レストランでスマホから注文したら、通信が遅くて同じ料理を二重に注文してしまいました。店員から「もう作り始めています」と言われましたが、2皿分とも支払う必要がありますか?
本記事で契約の基本的な考え方と、実際にトラブルになったときの対応を確認していきます。
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スマホで二重注文になったときの支払いの考え方
スマホの画面上で同じ料理を2回注文し、店側にも2件の注文として正常に届いている場合は、原則として2皿分の注文が成立していると考えられます。
民法第522条第1項では、契約内容を示した「申し込み」に対して相手が承諾すると、契約が成立すると定められています。飲食店でも、客が料理を注文し、店側がその注文を受け付ければ、書面を交わしていなくても契約が成立するのが一般的です。
一方で、通信が遅かったり画面が固まったりしたため、注文できていないと思って再度ボタンを押したところ、実際には最初の注文も送信されていたというケースも考えられます。このように、本人に2皿注文する意思がなかったことが明らかな場合は、単に、「注文が2件入っている」という事実だけで、必ず2皿分を支払わなければならないとは言い切れません。
二重注文に気づいたら、注文時の画面表示や通信状況、注文完了の通知、注文した時間などを確認しましょう。二重注文になった経緯を整理しておけば、店側にも事情を説明しやすくなります。
「調理を始めている」と言われた場合の対応
店側がすでに調理を始めている場合、キャンセルに応じてもらえない可能性があります。調理後の料理は別の客に提供しにくく、食材費や人件費などの負担が店側に生じるためです。
ただし、すでに調理を始めている」という理由だけで、必ず2皿分の支払いが必要になるとはかぎりません。例えば、通信障害やシステムの不具合によって同じ注文が短時間に重複し、客が気づいてすぐ申し出た場合などは、二重注文に至った経緯も含めて判断されることになります。
また、民法第95条では、重要な勘違いによる意思表示について、一定の要件を満たす場合に「錯誤」を理由として取り消せると定められています。ただし、二重注文であれば必ず取り消せるわけではなく、注文時の状況や本人の過失の程度などによって扱いは異なります。
モバイルオーダーサービスによっては、注文後にキャンセルできる仕組みが用意されている場合があります。一方で、注文後のキャンセルを受け付けていなかったり、キャンセル料が発生したりするケースもあるため、店舗の利用規約や注文画面に表示された条件も確認しておくと安心です。
二重注文に気づいたときに確認したいこと
二重注文に気づいた場合は、できるだけ早く店員へ伝えることが大切です。時間がたつほど調理が進み、キャンセルに応じてもらいにくくなる可能性があります。
店員に申し出る際は「1皿だけ注文するつもりだった」「通信が遅かったので、注文できていないと思ってもう一度操作した」など、二重注文になった経緯を具体的に説明しましょう。状況を詳しく伝えることで、店側も注文時の経緯を確認しやすくなります。
あわせて、スマホに残っている注文履歴や注文時刻、注文完了画面を確認しておくとよいでしょう。
例えば、同じ料理が数秒程度の間隔で2回注文されている場合、意図せず注文が重複した経緯を説明する材料の一つになります。支払いをめぐるトラブルに発展しそうなときは、注文履歴や画面表示のスクリーンショットを保存しておくと、後から状況を確認する際にも役立ちます。
店側と話し合っても解決せず、支払額をめぐって大きなトラブルになった場合には、消費者ホットライン「188」へ相談する方法もあります。最寄りの消費生活センターなどにつながるため、当事者間での解決が難しいときは活用を検討しましょう。
料理の注文完了を確認して二重注文を防ごう
スマホで料理を注文する際は、画面の反応が遅くても、すぐに注文ボタンを押し直さないことが大切です。注文が完了したか分からない場合は、注文履歴や完了画面を確認し、それでも判断できなければ店員に尋ねましょう。
二重注文に気づいたときは、注文時刻や通信状況を確認したうえで、できるだけ早く店舗へ事情を伝える必要があります。支払いの扱いは、二重注文に至った経緯や店舗のルールによって異なるためです。トラブルを避けるためにも、注文時の状況を整理し、店側と話し合いながら解決を目指しましょう。
出典
デジタル庁 e-Gov 法令検索 民法
消費者庁 消費者ホットライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
