函館に「土方歳三ゆかりの地」は“10ヶ所”以上! 入場無料スポットなら出費は「市電1日乗車券・800円」だけ!?「箱館奉行所・五稜郭タワー展望台・函館博物館」は有料? 費用を確認
函館は、新選組副長として知られる土方歳三が最期を迎えた街です。市内には旧幕府軍と新選組にまつわる史跡や記念碑が点在し、幕末が好きな人には見どころが尽きません。五稜郭タワーのような有料施設もありますが、実際に数えてみると、碑や史跡のほうが数のうえでは上回ります。
本記事では公的な資料をもとに、無料のスポットだけを1日で回った場合の費用を計算します。
FP2級、北海道在住ライター
入場無料のゆかりの地は10ヶ所以上 入場料がかかるのは3施設だけ
函館には、土方歳三と新選組にゆかりのある場所が数多くあります。そのうち入場料が必要なものは、実のところ3施設にとどまります。まずは料金の有無で分けて整理します。
無料で訪ねられる主なスポットは10ヶ所以上
写真1
筆者撮影
ゆかりの地は碑や史跡が中心で、そもそも料金所がない場所が大半です。主なものを図表1にまとめました。
図表1
| スポット | 見どころ | 最寄り |
|---|---|---|
| 特別史跡五稜郭跡 (五稜郭公園) |
旧幕府軍の本拠地。1914年から公園として一般開放 | 市電 五稜郭公園前 |
| 土饅頭 | 旧幕府軍兵士の一部が葬られたとされる土盛り | 五稜郭公園内 |
| 土方歳三ブロンズ像 | 五稜郭タワーのアトリウムに立つ像。展望台とは別の場所 | 五稜郭公園に隣接 |
| 中島三郎助父子最後之地 | 千代ヶ岡陣屋で戦死した父子の慰霊碑 | 五稜郭跡から約1.2km |
| 土方歳三最期の地碑 | 一本木関門跡の近くに建ち、見学は自由 | JR函館駅から徒歩15分 |
| 碧血碑 | 旧幕府軍の戦死者約800名を供養する碑 | 市電 谷地頭から徒歩15分 |
| 称名寺 | 土方歳三と新選組隊士の供養碑がある | 市電 函館どつく前から徒歩8分 |
| 新撰組屯所跡地 (旧称名寺) |
箱館警備に就いた新選組の屯所があった場所 | 市電 大町から弥生坂を上る |
| 新選組最後の地碑 | 新選組が最後を迎えた弁天台場跡の近くに建つ碑 | 市電 函館どつく前そば |
| 史跡四稜郭 | 五稜郭の北方約3kmに築かれた土塁跡 | 函館市陣川町 |
筆者作成
図表1の10ヶ所に加え、亀田八幡宮や高龍寺、函館護國神社なども、箱館戦争ゆかりの地として紹介されています。碑や土塁が中心のため、開館時間に縛られにくい点も見逃せません。土方歳三最期の地碑は見学が自由で、全国から訪れた人が花を手向けています。
有料は3施設 3つとも入って1800円
入場料が必要なのは、五稜郭周辺の2施設と、函館公園にある博物館です。それぞれの料金を図表2に示します。
図表2
| 施設 | 一般・大人 | そのほかの区分 |
|---|---|---|
| 箱館奉行所 | 500円 | 学生・生徒・児童250円 |
| 五稜郭タワー展望台 | 1200円 | 中高生900円、小学生600円 |
| 市立函館博物館 | 100円 | 学生・生徒・児童50円 |
| 3施設の合計 | 1800円 | ー |
筆者作成
3施設をすべて回った場合の合計は1800円です。なかでも市立函館博物館は一般100円ながら、箱館戦争に関する資料や当時使われた武器を収蔵しています。料金と展示の厚みが必ずしも比例しない点は、予算を組むうえで押さえておきたいところです。なお料金は2026年8月時点のものです。
無料スポットだけを回るなら、1日の出費は市電代のみ
写真2
筆者撮影
入場料が0円であれば、残る出費は移動費だけです。ゆかりの地は五稜郭の周辺と函館山のふもとに分かれており、徒歩だけで回るのは現実的ではありません。市電をどう使うかが、1日の費用を左右します。
市電1日乗車券は800円 3回乗れば元が取れる
函館市電の運賃は乗車距離に応じて決まり、2025年12月1日に改定されています。関係する料金は次のとおりです。
・大人の普通運賃は2kmまで250円、4kmまで270円、7kmまで290円、7kmを超えると300円
・五稜郭公園前から函館駅前までは270円
・函館駅前から十字街・末広町までは250円
・市電1日乗車券は大人800円、小児400円で全線が乗り放題
300円の区間を3回乗れば900円となり、1日乗車券のほうが安く収まります。250円の区間でも4回で1000円です。乗り降りは3回以上になりやすいため、先に1日乗車券を買うほうが会計は分かりやすいでしょう。
1日で回る順路と、四稜郭まで足を延ばす場合
モデルコースをもとにすると、無料スポットは次の順に回れます。
・五稜郭公園(土饅頭、土方歳三ブロンズ像)
・土方歳三最期の地碑(一本木関門跡)
・碧血碑
・称名寺と新撰組屯所跡地
・新選組最後の地碑(弁天台場跡の近く)
このコースは施設見学を含めて5時間から6時間が目安とされています。
一方、史跡四稜郭は函館市陣川町にあり、市電の路線からは離れています。四稜郭も加えるなら、市電と函館バスが乗り放題になる共通1日乗車券が候補で、大人1600円です。バス専用の1日券「カンパス」は、冬期が大人1200円、夏期が大人1600円になります。
費用が0円でも、碑が伝える中身は素晴らしい
無料と聞くと、簡素な案内板を思い浮かべるかもしれません。しかし函館の碑には、それぞれ建てられるまでの事情があります。解説してくれる人まで無料で頼める点も、この街ならではの特徴です。
ガイド料は無料 土方が最後に駆けた2.5kmを歩く
土方歳三を専門とするボランティアガイド「箱館土方組」は、ガイド料が無料です。五稜郭から一本木関門跡までは約2.5kmで、ゆっくり歩いても1時間弱の道のりです。
港へ向かって伸びるこの道は松川街道と呼ばれ、土方が最後に進軍した道とされています。5月の箱館五稜郭祭では土方を演じるコンテストも開かれ、参加費は3000円、優勝者には賞金10万円が贈られます。
弔うことを許されなかった約800人と碧血碑
碧血碑(へきけつひ)は、箱館戦争で亡くなった旧幕府軍の戦死者を供養する碑です。兵士たちは戦後に賊軍の汚名を受け、弔われないまま置かれていました。これを収容して埋葬したのが、料亭を営む侠客の柳川熊吉です。1875(明治8)年に碑が建てられ、土方歳三を含む約800人の霊が祀られました。碑には戦いについて「此事」とだけ刻まれています。
まとめ
土方歳三ゆかりの地のうち、入場料の設定がない場所は10ヶ所以上です。碑や史跡だけをたどるなら、1日の出費は市電1日乗車券の800円で収まります。有料の3施設を加えても2600円です。
金額の少なさに対して、五稜郭の土塁や街なかの碑が伝えるものは決して軽くありません。函館を訪れる機会があれば、まず無料のスポットから足を運んでみてはいかがでしょうか。
執筆者 : 木彫りグマ
FP2級、北海道在住ライター


