隣の方から土地を売ってほしいと言われました。隣地だと価値が高いと聞きます。土地の相場は「1坪30万円」くらいですが、通常の相場より高く売れるものですか?
そこで本記事では、隣地を売却するときの価格の考え方や、交渉前に確認しておきたいポイントを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
隣地ならではの価格が生まれる理由
隣地は、一般的な土地の相場より高く売れる場合があります。ただし、「隣地なら必ず高値になる」という意味ではありません。価格に差が生まれる背景には、隣人だからこそ得られるメリットがあります。
隣人が土地を購入すると、もともと所有している敷地と一体で使えるようになります。敷地が広がれば、これまで難しかった駐車スペースの確保や建物の配置が見直しやすくなり、土地全体の使い勝手がよくなることもあるでしょう。
また、道路に接する幅が広がるなど、土地そのものの条件が改善する場合もあります。このように、隣地の購入によって使い勝手や土地の条件がよくなると、購入した土地だけでなく、もともと所有していた土地を含めた全体の価値が高まる可能性があります。
このように、土地を組み合わせることで新たに生まれる価値を「増分価値」と呼びます。隣人にとって取得するメリットが大きい土地ほど増分価値も高まりやすいため、通常の相場を上回る価格で取引されることがあります。
「1坪30万円」の相場をどう見ればよいか
周辺相場が1坪30万円ほどで取引されている場合は、その金額を一つの目安として考えます。例えば50坪の土地であれば、単純計算では「30万円×50坪=1500万円」です。
ただし、この1500万円がそのまま適正な売却価格になるとはかぎりません。不動産の価格は、面積や形状、前面道路などの条件だけでなく、売買の事情によっても変わります。
例えば、隣人が土地を取得することで間口が広がり、敷地全体を使いやすくなるのであれば、購入するメリットは大きくなります。こうした場合は、今回の1坪30万円という周辺相場を上回る価格で交渉できる余地があります。
一方、購入目的が庭や駐車スペースを広げる程度で、土地全体の価値がそれほど高まらない場合は、大幅な上乗せが難しいこともあります。したがって、「隣地だから相場の1.5倍」「2倍でも売れる」と一律に考えるのは適切ではありません。周辺相場を基準にしつつ、隣人にとってどの程度のメリットが生まれるのかを踏まえて価格を検討することが大切です。
隣人との売却交渉で確認しておきたいこと
隣人から土地を売ってほしいと持ちかけられても、その場ですぐに金額を決める必要はありません。まずは、周辺で似た条件の土地がどのくらいの価格で取引されているのかを確認し、自分の土地がどの程度で売れそうかを把握しておくことが大切です。
相場を調べる際は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」が参考になります。地域ごとの不動産取引価格や地価公示などが確認できるため、売却価格を検討する際の目安として活用できます。
そのうえで、不動産会社に査定を依頼しておくと、より具体的な価格を判断しやすくなるでしょう。一般の買い主に売却した場合の価格だけでなく、隣人に売ることでどの程度の価値が生まれるのかも含めて相談しておくと、交渉の材料になります。
隣人から購入の申し出がある場合は、売り主が急いで買い主を探す必要がないため、提示された条件をそのまま受け入れず、納得できる金額かどうかを慎重に検討することが重要です。
また、売却価格だけでなく、最終的に手元に残る金額にも目を向けておきましょう。土地を売って利益が出ると、譲渡所得として税金がかかる場合があります。譲渡所得は、原則として売却代金から取得費や売却にかかった費用などを差し引いて計算します。
さらに、売却時には測量費や仲介手数料などが発生することもあるため、表面上の売却価格だけで判断せず、税金や測量費、仲介手数料などを差し引いた手取り額まで確認したうえで交渉を進めると安心です。
隣地の売却では相場と隣人にとっての価値を確認して価格を決めよう
隣地は、隣人が取得することで土地全体の使い勝手や価値が高まり、周辺相場より高く売れることがあります。ただし、必ず高値になるわけではないため、相場だけで判断するのは適切ではありません。
売却価格を検討する際は、周辺の取引価格を確認したうえで、不動産会社の査定も参考にしながら、隣人にとってどの程度のメリットがある土地なのかを整理することが大切です。そのうえで、税金や諸費用を差し引いた手取り額まで確認し、自分が納得できる条件で売却できるよう慎重に交渉を進めましょう。
出典
国土交通省 法令・不動産鑑定評価基準等
国土交通省 不動産情報ライブラリ
国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)
国税庁 土地や建物を売ったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
