“消費税1%”でも「値下げしない弁当屋」にSNSで「潰れてしまえ」の声も、実際「値下げしない=お店が丸もうけ」ではない? なぜ減税でも価格は下がらないのか…飲食料品の「値上げデータ」をもとに解説

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“消費税1%”でも「値下げしない弁当屋」にSNSで「潰れてしまえ」の声も、実際「値下げしない=お店が丸もうけ」ではない? なぜ減税でも価格は下がらないのか…飲食料品の「値上げデータ」をもとに解説
物価が上がり、生活費の負担が重くなっている昨今、食料品の消費税が下がるという政府の対策に喜んでいる人も多いでしょう。しかし、消費税が1%になっても、お弁当の価格は下げないという店があったら、「減税された分はどこへ行くのか」と疑問に感じる人もいるかもしれません。
 
SNSでは、消費税が下がっても価格を据え置くとする弁当店について、「潰れてしまえ」など厳しい意見が見られました。消費者としては、減税されればその分だけ安くなると期待してしまうものかもしれませんが、なぜ値下げされないのでしょうか。
 
本記事では、消費税が下がった場合、飲食店や弁当店はその分を値下げするのか、店側のコスト負担について解説します。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

消費税が下がれば、お弁当も安くなる?

現在、持ち帰りの弁当など「酒類・外食を除く飲食料品」には、消費税の軽減税率8%が適用されています。消費税は「間接税」であり、消費税の納税義務者は原則として事業者です。そのため、消費者が直接、税務署へ消費税を納めているわけではありません。
 
また、商品の価格そのものをいくらにするかは、基本的に事業者の経営判断となります。そのため、仮に食品の消費税率が8%から1%へ引き下げられたとしても、販売価格が必ずその分下がると単純に決まるわけではないのです。
 

「値下げしない=お店が丸もうけ」とは限らない

消費税が安くなる分、食材の仕入れ値が安くなり、弁当の販売価格も安くなるのではと考える人もいるかもしれません。しかし、弁当店の経営を考えると、消費税だけで価格を判断するのは難しい面もあります。
 
帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年8月の飲食料品の値上げは2311品目です。値上げ1回あたりの平均値上げ率は15%となっています。値上げ要因としては、原材料高が90.9%、物流費が65.8%、包装・資材が64.0%となっており、食品を販売する事業者を取り巻くコストは幅広く上昇しています。
 
弁当店で考えても、米や肉といった食品だけでなく、弁当容器や割り箸、レジ袋、調理に使う電気やガス、食材を運ぶ物流費、従業員の人件費などが必要です。
 
弁当の材料費が500円とすると、減税によって約32円が浮くことになりますが、原材料費や人件費などのコストが以前より40円増えていたとしたら、経営上、その差額を上昇したコストの一部に充てたいと考えるかもしれません。
 
食料品の減税の一面を見れば、コストダウンですが、多くの商品が値上げしていることを考えると、総合的には減税分のすべてが店の純粋な利益になるとは限らないのです。
 
また、値下げを優先した場合、従業員の賃金を上げられなくなったり、商品の量や質を落としたりすることも必要になるかもしれません。最悪の場合は、店の経営が続けられなくなる可能性もあり、「本末転倒」な結果になってしまう事もあるのです。
 

消費者にとって「値下げされない」不満が残る点には注意

消費税率が下がれば、「その分、お弁当を安くしてほしい」と思う人もいるでしょう。しかし、お弁当の販売価格は、材料である食品以外にもさまざまなコストを踏まえて決められています。
 
現在は原材料だけでなく、物流費や容器代、人件費なども上昇しているため、店を続けるために、減税分を増えてしまったコストに充てることも経営上必要なことなのかもしれません。
 
「減税されたのになぜ同じ価格なのか」と感じる人もいるかもしれませんが、その背景には税率だけでなく、その商品を作り、販売するまでにかかる費用があることにも目を向けるようにしましょう。
 

出典

株式会社帝国データバンク 「食品主要195社」価格改定動向調査 2026年8月
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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