「タイなら月10万円で暮らせる」と聞きました。夫婦2人なら、家賃・食費・光熱費を含めても本当に足りるのでしょうか? タイ移住にかかる1ヶ月の生活費を解説
しかし、月10万円は2026年8月現在の為替で2万バーツ程度です。家賃や食費のほか、水道光熱費や交通費なども必要になります。さらに、長期移住ならビザや医療への備えも欠かせません。
今回の記事では、タイの公的な家計データなどを参考に、夫婦2人が月10万円で暮らせるのかを解説します。
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目次
夫婦2人で月10万円は現地世帯の平均支出と比べても余裕が少ない
タイ国家統計局(NSO)の2025年家計調査によると、タイ全土の1世帯あたりの平均月間支出は2万2420バーツです。食料・飲料などが8420バーツ、住居・家事関連が4753バーツ、交通関連が3430バーツとなっています。
1バーツ=約5円として月10万円を約2万バーツと考えると、タイの一般世帯の平均支出さえ下回ります。
現地世帯と日本人夫婦では生活スタイルが違うため、単純な比較はできません。ただし、日本人がセキュリティや衛生面を重視して住居を選べば、家賃が高くなることも考えられます。
為替にも注意が必要です。かつて1バーツ=3円程度だった時期と比べ、近年は5円近くになる場面もあります。2万バーツの支出なら、3円では6万円ですが、5円では10万円です。同じ生活でも円安・バーツ高になれば、日本円で見た負担は大きくなります。
地方で生活を現地化すれば月10万円前後に抑えられる可能性はある
一方、月10万円生活がまったく不可能というわけではありません。バンコク中心部を避け、チェンマイなど比較的生活費を抑えやすい地域を選び、生活を現地に合わせれば実現できる可能性があります。
例えば、チェンマイでは市中心部から離れた1ベッドルームの住居が月1万バーツを下回る水準で見つかることがあります。安価なローカルレストランなら、1食50~80バーツ程度で食べられる場合もあります。
仮に家賃8000バーツ、食費8000バーツ、水道光熱費・通信費2000バーツ、交通費など2000バーツなら、合計2万バーツです。約10万円に収まります。
ただし、日本食を頻繁に食べたり、設備の整ったコンドミニアムを選んだりすれば予算を超えやすくなります。暑いタイではエアコンの使用で電気代も増えるため、無理な節約を前提にするのもおすすめできません。
「計算上は暮らせる金額」と「夫婦が無理なく暮らせる金額」は分けて考える必要があるでしょう。
生活費が月10万円でも長期滞在にはビザや医療費への備えが必要
タイで長期滞在する場合は、毎月の生活費とは別に、ビザ申請・滞在許可に必要な資金を準備する必要があります。特に50歳以上で就労を目的としない長期滞在を希望する場合は、申請するリタイアメント関連のビザや滞在資格ごとに、年齢、収入・預金、保険などの条件を確認しなければなりません。
リタイアメント関連の制度では、月額収入、預金残高、またはその組み合わせによる資金要件が設けられる場合があります。
代表的な基準として、月6万5000バーツ以上の収入、80万バーツ以上の預金、または年収と預金の合計が80万バーツ以上という基準がありますが、ビザの種類や申請先によって条件は異なります。月10万円程度の年金収入だけでは、月6万5000バーツの基準に届かない可能性が高いため、為替レートと申請時の公式要件を確認する必要があります。
また、病気やけがへの備えも重要です。海外旅行保険には契約期間や補償条件があり、長期移住でも必ず利用できるとは限りません。ビザによっては医療保険の要件もあります。
毎月の生活費だけでなく、医療費や一時帰国などに使える予備資金も用意しておくと安心でしょう。
タイ移住は月10万円だけを基準にせず余裕を持った資金計画を立てよう
夫婦2人がタイで月10万円生活をすることは、地方で安い住居を選び、ローカルフード中心の生活をすれば不可能ではありません。しかし、タイ国家統計局による現地世帯の平均月間支出は2万2420バーツです。月10万円を約2万バーツとすると、それより少ない予算になります。
さらに、日本人が長期滞在する場合はビザや医療、保険、帰国費用なども考えなければなりません。円安・バーツ高が進めば、日本円で必要な金額も増えます。
まずは短期滞在で実際の生活費を確認するのもひとつの方法です。夫婦が無理なく続けられる生活水準を把握し、予備費まで含めた余裕のある資金計画を立ててから移住を検討しましょう。
出典
タイ国家統計局(NSO) THE 2025 HOUSEHOLD SOCIO – ECONOMIC SURVEY(14ぺージ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

