子どもの部活動の送迎で、毎週末「片道30キロ」ほど車を出しています。保護者から「ガソリン代500円」をもらっていますが、高速代や駐車料金まで負担すると毎回赤字になることも…。ガソリン代とは別に実費をお願いしてもよいのでしょうか?
国土交通省のガイドラインでは、無償の送迎に伴い、燃料代だけでなく有料道路料金や駐車場代などの実費を受け取ることが認められています。保護者同士でルールを決め、実際にかかった費用を公平に分担する方法を検討しましょう。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
片道30キロなら500円ではガソリン代にも足りない場合がある
学生スポーツ応援コミュニティ「ANYTEAM」の調査(2026年)によると、中高生の運動部における保護者の年間平均負担額は8.4万円で、部活動別に見ると、サッカー部の14万円が最高額だったと報告されています。
保護者の65%が部活動の費用に負担を感じており、その中には「交通費」や「遠征・大会参加費」、「保護者の応援・送迎費」も含まれています。
部活遠征に伴う保護者の送迎負担は決して無視できないのが実態です。一部の保護者にしわ寄せが来ているのなら、それはフェアではありません。片道30キロなら、往復では60キロです。
仮に車の燃費が1リットル15キロ、ガソリンを1リットル180円として計算すると、60キロ走るには約4リットル必要です。燃料費だけで約720円になります。
複数人の子どもをまとめて送迎する場合でも、全員の保護者から1回につき「合わせて500円」をもらっていると仮定します。部活費として前以て集金された中から、渡されるような場合です。
これはあくまで計算例ですが、この条件なら500円を受け取ってもガソリン代だけで約220円の持ち出しです。
そこへ高速料金1000円と駐車料金500円がかかったとすれば、実際の出費は約2220円になります。500円だけでは約1720円を運転した家庭が負担することになります。
一度だけなら「お互いさま」で済ませられても、毎週続けば負担は大きくなります。月4回なら、この例では7000円近い持ち出しです。
そのため、「ガソリン代500円をもらっているから、それ以上頼むのは申し訳ない」と考える必要はありません。まず実際にいくらかかっているかを数字にしてみましょう。
高速代や駐車料金も「実費」として分担できる
自家用車で他人を送迎してお金を受け取ると、「白タクのような有償運送になるのでは」と心配する人もいるでしょう。
しかし、国土交通省の「道路運送法の許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」では、無償運送に伴う実費の請求・支払いについて、ガソリンなどの燃料費、有料道路使用料、駐車場代などを実費として挙げています。
つまり、保護者が利益を得る目的ではなく、送迎のため実際に発生した高速代や駐車場代を分担すること自体は、実費精算として整理できます。たとえば、乗車する子どもが自分の子を含めて4人で、高速料金と駐車料金が合計2000円だったとします。
各家庭で公平に分けるなら、単純計算で1家庭500円です。燃料費についても、距離と燃費を基準に一定額を決める方法があります。
ただし、運転した人が利益を得るほど高い「送迎代」を毎回設定すると、実費精算とは性格が変わります。あくまで実際に必要となった費用を基準にすることが大切です。
個人同士で決めず部活動全体のルールにすると揉めにくい
毎回運転する保護者だけが「今日は高速代もください」と個別に請求すると、人によって負担額が違い、トラブルになりやすくなります。できれば顧問、学校、保護者会などに相談し、送迎費の基準を統一しましょう。
たとえば「燃料費は1台1キロ○円として計算」「高速・有料道路・駐車場は領収書による実費」「乗車した家庭で均等に分担」と決めておけば分かりやすくなります。
また、お金だけでなく安全面の確認も重要です。文部科学省と国土交通省は2026年6月、部活動などで自家用車を使う際の安全確保策を公表し、安全管理チェックシートの活用などを求めています。
誰が運転するのか、車の点検はされているか、長距離を一人に集中させないかなども話し合う必要があります。
万一の事故に備えて、自動車保険の補償内容も確認しておきましょう。送迎費を決める機会に、「費用」と「安全」の両方を保護者会で共有しておくと安心です。
まとめ
片道30キロの部活動送迎では、500円を受け取ってもガソリン代だけで足りない場合があります。高速料金や駐車料金まで運転する家庭が負担し続ける必要はありません。
国土交通省のガイドラインでも、無償送迎に伴うガソリン代、有料道路料金、駐車料金などは実費として請求・支払いできるものと整理されています。
ただし、個人の判断で毎回違う金額を請求するより、保護者会や学校で統一ルールを作るのがおすすめです。領収書を残し、実際にかかった費用を公平に分ければ、「送迎してくれる家庭だけが毎週赤字」という状態を防ぎながら、部活動を続けやすくなります。
出典
KDDI株式会社・スポーツブル株式会社【中高生の部活費の実態調査】運動部の年間平均負担額は8.4万円。保護者の65%が「負担」を実感。(PR TIMES)
国土交通省「道路運送法の許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」について
文部科学省「学校教育等に関する移動の安全確保のための対策」のとりまとめについて(通知)(8文科教第681号)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

