてしまいます。
近くに樹木がある場所での使用にも、注意が必要です。土壌から吸収させるタイプの除草剤をまいた際、地中に伸びた根から薬効成分を取り込んでしまう恐れがあります。樹木の根は、枝が広がっている範囲よりも遠くまで伸びていることがあるため、隣家の木に影響を与えないよう十分配慮しなければなりません。
さらに、風が強い日に作業を行い、風に乗った除草剤が隣家の敷地まで飛んでいってしまうケースもあります。
除草剤で隣家の草木を枯らしてしまった場合の法的責任
除草剤が原因で隣家の庭木や草花を枯らしてしまった場合は、民法第709条(不法行為)に基づき、損害賠償の責任を問われる可能性があります。
請求される損害賠償の金額は、被害の範囲によって異なります。例えば、もし除草剤によって営農者(農家)が出荷予定だった農作物を枯らしてしまった場合は、予定されていた売上分を倍賞しなければなりません。
表題のケースでは、自分たちで食べるために育てている家庭菜園と想定されるため、倍賞範囲は種や苗代、生育にかかった肥料代などに留まるでしょう。
ただし、もし裁判に発展した場合は、被害を受けた側が「その除草剤のせいで枯れた」という事実を証明しなければならず、この因果関係の立証は決して簡単ではありません。
とはいえ、引っ越しをしない限り、近所づきあいは続いていきます。「裁判になっても負けないだろう」と開き直って相手の主張を突っぱねるのは、今後の関係を考えると得策とはいえません。
円満解決を目指すには?
除草剤の使い方について近隣からクレームが入ったときは、感情的にならず、落ち着いて話し合いを重ねることが大切です。
身に覚えがない場合でも、「うちのせいではない」と相手の主張を一方的に否定するのは避けましょう。「うちの除草剤が原因なのか私たちも分からず……」というように、相手との対立を避けつつ、戸惑っている気持ちを正直に伝えるのが賢明です。
当時の天気や風向きなどを振り返って、「原因かもしれない」と心当たりがある場合は、「気を配っていたのですが、もしかするとうちの除草剤のせいかもしれません。申し訳ありません」と素直に謝罪することが、円満な解決への第一歩となります。
除草剤トラブルは個人賠償責任保険の対象になる?
個人賠償責任保険とは、日常生活で他人にけがをさせたり、物を壊したりして損害賠償責任を負った際、その費用を補償する保険です。
除草剤の散布や草刈り機の使用など、庭仕事にともなう近隣トラブルは、個人賠償責任保険の対象になる場合があります。ただし、補償範囲は保険商品によって異なるため、現在加入中の保険の契約内容をチェックしてみましょう。
また、今後のトラブルに備えて加入を検討する場合も、補償内容をきちんと確認しておきましょう。
除草剤をまくときに近隣トラブルを回避するためのポイント
隣家とのトラブルを回避するため、除草剤を使用する際は以下のポイントに注意しましょう。
説明書をしっかり読む
除草剤のパッケージやボトルには、使用方法や注意事項が記載されています。作業を始める前に必ず目を通し、使用できる場所や期待できる効果、安全に使うための注意点などをしっかり確認しておきましょう。
風向きや天候などを考慮する
前記のとおり、自宅の敷地内だけで除草剤を使ったつもりでも、雨風や土地の傾斜によって隣家へ成分が流れ出てしまう危険性は十分あります。
除草剤を散布する際は、その日の風向きや天気、周りの地形などをよく考慮し、周囲に迷惑がかからないよう配慮しましょう。また、隣家との境界線に近い場所での使用はできるだけ控えるのが安心です。
散布前に隣家へ断りを入れておく
除草剤に限らず薬剤をまく際は、事前に隣家へひと声かけておくのがマナーです。たとえ人体や隣家の植物に害がない製品であっても、薬剤の散布そのものに不安を感じる人は少なくありません。
事前に、「これから散布すること」と「使用する製品や散布範囲に注意して作業を行うこと」を説明しておくのが理想的です。もし相手から理解を得られないようであれば、その場での使用は見送るようにしましょう。
除草剤を使用する際は周辺への配慮を忘れずに
除草剤は、正しく使用しないと、意図せず隣家の草木にダメージを与え、トラブルに発展するリスクがあります。散布時は天候や風向き、地形に配慮し、事前に隣家へ一声かけておくことがトラブル回避のポイントです。
万一苦情を受けた場合でも、感情的にならず冷静に対話を重ねることが円満解決への近道となります。正しい知識と周囲への配慮を心がけ、安全・快適にお庭のお手入れを行いましょう。
出典
e-Gov法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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