引っ越し先のマンションで、前の住人宛ての荷物が何度も届きます。受け取らずに返していますが、もし自分のものにしてしまった場合、罪に問われるのでしょうか?

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引っ越し先のマンションで、前の住人宛ての荷物が何度も届きます。受け取らずに返していますが、もし自分のものにしてしまった場合、罪に問われるのでしょうか?
新居へ前の住人宛ての荷物が届き続けると、そのたびの対応が面倒に感じるかもしれません。しかし、届け先住所が現在の自宅でも、宛名が前の住人である以上、その荷物は自分の所有物ではありません。
 
「この住所へ届いたのだから自分の物」と考えて使ったり売ったりすると、刑事上・民事上の問題になる可能性があります。現在行っているように受け取りを断るか、誤って置き配された場合は配送会社へ連絡して回収してもらう方法が安全です。
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住所が自宅でも宛名が違えば自分の荷物にはならない

宅配便では、住所だけでなく受取人の氏名も指定されています。
 
たとえば現在自分が住んでいるマンションの部屋番号が書かれていても、宛名が「前住人Aさん」なら、その荷物を受け取る権利が当然に自分へ移るわけではありません。
 
前住人がネット通販の住所変更を忘れた、転居届を出していないなどの理由で旧住所へ届くことがあります。配達員と対面した場合は、「その方は以前の住人で、現在は住んでいません」と伝えて受け取りを断ればよいでしょう。
 
すでに玄関へ置き配されていた場合も、勝手に開封して自分の物として使わず、配送会社へ連絡します。
 
ヤマト運輸では、前の住人など他人宛ての荷物が届いた場合、現在その住所に住んでいる人から回収依頼を受け付け、開封の有無にかかわらず回収すると案内しています。
 
日本郵便も、前の住人宛ての郵便物や荷物が届く場合は、担当する郵便局へ連絡するよう案内しています。
 
このように、両サービスともQ&Aにて「前の住人への荷物が届いた場合の対応」を案内しています。別の宅配サービスで届いた場合も、対応については公式ウェブサイトを確認してみるとよいでしょう。
 

前住人の荷物だと分かって自分のものにすると犯罪になる可能性がある

「前の住人はもう取りに来ないだろう」と考え、届いた商品を使ったりネットで売ったりするのは避けてください。結論から言えば、罪に問われる可能性があります。
 
刑法254条では、遺失物など「占有を離れた他人の物」を横領した場合について、遺失物等横領罪を定めています。
 
誤配された荷物を自分のものにした場合に具体的にどの犯罪が成立するかは、配達方法や荷物の占有状況などによって変わるため、一律には決められません。
 
ただし、少なくとも「他人の荷物だと知りながら自分のものにしても問題ない」とはいえません。状況によって横領など刑事上の問題になる可能性があります。
 
さらに、本来の受取人や発送した会社から、商品の返還や損害賠償を求められる可能性もあります。こちらは、民事上の問題です。
 
民法709条では、故意だけでなく過失によって他人の権利などを侵害し、損害を与えた場合に損害賠償責任が生じると定めています。他人のものと知っていながら、「わざと」自分のものにしてしまえば、それは故意に他人の権利を侵害していると考えられます。
 
また、たとえば5万円の家電が前住人宛てに届き、それを自分で開けて使用した後に配送会社から回収を求められれば、「もう使ったから返せない」では済まない可能性があります。
 
なお、民法709条は「過失(うっかり)」による侵害も賠償の対象としています。そのため、自分宛ての荷物だと勘違いしてうっかり開封してしまった場合でも、他人宛てだと気づいた後、そのまま返しもせず使い続けてしまえば、その時点で「自分のものにしよう」という意図があったとみなされ、損害賠償責任から逃れられなくなるおそれがあります。
 
誤って届いた商品は、無料で手に入ったものではありません。手を付けないことが大切です。
 

何度も届くなら配送会社や郵便局へ「前住人は住んでいない」と伝える

毎回受取拒否するだけでは、別の商品がまた届く可能性があります。日本郵便の場合は、担当する郵便局へ「前住人はすでに転居しており、現在この住所には住んでいない」と連絡すると、居住確認を行う場合があります。
 
その他宅配サービスの場合も、配送会社へ連絡して状況を伝えましょう。通販会社の名前が伝票から分かる場合でも、自分が前住人のアカウント情報を変更することはできません。発送元から購入者本人へ住所変更を促してもらうのが基本です。
 
また、自分で前住人の名前をネット検索するなどして荷物を届けに行く必要はもちろんありません。個人間で対応すると、かえってトラブルになることがあります。マンションの管理会社には、「前住人宛ての荷物が繰り返し届いている」と伝えておくとよいでしょう。
 

まとめ

前の住人宛てに届いた荷物は、住所が現在の自宅であっても、自分の所有物にはなりません。
 
他人の荷物だと分かっているのに開封して使用したり売却したりすると、状況によって横領などの刑事責任や、返還・損害賠償といった民事上の責任を問われる可能性があります。
 
配達員から直接受け取る前なら、「前の住人なので受け取れません」と伝えましょう。置き配などですでに届いていたら、配送会社へ回収を依頼します。
 
何度も繰り返される場合は、郵便局や配送会社、マンション管理会社へ「前住人はもう住んでいない」と伝えてください。面倒でも荷物を自分のものにせず、配送ルートへ戻すことが最も安全な対応です。
 

出典

ヤマト運輸株式会社 ヤマト運輸
日本郵便株式会社 郵便局
e-Gov 法令検索 刑法
e-Gov 法令検索 民法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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