結婚式に“家族4人”で「ご祝儀10万円」包もうとしたら、夫に「NISAの上限額だ…」と言われショック! 毎月10万円積み立て中ですが「NISA貧乏」なりかけですか? 投資との「適切な距離感」
しかし、投資資金の確保を優先するあまりに、結婚の祝儀費用や知り合いとの飲み会などの、人付き合いにかかるお金を支払う時まで「節約」が頭をよぎるのは考えものです。投資との適切な「距離感」について考えてみましょう。
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
夫婦+子ども2人で出席する場合、ご祝儀「10万円」は多すぎる?
夫婦と子ども2人の計4人で結婚式に招待された場合、ご祝儀として「10万円」を包むのは多すぎるのでしょうか。一般的なマナーと相場を確認してみましょう。
まず、招待されたのが「夫婦2人」だった場合の相場としては、ご祝儀は割り切れない「奇数」が良いとされるため「5万円」または「7万円」が現在では適切と考えられています。「9万円」は「く(9)るしむ」につながり、縁起が悪いために避けたほうが無難です。
また、子ども連れで出席する場合は、人数分の料理代や席料を目安にご祝儀を上乗せするのがマナーです。子どもの年齢にもよりますが、1人あたり5000円から1万円程度を上乗せすることが多いでしょう。
これらを踏まえると、基本的な祝儀の金額(5万円から7万円)に、子ども2人分(1万円から2万円)を加算することになります。したがって、家族4人で出席する場合にご祝儀として7万円から10万円(キリの良い数字として)を包むのは、決して多すぎる金額ではなく、妥当なラインだと言えます。
このような支出に対して「もったいない」とブレーキがかかってしまうとしたら、それは家計のバランスが、少し投資に傾きすぎているサインかもしれません。
2026年3月に話題となった「NISA貧乏」とは
投資資金を確保するため、節約に夢中になってしまう人を揶揄(やゆ)する「NISA貧乏」という言葉が、2026年3月頃に話題になりました。国会の衆議院財務金融委員会で、野党議員が片山さつき財務大臣に対して質問をする中でこの言葉を取り上げたことがきっかけだと言われています。
これに対して片山大臣は「(雑誌の)記事を見て、ちょっとショックを受けた。資産運用だけでなく、最適な毎月の収入の使い方も金融教育に入ってくる部分だ」と返答し、本来想定されているNISA制度の活用方法とはズレていると示唆しています。
この点については筆者も大臣と同意見で、現在「NISA貧乏」のような状態にある人には、考え方と行動を改めるよう、強くアドバイスしたいところです。あくまでもNISA制度などを活用した投資は、「目的」ではなく、人生を豊かにしていくための「手段」の1つにすぎません。
目の前の投資資金を確保しようとするあまり、本来生活に必要なお金や、将来の収入を高めるために使うべき「自己投資」のためのお金、また質問者のように冠婚葬祭費用などの人付き合いのために重要なお金までを節約してしまっては、本来目指すべき「豊かな生活」自体がないがしろにされてしまいます。
投資にのめり込むあまり、「貧しい人生」になっていませんか
長らく「投資後進国」などと呼ばれていたわが国で、一般的な所得額の個人でも手軽かつ効率的に投資ができるNISAやiDeCoといった公的制度が整備されたこと自体は、非常に良い傾向だと思います。
しかし、年金制度や医療制度などの将来的な不安から投資にのめり込んでしまい、「NISA貧乏」などという言葉が生まれてしまうのは健全な状態ではありません。
投資口座に数千万円の評価額を持つ投資信託や株式を持っていても、人生の中でお金を使うべき場所で使えなくなってしまえば、それはどう見ても「貧しい人生」にほかならないでしょう。
筆者はファイナンシャル・プランナーとして、多くのお客さまの家計を見させていただいた中で、
「人のお金の使い方・ため方・増やし方には、その人の『生き方・哲学』が出る」
と確信しています。逆に言えば、自分はどのように生きていきたいのかをハッキリと思い描けない状態の人は、投資をしたとしても特に目的がなく、ただひたすら手元のお金を増やすだけになりかねません。これこそが「NISA貧乏」といわれてしまう人の特徴なのではないでしょうか。
まとめ
毎月10万円を積立投資しているとしても、大事な人のお祝いの席に出す祝儀の金額まで気になりだすようでは、「NISA貧乏」と言われても仕方ないかもしれません。
お金はあくまでも、自分や家族の人生を豊かにするためのツールです。そして「ご祝儀」は、よい人間関係や思い出といったお金には代えられない価値を生み出すことのできるお金です。
投資のペースが早すぎて「お祝い事を心から祝えない」と感じているのなら、月々の積立額を減らし、現金を手元に厚く残すよう、夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。積み立て投資はあくまでも「余裕資金」で、細く長く続けることが重要です。
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

