数日前に「30万円」を振り込んだはずなのに、家族から「まだ振り込まれてないよ」と連絡が。確認すると、知らない人の口座へ誤送金していたことが発覚…! 相手がすでに使っていたら、もう取り戻せないのでしょうか?
しかし、相手の口座へ入金されたからといって、すぐに諦める必要はありません。まずは銀行に「組戻し」を依頼する方法があります。また、組戻しができなくても、相手に返還を求められる可能性があります。
本記事では、誤って振り込んだ30万円を取り戻す方法や、相手がすでに使っていた場合の扱いを解説します。
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目次
知らない人に30万円を誤送金したら、まず銀行に「組戻し」を依頼する
誤送金に気づいたら、まず振込元の銀行へ連絡しましょう。すでに振込先への入金が完了している場合は、「組戻し」を依頼するのが一般的です。
組戻しとは、振込後に振込金を返してもらうための手続きです。ただし、銀行へ連絡すれば自動的に30万円が戻ってくるわけではありません。すでに相手の口座へ入金されている場合、原則として受取人の承諾が必要です。
例えばみずほ銀行は、受取人口座に入金済みで受取人の承諾が得られない場合、振込金を返却できないと案内しています。楽天銀行も、振込先の金融機関を通して受取人の意思を確認するとしています。
また、組戻しには手数料がかかる場合があります。一例として、みずほ銀行と楽天銀行では、2026年8月時点で880円(税込)です。
数日後に間違いが発覚した場合でも、まずは銀行へ相談しましょう。その際は振込日や金額、振込先などを確認できる取引履歴を用意しておくとスムーズです。
相手が返金を拒否しても「不当利得」として返還を求められる可能性がある
組戻しを依頼しても、相手が承諾しなければ銀行を通じた返金は難しくなります。しかし、相手が承諾しないからといって、30万円を諦めなければならないわけではありません。
誤送金によって理由なく受け取ったお金は、法律上「不当利得」として返還を求められる可能性があります。不当利得とは、法律上の理由がないのに、他人の財産によって利益を得ることです。
つまり、知らない人から突然30万円が振り込まれたとしても、受取人が自由に自分のお金として扱ってよいわけではありません。組戻しで解決できない場合には、相手へ返還を求め、それでも応じてもらえなければ「不当利得返還請求訴訟」を起こす方法もあります。
ただし、知らない人への誤送金では相手の氏名や住所が分からないこともあります。法的手続きを検討する場合は、弁護士などの専門家に相談するのもひとつの方法です。
相手が30万円をすでに使っていても返還義務がなくなるとは限らない
では、相手がすでに30万円を使っていたら、取り戻せないのでしょうか。重要なのは、「使った」という事実だけで返還義務がなくなるわけではないことです。
民法では、不当利得を得た人は原則として「その利益の存する限度」で返還する義務を負います。これは、受け取った現金がそのまま残っている場合だけとは限りません。
例えば、誤送金された30万円を生活費などに使えば、本来は自分のお金から支払うはずだった出費を免れることになります。そのため、お金を使った後でも利益が残っていると判断される可能性があります。
一方、具体的な事情によって返還する範囲が変わることもあるため、「使われても必ず全額を取り戻せる」とはいい切れません。
また、誤送金されたお金だと知りながら銀行から払い戻しを受けた場合には、民事上の返還問題だけでなく、刑事責任が問題となることもあります。そのため、相手がすでに使っていたと分かっても、すぐに回収を諦める必要はありません。
誤送金に気づいたら、できるだけ早く銀行へ相談しよう
知らない人へ30万円を誤送金してしまっても、取り戻せる可能性はあります。まずは振込元の銀行へ連絡し、組戻しを依頼しましょう。
すでに入金されている場合、組戻しには原則として相手の承諾が必要です。しかし、相手が返金を拒否しても、不当利得として返還を求められる可能性があります。相手が使ってしまった場合も、それだけで返還義務がなくなるとは限りません。
誤送金に気づいたときは、振込明細や取引履歴を確認し、できるだけ早く銀行へ相談することが大切です。組戻しで解決できない場合には、回収にかかる費用なども考慮しながら、必要に応じて弁護士への相談や法的手続きを検討しましょう。
出典
e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第四章 不当利得 (不当利得の返還義務)第七百三条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
