1898年ハワイ島の火山旅行は「50ドル」だった?当時の賃金で考えるとどれくらい?
当時の旅行ガイドを読むと、ホノルルから火山を訪れる旅行について、料金や日程まで具体的に書かれています。
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ホノルルから火山まで往復「50ドル」
ガイドによると、ホノルルから火山を訪れる往復旅行の料金は50ドルでした。旅程は約8日間で、火山周辺には1週間滞在できると説明されています。
さらに、火山へのルートは2つあり、行きと帰りで異なるルートを利用する約2週間の旅行は70ドルと紹介されています。当時はWilder’s Steamship CompanyとInter-Island Co.がそれぞれ火山方面へのルートを案内しており、両者を組み合わせて周遊することもできたようです。
Wilder’s Steamship Companyの広告では、同社の蒸気船KINAUを利用した火山旅行が「ホノルルから往復50ドルですべての費用をまかなえる」と宣伝されています。
50ドルは現在なら約2000ドル相当?
50ドルと聞くと、現在の感覚ではそれほど高く感じないかもしれません。しかし、お金の価値は130年近くの間に大きく変化しています。ミネアポリス連邦準備銀行が公表している長期物価データでは、1898年の物価指数は25、2026年の推計値は1004.8です。
この比率で単純に購買力を換算すると、
50ドル × 1004.8 ÷ 25 = 約2010ドル
となります。
つまり、1898年の50ドルは、現在の物価水準で考えると約2000ドル相当という目安になります。70ドルの2週間旅行なら、同じ計算で約2810ドルです。
ただし、1913年より前の物価指数は歴史資料をもとにした推計値です。そのため、現在の旅行代金と完全に同じ基準で比較できるわけではありません。
当時の労働者の日給と比べると約78日分
もう一つ分かりやすいのが、当時の賃金との比較です。ハワイ州の歴史統計によると、サトウキビ農園労働者の日給は1888~1890年で0.60~0.86ドル、1902年の畑作業員では0.64ドルでした。
1898年そのものの賃金ではありませんが、前後の時代の目安として見ることができます。仮に1902年の日給0.64ドルと比較すると、50ドル ÷ 0.64ドル = 約78日分となります。
つまり、サトウキビ畑で働く労働者の現金賃金で考えると、約78勤務日分に相当します。
なお、この統計は現金賃金のみを示したもので、当時は住居や医療、場合によっては食事などが別に提供されることもありました。
また、旅行ガイドを読んでハワイを周遊する観光客と農園労働者では所得水準が大きく異なるため、「一般の旅行者にも78日分の給料だった」と考えることはできません。それでも、50ドルが小さな出費ではなかったことが想像できます。
船には電灯まで備えられていた
130年前の旅行と聞くと、不便な船旅を想像するかもしれません。ところが旅行ガイドでは、観光客が利用する蒸気船について、設備が整っていて電灯も備えられていると説明しています。
さらに、火山旅行へ向かう旅行者には、好みの食べ物を入れた小さなバスケットを用意することも勧められていました。ホノルルの食料品店に電話で注文すれば、商品を梱包し、希望する場所へ届けてもらうこともできたようです。
船に乗り、何日もかけて島を移動し、火山周辺に滞在する。現在の日帰りツアーとはかなり違う、いわば「ハワイの大旅行」だったのです。
まとめ
1898年の旅行ガイドによると、ホノルルからハワイ島の火山を訪れる約8日間の旅行は50ドル、約2週間の旅行は70ドルでした。物価水準から単純換算すると、50ドルは現在の約2000ドル、70ドルは約2800ドル相当になります。
さらに当時前後のサトウキビ農園労働者の日給と比較すると、50ドルは数十日分の現金賃金に当たります。
現在とは旅行方法も物価も大きく違いますが、キラウエア火山が「かなりのお金と時間をかけても見に行きたい場所」だったことは、130年近く前から変わっていなかったようです。
出典
Library of Congress Illustrated handbook of the Hawaiian Islands : guide to Honolulu and vicinity
Federal Reserve Bank of Minneapolis Consumer Price Index, 1800-
State of Hawaii Department of Business, Economic Development & Tourism Wage and Salary Rates for Specified Occupations: 1841 to 1971
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
