50代ですが、子どもの大学費用に年間「150万円」かかっています…。夫は老後のための貯金を取り崩すつもりですが、定年まで10年ほどでも教育費を優先して大丈夫なのでしょうか?
年間150万円の大学費用を負担し、定年まで約10年という場合、教育費だけを優先するのは注意が必要です。今回は、大学にかかる費用と老後の家計を確認しながら、両立する方法を考えてみましょう。
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目次
大学費用が年間150万円前後かかることは珍しくない
大学では、授業料だけでもまとまったお金が必要です。
文部科学省が公表している「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和7年度の国立大学は入学料が28万2000円、授業料が53万5800円です。公立大学は入学料が平均38万2806円、授業料が平均53万6520円、私立大学は入学料が平均24万365円、授業料が平均96万8069円となっています。
単純に入学料と授業料を合計すると、初年度は国立大学で81万7800円、公立大学で91万9326円、私立大学で120万8434円です。
さらに、大学生活では教材などにもお金がかかります。一人暮らしなら、家賃や生活費、帰省費なども必要でしょう。そのため、年間150万円を負担しているからといって、一概に高すぎるとはいえません。
ただし、年間150万円を4年間支払えば600万円です。家計への負担も大きいため、卒業までにあとどの程度の費用が必要になるのか、あらかじめ確認しておくことが大切です。
50代で老後資金を大きく取り崩すのは慎重に考えたい
教育費を優先して老後資金が大幅に減ることには注意が必要です。老後は、収入だけでは生活費をまかなえない可能性があるためです。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月の実収入が25万4395円、税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得が22万1544円でした。
一方、消費支出は26万3979円です。可処分所得から消費支出を差し引くと、月4万2434円の不足となります。
単純計算すると年間では約51万円です。ただし、これはあくまで平均的な家計のデータです。実際に必要な老後資金は、年金額や生活費、住宅の状況、退職後も働くかどうかなどによって変わります。
また、老後には住宅の修繕や家電の買い替え、医療・介護などでまとまった支出が発生することもあります。そのため、年金見込み額や退職金、現在の貯蓄額を確認したうえで、教育費に回せる金額を決めることが大切です。
教育費を払いながら老後資金を守るには「使ってよい金額」を決める
老後資金を取り崩すなら、教育費として使える上限を先に決めておくとよいでしょう。
例えば年間150万円の教育費があと3年間必要なら、単純計算で450万円です。まず卒業までの教育費を見積もり、次に定年時点で残したい老後資金を考えます。年金の見込み額や退職金、定年後の生活費も確認すると、「現在の貯金から教育費にいくら使えるか」を判断しやすくなります。
老後用として残したいお金まで使うことになりそうなら、教育費の負担方法を見直すのもよいでしょう。家計の固定費を減らしたり、利用できる給付型奨学金や授業料の減免制度がないか調べたりする方法があります。
さらに、子どもの卒業後は、それまで教育費に充てていたお金を老後資金づくりへ回すことも大切です。仮に年間150万円を5年間貯蓄できれば750万円になります。実際に貯められる額は収入や支出によりますが、教育費終了後を貯蓄のペースを上げる時期と考えるとよいでしょう。
教育費と老後資金は二者択一にせず、定年までの10年間で両立を目指そう
年間150万円の大学費用を負担すること自体が、ただちに問題というわけではありません。ただし、50代で老後資金を取り崩す場合は、定年後の生活に必要なお金まで使わないよう注意が必要です。
まずは「卒業までの教育費」「現在の貯蓄」「年金の見込み額や退職金」「老後の生活費」を確認しましょう。そのうえで、老後のために残す金額と教育費に使える金額を分けます。
定年まで約10年あるなら、教育費が終わったあとに貯蓄を増やすことも可能です。教育費か老後資金かの二者択一にせず、夫婦で「老後のために最低限残す金額」を決め、卒業後の貯蓄計画まで立てておくことが大切です。
出典
文部科学省 (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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