年金暮らしの母が「家賃をおさえたい」と公営住宅への入居を希望。父の遺産も合わせて「1000万円」の貯金がありますが、これだけ資産があっても申し込めますか?
公営住宅に申し込むには、自治体で定められている条件を満たしている必要があります。今回は、貯金がある状態で公営住宅へ申し込めるのか、また公営住宅の収入基準などについて、東京都を例にご紹介します。
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貯金があると公営住宅には申し込めない?
東京都の場合、都営住宅への応募条件のうち、収入面で定められているのは所得基準です。貯金額は指定されていないため、貯金が1000万円あっても入居できる可能性があります。
ただし、所得基準以外にも、次の条件をすべて満たしていなければ、応募はできません。
(1)東京都内に3年以上続けて住んでいる
(2)配偶者がおらず、一人で住んでいる
(3)次の項目のうちいずれかに該当している
・60歳以上
・身体障害者1~4級
・単身精神障害者
・単身知的障害者
・生活保護または中国残留邦人支援給付受給者
・海外からの引き揚げ者
・ハンセン病療養所の入所者など
・単身DV被害者
(4)住宅に困窮している
(5)暴力団員ではない
例えば、60歳以上でも、住宅や土地を所有している場合は原則として申し込めません。例外に該当するか分からない場合は、都営住宅の問い合わせ窓口へ相談するとよいでしょう。
収入基準の所得とは
東京都住宅政策本部によると、単身かつ60歳以上の人の年間所得基準は0~256万8000円です。
所得とは、収入を基に定められた方法で計算して求める金額です。年金の場合、公的年金等に係る雑所得を求めることになります。その後、東京都で定められた計算方法で求めた金額が、基準となる世帯の所得金額です。
しかし、パート勤務をしている場合には、パートで得た収入からも所得を求める必要があります。給与を受け取っている場合には、給与所得の計算が必要です。また、副収入を得るために事業を営んでいる場合は、雑所得や事業所得なども合計します。
計算対象となる所得を合計した結果、所得基準を超えていると、申し込みはできません。所得基準内かを確認する際は、年金だけでなく、ほかの収入もないか確認しましょう。なお、一般的な預貯金の利子は、源泉徴収のみで課税が完結する「源泉分離課税」のため、通常は所得基準に含まれません。
ただし、一定の社債の利子など、申告が必要となる利子所得がある場合は、所得基準の計算対象になる可能性があります。
自治体ごとに異なる条件も確認が必要
公営住宅への応募条件は、自治体により異なります。
例えば、東京都では所得が基準内であることが条件です。一方、兵庫県の収入基準は政令月収が基準値以下であることです。政令月収は、年間の総所得から、扶養控除などを差し引いたあと、12ヶ月で割った金額を指します。
収入条件以外にも、公営住宅の応募条件に自治体で独自のルールが設けられている場合があります。公営住宅へ申し込みたい場合は、必ず住んでいる自治体の応募条件をよく確認しましょう。
貯金があっても条件を満たしていれば申し込める可能性はある
東京都の場合、公営住宅への応募条件に貯金額は明記されていません。そのため、1000万円の貯金があっても、収入が所得基準内かつほかの条件も満たしているのであれば申し込める可能性があります。
ただし、収入条件における所得は、年金所得だけでなくパートで得た給与など、ほかの所得も合算した金額です。ほかの所得の金額によっては、申し込めない場合がある点は留意しておきましょう。
また、自治体によっても、公営住宅への応募条件が異なります。収入基準が異なっている場合もあるため、今回の都営住宅の募集条件はあくまでも例として、自分の自治体の応募条件を確認しておきましょう。
出典
東京都住宅政策本部
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)
兵庫県 兵庫県営住宅の募集・管理
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
