小学生の娘がこれまで貯めたお小遣いを全部使って「高額なゲーム機」を買いたいと言っています。本人のお金なので親が指図せず、自由に使わせるべきでしょうか?
一方、小学生にとって数万円は大きなお金です。親が一方的に禁止する必要はありませんが、何も考えず全額使わせることが金融教育になるとも限りません。「買えるか」だけでなく、「買った後に何が残るか」まで親子で考える機会にするとよいでしょう。
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お小遣いでも高額な買い物は親子で確認したほうがよい
「親の方針次第」と言い切ることは簡単です。その方針を決めていくうえで、判断材料はあるに越したことはありません。ひとつの切り口として、まずは法律上の視点を確認してみます。
小学生は未成年者です。民法では、未成年者が契約をするときは、原則として法定代理人である親などの同意が必要とされています。
愛知県の「あいち暮らしWEB」でも、満18歳をもって成人とされ(民法4条)、また、17歳までの未成年者の契約において、保護者などの法定代理人の同意を得ずにした契約は、本人や法定代理人が取り消すことができる(民法5条)と説明されています。
ただし、例外もあります。親から目的を決めずに自由に使うことを許された財産については、未成年者が自分で処分できます。一般的なお小遣いは、この「自由に使うことを許された財産」に当たることがあります。
そのため、「未成年だからゲーム機は絶対に自分で買えない」というわけではありません。ですがその一方で、民法上の契約の扱いは、大人とは違うことが分かります。「契約」と書きましたが、「買い物」は立派な契約です。
子どもでも自由に使うことを許されたお小遣いですが、数万円する商品を購入する場合まで、普段のお小遣いとまったく同じ扱いにするかは、家庭で決めておくことが大切です。
たとえば、「1000円以下なら自由」「5000円を超える物は相談する」といったルールです。金額を決めておけば、子どもも何を自分で決め、何を親と相談すべきか理解しやすくなります。
高額なゲーム機を買いたいと言われたら、最初から「ダメ」と言うのではなく、まず貯めたこと自体を認めたうえで、一緒に購入計画を考えましょう。
「買った後に残るお金」を本人に計算させる
家計管理アプリ「お小遣い帳 ポケマネ」を開発・運営する株式会社NilCraftが行った「子どものお小遣い調査」によると、小~中学生の母親300人のうち、「定額制ではない(必要な時に都度渡す)」が54.0%で、過半数を超えています。
月単位での金額については、小学校低学年の中心帯は「500〜1000円」、中学生の中心帯は「3,000〜5,000円」であったとされています。
また、子どものお小遣い管理については、「記録をせず、財布の残金だけを見て使っている 」が26.7%で最多、「全く管理しておらず、あるだけ使っている 」が16.3%と、あわせて4割以上の家庭で、記録や管理がされていません。デジタルネイティブ世代でありながら記録による「見える化」ができていない現状が、金融教育上の課題として指摘されています。
ゲーム機を買うか判断するときに役立つのが、貯金残高を数字で見せることでしょう。そして、ゲーム機を買ったら手元にいくら残るのか、そのお金で何ができるのかを考えることです。つまり「見える化」することは、ひとつの判断軸になりえるでしょう。
たとえば、娘がこれまで6万円貯め、5万円のゲーム機を買いたいとします。購入すれば残るのは1万円です。
さらに、ゲーム機は本体だけで遊び続けられるとは限りません。ソフト、ケース、周辺機器、オンラインサービスなどに追加のお金が必要になる場合があります。
「本体を買ったら残りはいくら?」「欲しいソフトが7000円なら買える?」「来月ほかに欲しいものが出たらどうする?」と本人に計算してもらいましょう。その際、ノートなどに見えるような形で、メモや記録を残しておくとよいでしょう。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)も、小学校低学年を対象とした金融教育で、お小遣いの使い方や貯め方、計画的な貯蓄を学ぶことを重視しています。小学校高学年向けの教材には、お金の流れや金融トラブル、保険についての内容も盛り込まれています。
まとまったお金を全部使う前に、将来欲しいものや必要な支出も考える経験が、お金の管理を学ぶ機会になります。
親が「絶対買わせない」と決めてしまえば、子どもは自分で選んだ結果を学べません。逆に何も相談せず全額使わせると、「貯まっているお金は全部使ってよい」という感覚が身につく可能性があります。
一部を残すルールを親子で決める方法もある
全額を使うことが心配なら、「買うなら一定額は残す」という条件を一緒に考えてもよいでしょう。
たとえば6万円あるなら、「1万円は残して5万円まで使う」「本体は自分のお金、最初のソフトは誕生日プレゼントにする」などです。
また、本当に欲しいのか確認するため、1~2週間の「考える期間」を設ける方法もあります。それでも欲しければ購入する、という約束です。衝動買いを避ける経験にもなります。
購入すると決めたら、新品だけでなく価格を比較しましょう。ただし、中古品やフリマアプリでは、保証の有無や故障リスクに注意が必要です。小学生本人だけでネット上の個人間取引をさせるのではなく、親が内容を確認してください。
そして、購入後に「使い過ぎた」と後悔しても、すぐ親がお金を補充しないことも大切です。欲しい物が新たに出てきたら、またお小遣いを貯める経験につなげます。
「自分のお金だから好きにしてよい」と「親が全部決める」の間に、親子で考えて本人が決めるという選択肢があります。
まとめ
小学生が自分で貯めたお小遣いでも、数万円するゲーム機を買うなら、何も相談せず自由に使わせる必要はありません。一方で、親が一方的に禁止してしまうのも、お金の使い方を学ぶ機会を失わせる可能性があります。
まず、ゲーム機を買った後に残る金額や、ソフトなど今後必要になる費用を本人が計算し、「見える化」してもらいましょう。そのうえで、「一定額は残す」「高額な買い物は相談する」など家庭のルールを決める方法があります。
自分で貯めたお金を、自分で考えて使う経験は大切です。今回のゲーム機購入を、単なる買い物ではなく、「欲しいもののために貯める」「使ったら減る」「将来のために一部を残す」というお金の基本を学ぶ機会にするとよいでしょう。
出典
あいち暮らしWEB 未成年者契約 | 法律基礎知識 | 消費生活情報
株式会社NilCraft 【子どものお小遣い調査】半数以上(54.0%)が「定額制ではない」── 子どもの管理は「残金で把握」「使いっぱなし」で4割超(PR TIMES)
金融経済教育推進機構 J-FLEC 【標準講義資料_小学生低学年向け】おこづかいからまなぶお金の話
金融経済教育推進機構 J-FLEC 【標準講義資料_小学生高学年向け】おこづかいから学ぶお金の話
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

