温泉旅館に宿泊したところ、母から「仲居さんには心づけを渡すもの」と言われました。宿泊代にサービス料も含まれているのに、今でも渡すのが常識なのでしょうか? 金額の目安も知りたいです
ただし、現在は宿泊料金の仕組みや旅館の接客方法も変わっています。本記事で、昔からの習慣をそのまま守るべきなのか、現在の旅館ではどのように考えればよいのかを確認していきましょう。
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温泉旅館の心づけで迷ったときの考え方
現在の日本では、旅館の仲居さんへ心づけを渡すことは「必ず守るべきマナー」ではありません。国民生活センターでも、日本ではチップを払う習慣はないと案内しています。一方、特別な配慮を受けた際などに、感謝の気持ちとして「心づけ」を渡す習慣は今も見られます。
また、観光庁のモデル宿泊約款では、宿泊料金の内訳として、基本宿泊料とは別にサービス料を設定する料金体系が示されています。ただし、サービス料の具体的な内容や扱いは旅館によって異なるため、心づけと同じものとして考えるのではなく、別のものとして捉えるとよいでしょう。
こうした点を踏まえると、母親から「仲居さんには心づけを渡すもの」と言われても、必ず用意しなければならないわけではありません。心づけは昔から続く習慣の一つではあるものの、現在では義務ではなく、感謝の気持ちを伝えたいときに任意で渡すものと考えるとよいでしょう。
心づけを渡す場面で意識したいポイント
基本的に心づけは不要ですが、通常以上に手間をかけてもらった場合には、感謝の気持ちとして渡す選択肢があります。
例えば、体調不良のため食事内容や時間を急きょ調整してもらった、子どものために特別な対応をしてもらった、記念日の演出について細かく相談に乗ってもらった、といった場合です。こうしたケースでは、お礼を言葉だけでなく形にしたいと考える人もいるでしょう。
ただし、心づけを渡したからといって、通常よりよいサービスを求めるものではありません。あくまで、受けた配慮に対する感謝として考えることが大切です。また、旅館によっては従業員が個人的に心づけを受け取らない方針を設けています。その場合は無理に渡そうとせず、「ありがとうございました」と感謝を伝えるだけでも十分でしょう。
心づけを用意するときに知っておきたい金額と渡し方
心づけには法律や業界共通の決まりがなく、金額も自由です。一般的には、夫婦や家族など1組につき1000~3000円程度が一つの目安とされています。ただし、人数が多い場合や、特別な配慮を受けた場合などは、状況に応じて金額を増やすこともあります。
また、連泊する場合は、宿泊日数に応じて毎日心づけを渡す必要はありません。滞在中の分をまとめて渡し、宿泊日数や受けたサービスの内容に応じて、無理のない範囲で金額を調整するとよいでしょう。
渡す場合は現金をそのまま差し出すより、ポチ袋や小さな封筒に入れると丁寧な印象になります。タイミングは、担当の仲居さんが部屋へあいさつに来たときや、特別な対応をしてもらった後、チェックアウト前などが考えられます。その際は、「いろいろとお気遣いいただき、ありがとうございました」など、感謝の一言を添えて渡すとよいでしょう。
温泉での心づけは感謝の気持ちを大切にしよう
温泉旅館の心づけは、現在では必ず渡さなければならないものではありません。宿泊料金やサービス料を支払って通常のサービスを受けるだけであれば、別途現金を用意しなくても問題ないでしょう。
一方、特別な配慮を受け、「ぜひお礼をしたい」と感じた場合には、1000~3000円程度を目安として心づけを渡す方法があります。ただし、旅館側が受け取りを断ったときは、その方針を尊重しましょう。
心づけで最も大切なのは、昔からの慣習だからと義務感で渡すことではなく、感謝をどのように伝えたいかです。迷った場合は無理に用意せず、仲居さんへ丁寧にお礼を伝えるだけでも、十分に気持ちは伝わるでしょう。
出典
独立行政法人国民生活センター 訪日観光客消費者ホットライン お役立ち情報 日本ではチップの文化はありません
観光庁 モデル宿泊約款
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

