実家で「父のETCカード」を借りて“自分の車”で高速道路に乗った兄…「ゲートは通れても規約違反」と聞きましたが、ペナルティはあるのでしょうか?「ETCカード貸し借り」で規約違反になるケースとは
本記事では、他人のETCカードを使う行為が問題ないのかを軸に、利用した際のデメリットや、うっかり使ってしまった場合の対処法まで詳しく解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
ETCカードは自分以外の人が使ってもいい?
結論からお伝えすると、個人名義のETCカードは記載された名義人だけが使える仕組みで、家族であっても勝手な貸し借りは規約違反にあたります。クレジットカードの利用規約には名義人本人のみ使用できると明記されており、たとえ親子やきょうだいであっても例外とはなりません。
ETCシステム自体は特定の車と紐づいているものではないため、車載器があれば誰のカードでも物理的には通行できてしまうのが実情です。ただし、物理的に使える点と、規約のうえで許されている点は、まったく別物だと理解しておく必要があります。
一方、道路会社の規則では、ETCカードの名義人本人が乗車している車両であれば、本人が運転者であることまでは求められていません。そのため、父親名義のETCカードを使い、父親が同乗して兄が運転するといったケースは、父親が乗っていない状態でカードだけを借りるケースとは扱いが異なります。
他人のETCカードを利用してしまったときのデメリット
他人のETCカードを使うと、規約違反に加えて思わぬ法的なトラブルや金銭的な負担を招く危険があります。
ETC割引そのものは、普段と違う車でも適用されますが、割引が効くからといって安全とは限りません。不正通行と判断された場合、不法に免れた通行料金+免れた通行料金の2倍の割増金に相当する額を請求された事例もあり、金銭的なダメージは決して小さくないといえます。
わざとでなくても他人のETCカードを使ったときはどうする?
ETCカードは、悪意がなくても名義人以外の使用は避けるべきで、気づいた時点ですぐに正しい対応へ切り替えるのが安心です。
過去には、名義人が同乗していないことを認識しながら他人名義のETCカードを使用し、電子計算機使用詐欺罪が認められた裁判例があります。
ただし、単純なカードの取り違えなど、故意のない誤使用まで直ちに同罪が成立するとは限りません。誤使用に気づいた場合は、そのまま繰り返し利用せず、カード発行会社や利用した道路会社へ相談しましょう。
誤って自分名義以外のETCカードを使ってしまった場合は、次の流れで落ち着いて対応しましょう。
1. 高速道路を管轄する会社へできるだけ早めに連絡する
2. 通行の状況を伝え、正しい料金の支払い方法を確認する
連絡が遅れて通行の記録を確認できないと、最大料金で請求されてしまう場合もあるため、早めの対応が肝心です。
根本的な解決策としては、家族カードに付帯するETCカードを発行し、利用者それぞれの名義でカードを持つ方法がおすすめです。クレジットカードを作りにくい場合でも、年会費とデポジットで持てるETCパーソナルカードなら、本人名義のカードを用意できます。
まとめ
ETCカードは、基本的に名義人本人しか使用が認められておらず、家族であっても勝手な貸し借りは規約違反にあたります。判断の基準は、運転の有無ではなく同乗の有無で、名義人が同じ車に乗っていない状態での利用は避けるべきです。
万一、名義人以外のカードを使うと電子計算機使用詐欺罪に問われる恐れがあり、不法に免れた通行料金+免れた通行料金の2倍を請求された事例もあります。事故が起きた際の補償や割引をめぐるトラブルにもつながりかねません。
誤って使ってしまった場合は、すぐに高速道路の管轄会社へ連絡し、正しい手順で処理を進めましょう。日ごろから家族カードやETCパーソナルカードを活用し、名義人ごとにカードを持つ安全な使い方へ切り替えていきましょう。
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

