熱中症で入院し「大部屋が満室なので個室に」と言われた父→5日後に「差額ベッド代7万円」請求され仰天! 病院の都合なのに、本当に払うんですか?「請求してはならない」3つのケース

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熱中症で入院し「大部屋が満室なので個室に」と言われた父→5日後に「差額ベッド代7万円」請求され仰天! 病院の都合なのに、本当に払うんですか?「請求してはならない」3つのケース
猛暑が続く8月は、熱中症で家族が入院するケースが増えます。「大部屋が満室なので個室になります」と言われると、深く考えずに書類へサインする人もいるのではないでしょうか。
 
退院のときに、個室代の請求書を見て驚くことも少なくありません。実は、差額ベッド代には、病院が患者に請求してはならない場合が国の通知で定められています。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

差額ベッド代は「同意」が前提

個室や少人数の病室は「特別療養環境室」と呼ばれ、その費用(差額ベッド代)は公的医療保険の対象になりません。そのため病院は、窓口で支払う自己負担分とは別に請求することができます。
 
ただし、どんなときでも請求できるわけではありません。厚生労働省の通知では、病院は次の3つをすべておこなわなければならないとされています。


・病室のベッド数、場所、料金を院内の見やすい場所に掲示する
・患者側に設備や料金を明確かつ懇切丁寧に説明する
・料金を明示した文書に患者側の署名を受け、同意を確認する

つまり差額ベッド代は、患者が納得して個室を選んだことが前提の費用であり、病院が一方的に決められるものではありません。
 

請求してはならない3つのケース

同じ通知では、患者に特別の料金を求めてはならない場合として、次の3つを挙げています。


・同意書による同意の確認をおこなっていない場合(料金の記載がない、署名がないなど内容が不十分な場合を含む)
・患者本人の「治療上の必要」により個室へ入院させる場合
・病棟管理の必要性等から個室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合

2つ目にあたるのは、症状が重くて安静が必要な人や、ほかの患者に感染症をうつすおそれのある人などです。3つ目には「特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため」個室に入院させた場合が、例としてはっきり書かれています。
 
大切なのは、2つ目も3つ目も、患者の側が選んだわけではないという点です。決めたのが病院の側なら、その費用を患者に回すことはできない、という考え方になっています。
 

5日で7万円。満室が理由なら支払い義務はない

1日1万4000円の個室に5日間入院した場合、請求額は次のようになります。
 
・1万4000円×5日=7万円
 
これは、入院費の自己負担とは別にかかるお金です。入院が長引けば、その日数だけ金額が積み上がっていきます。
 
ただし、大部屋が満室で個室に移ったのであれば、3つ目のケースにあたり、病院は差額ベッド代を求めてはならないことになります。個室に入った理由がはっきりしないときは、大部屋が空いた時点で移れるのかどうかも、早めに聞いておきたいところです。
 
同意書に署名していても、内容が足りなければ同じです。署名の前に、その部屋を選んだのは自分たちなのか、それとも病院の都合なのかを確かめておくとよいでしょう。書類には料金と部屋の種類が書かれているので、その場で読む時間をもらってかまいません。
 
請求に納得できないときは、まず病院の医事課に、通知のどの要件を満たしているのか尋ねてみてください。そのうえで解決しないときは、加入している公的医療保険の保険者や、病院を管轄する地方厚生局に相談する方法もあります。
 

まとめ

差額ベッド代は、患者が個室を選んだときに支払う費用です。大部屋が満床という病院側の事情で個室に入ったのであれば、国の通知のうえでは請求できないケースにあたります。
 
入院の手続きはあわただしく、家族は動揺しているため、内容を確かめないまま署名しがちです。同意書を求められたら、料金と、だれの判断で個室になったのかを確認しておくことが大切でしょう。その場のひと言で、あとから請求書を見て慌てずに済むこともあります。
 

出典

厚生労働省 「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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