自宅の駐車場に停めていた車へ、隣家の屋根から落ちた物が当たり傷がつきました。「風が強かったから仕方ない」と言われましたが、修理代は自分で負担するしかないのでしょうか?
一方、適切に管理されていたにもかかわらず、通常想定できないほどの暴風によって突然破損した場合は、隣家側の責任が認められないこともあります。まず落下物と車の傷を写真に残し、事故原因を確認しましょう。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「強風だった」というだけで隣家の責任がなくなるわけではない
他人の物を壊した場合の損害賠償では、その人に故意や過失があったかが一つのポイントになります。民法709条に、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められています。
さらに、住宅などの土地の工作物に問題があり、それによって損害が発生した場合には、民法717条の「工作物責任」が問題になることがあります。
たとえば、隣家の屋根材が以前から浮いており、所有者も「風が吹くと大きな音がする」と分かっていたのに修理せず放置していたとします。
その後、強風で屋根材が落下して隣の車を傷つけたのであれば、「風だから仕方ない」と一言で済むとは限りません。必要な修理や安全対策をしていなかったことが事故につながったとして、賠償責任が認められる可能性があります。
ベランダへ置いた物が強風で飛びそうなのに固定していなかった場合なども、同様に管理状況が問題になります。
予想できないほどの暴風なら隣家に請求できない場合もある
一方、台風や突風での飛来物について、物の所有者が常に賠償責任を負うわけではありません。
屋根が適切に施工・管理され、事故前にも特に異常がなかったにもかかわらず、極めて強い風で突然破損した場合などは、隣家側に落ち度がないと判断される可能性があります。
損害賠償では「屋根から物が落ちた」という結果だけでなく、事故前に危険を予想できたか、適切な管理をしていたかなどを確認する必要があります。
たとえば近所の家の屋根や看板も広範囲に飛ばされるほどの暴風だったケースと、周囲には被害がないのに老朽化した一軒の屋根材だけが落ちたケースでは、事情が異なります。
「台風だったから100%免責」「隣家から飛んできたから100%隣家負担」とどちらかに決めつけるのは避けましょう。必要であれば、屋根の修理業者の報告や事故当日の気象状況なども判断材料になります。
隣家と話す前に自分の車両保険も確認する
車が傷ついたら、落下物、隣家の屋根、車の傷、駐車位置が一緒に分かるよう写真を撮りましょう。落ちた屋根材などを勝手に捨てず、隣家や保険会社と確認できるようにしておくことも大切です。
そのうえで隣家へ「修理代を今すぐ全額払ってください」と迫るより、まず双方の保険会社へ相談するとスムーズです。隣家に法律上の賠償責任があれば、加入している個人賠償責任保険などから支払われる可能性があります。
また、自分の自動車保険に車両保険が付いていれば、契約内容によっては、物の飛来・落下や台風などによって車が受けた損害が補償対象になる場合があります。
ただし、自分の車両保険を使う場合には免責金額や翌年以降の保険料への影響が考えられるため、保険会社へ確認してから利用するか決めましょう。修理前には自動車修理工場で見積もりを取り、保険会社の確認を受けるのがおすすめです。
まとめ
隣家の屋根から落ちた物で車が傷ついても、「風が強かった」という理由だけで修理費が自己負担になるとは限りません。
屋根の老朽化を放置していた、固定が不十分だったなど、隣家側の管理に問題があれば、修理代を請求できる可能性があります。一方、適切に管理していた建物が予想しにくいほどの暴風で破損した場合には、隣家側の賠償責任が認められないこともあります。
まず車と落下物、隣家の状態を写真に残し、修理見積もりを取ってください。同時に、自分の車両保険と隣家側の保険の両方を確認しましょう。
感情的な隣人トラブルにするより、「何が落ちたのか」「建物の管理に問題があったか」「どの保険が使えるか」を順番に確認することで、修理費を適切に処理しやすくなります。
出典
e-Gov 法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
