函館山の夜景は「ロープウェイ往復1800円」だけど、夕日なら「ゼロ円」!?“函館・船見町周辺”で絶景を見るためのルートと交通費を在住ライターが解説
函館の絶景といえば函館山の夜景ですが、山頂へ向かうロープウェイは大人の往復で1800円かかります。
一方、市街地の西の端にある船見町周辺は、海に沈む夕日を無料で眺められる場所です。本記事では函館駅前からの行き方と交通費を、公的な資料をもとに整理します。
FP2級、北海道在住ライター
目次
函館山の夜景は2300円、船見町の夕日は540円 差額は1760円
まずは夜景と夕日にかかる金額を並べてみましょう。どちらも函館駅前を起点に、往復の交通費で比べます。
図表1
| 項目 | 夜景(函館山) | 夕日(船見町周辺) |
|---|---|---|
| 交通費(往復) | 市電500円+ロープウェイ1800円 | 市電540円 |
| 見学料 | 0円 | 0円 |
| 合計 | 2300円 | 540円 |
函館山ロープウェイ株式会社「運賃・営業時間」、函館市「乗車料金(函館市電)」より筆者作成
両者の差額は1760円です。夜景側の料金が高くなる理由は、ロープウェイ運賃が含まれるからです。大人4人なら差は7040円に広がります。
市電・バス・徒歩 船見町周辺への3つの行き方
写真1
筆者撮影
船見町周辺へは市電、函館バス、徒歩の3通りで向かえます。所要時間と運賃、下車後に歩く距離を比べてみましょう。
図表2
| 手段 | 区間 | 所要 | 片道運賃 | 下車後 |
|---|---|---|---|---|
| 市電5系統 | 函館駅前→函館どつく前 | 約12分 | 270円 | 徒歩約15分 |
| 函館バス43系統ほか | 函館駅前→船見町・外国人墓地 | 約15分 | 280円 | 徒歩すぐ |
| 徒歩 | 函館駅前→船見町 | 約50分 | 0円 | - |
函館市「乗車料金(函館市電)」、函館市「はこぶら 開港と交流の歴史を偲ぶ、外国人墓地散策」より筆者作成
電車とバスの所要時間はどちらを利用しても大きくは変わりません。徒歩の場合、函館駅前から船見町・外国人墓地まで約3.5キロメートルかかると考えておくと目安になります。膝に不安がある方や子ども連れならバスの方がが向いています。
市電なら「函館どつく前」で下車 魚見坂を上って15分
市電は5系統の「函館どつく前」行きで終点まで乗ります。市電運賃は270円です。所要は12分ほどで、日中は14分間隔で運行しています。下車後は魚見坂を上ります。函館山に向かう坂で最も西にあり、傾斜は比較的ゆるやかです。三角屋と呼ばれる三浦商店の前で道が分かれ、右が外国人墓地のメイン通りです。
函館バス43系統は終点まで乗るだけ ただし1時間に2本
公共交通機関で夕日スポットにできるだけ近づきたいなら、函館バスがおすすめです。函館駅前から43系統などの「船見町・外国人墓地」行きで約15分、終点から墓地まではすぐです。
ただし本数は1時間に2本程度です。帰りは船見町バス停から43系統で駅前方面へ戻れるため、行きの時点で帰りの時刻を控えておきましょう。
3回以上乗るなら市電1日乗車券800円も選択肢
他の観光スポットも回るために何度も市電に乗るなら、乗り放題の乗車券も選べます。函館市が案内している主な券種は次のとおりです。
・市電1日乗車券 大人800円、小児400円
・市電・函館バス1日乗車券 大人1600円(スマートフォン限定)
270円の区間なら3回乗った時点で810円となり、1日乗車券が安くなります。
1800円を払っても函館山に登れない期間がある
写真2
筆者撮影
夜景には金額とは別の不確実さもあります。点検や規制で、山頂へ向かう手段が限られる時期があるためです。
2026年10月20日から11月8日はロープウェイが運休
函館市の資料によると、函館山ロープウェイは2026年10月20日から11月8日まで整備点検で運休します。同じ時期、登山道は自家用車とレンタカーが16時から21時まで通行できません。
11月9日からは全車両が冬季通行止めとなり、山頂へは徒歩のみです。船見町周辺の夕日は、こうした事情に左右されにくい点が持ち味です。
夕日の時刻は夏と冬で約3時間ずれる
函館の日の入りは季節で大きく動くうえ、同じ「下旬」「中旬」のなかでも10分前後動きます。出発時刻の逆算が欠かせません。
図表3
| 時期 | 函館の日の入り(目安) |
|---|---|
| 3月下旬 | 17時50分ごろ(21日) 18時01分ごろ(31日) |
| 6月下旬 | 19時15分ごろ(21日) 19時16分ごろ(30日) |
8月中旬 | 18時43分ごろ(11日) 18時43分ごろ(20日) |
| 10月中旬 | 17時03分ごろ(11日) 16時49分ごろ(20日) |
| 12月下旬 | 16時09分ごろ(21日) 16時16分ごろ(31日) |
国立天文台「こよみの計算」より筆者作成(函館市役所の位置、標高0mで計算)
最も遅いのは6月下旬の19時16分、最も早いのは12月上旬から中旬の16時06分ごろで、その差は約3時間10分。同じ「夕方」でも、指す時刻はまるで違うということです。
とくに10月中旬は、10日ほどで日の入りが14分早まります。月の前半の感覚のまま「17時ごろ」と見積もると、下旬には日没に間に合いません。なお、この時刻は水平線まで見通せる場合の値です。函館山や建物の陰に入る時刻は、これより早くなります。
函館駅前を出る目安は日の入りの1時間前
市電の12分と徒歩の15分に、場所選びと待ち時間を加えます。駅前を出るのは日の入りの1時間前が目安です。冬は16時台に沈むため、観光の締めくくりではなく昼過ぎからの予定にすると確実です。
この一角が夕日の名所になった理由は墓碑の向きにある
なぜ船見町周辺が夕日の名所と呼ばれるのでしょうか。理由は、函館港の入口を見下ろす高台という立地にあります。その斜面に、170年以上前から続く外国人墓地が広がります。
1854年のペリー来航が始まり 海に向かって並ぶ墓碑
函館山の北西側の高台にあり、港内を一望できる景勝ポイントです。墓碑の多くは、故郷を見つめるかのように海側を向いて建てられています。 周辺には1633(寛永10)年創建で市内最古とされる高龍寺があります(現在の船見町に移ったのは1879年)。
墓地の一角には、ロシア語で海を意味するカフェテリア モーリエもあります。墓地は各教会などが管理しており、見学は柵の外からが基本です。参る人のための場所なので、静かに歩きたいところです。
まとめ
函館山の夜景と船見町の夕日は、どちらが得かという話ではありません。1800円は3分で山頂まで運んでもらう対価で、540円は自分の足で坂を上る前提の金額です。
函館市によると、2025年度に同市を訪れた観光客は約605万8000人でした。多くが向かう山頂とは反対の西の端に、交通費だけで夕日を眺められる場所があります。日の入りの時刻を調べて、足をのばしてみてはいかがでしょうか。
執筆者 : 木彫りグマ
FP2級、北海道在住ライター


