キャッシュカードが“盗難”され「100万円」引き出された!「銀行が全額返してくれる」と思いきや、実は「全額戻る人」「75万円戻る人」「1円も戻らない人」がいる!? 三者を分ける“残酷な違い”とは
そんな被害に遭った場合、「銀行が全額返してくれる」と思っている人もいるかもしれません。しかし実際には、被害額が全額補償される人もいれば、75万円しか戻らない人、さらには1円も補償されない人もいます。
この違いを分けるのが、「預貯金者保護法」と、被害に遭った後や日頃の対応です。本記事では、100万円を不正に引き出されたケースを例に、補償額が変わる理由や、万一に備えて知っておきたいポイントを解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
キャッシュカード盗難は「預貯金者保護法」で補償されることがある
盗難キャッシュカードによる不正引き出しは、「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律(預貯金者保護法)」の対象となり、一定の条件を満たせば金融機関から補償を受けられます。
ただし、「盗まれたら必ず全額戻る」という制度ではありません。それでは、キャッシュカードを盗まれ、100万円がATMから不正に引き出された場合を例に補償内容を見ていきましょう。
100万円盗まれても全額戻る人
被害発生から30日以内に金融機関に通知し、警察へ被害届を提出したうえで銀行の調査に協力し、さらに預金者に暗証番号の管理などについて過失がなければ、原則として盗まれた100万円全額が補償されます。
75万円しか戻らない人
一方、預金者に過失があったと判断された場合は、補償額が4分の3まで減額されることがあります。例えば100万円が盗まれた場合、補償額は75万円となり、残り25万円は自己負担になるということです。
過失と判断される例としては、暗証番号を生年月日など推測されやすい番号に設定しており、さらにキャッシュカードとそれら暗証番号を推測される書類などとともに一緒に財布へ入れていたケースなどが挙げられます。
全く補償されない人
さらに、預金者に故意や重大な過失(重過失)があると判断された場合には、補償を全く受けられない可能性があります。
例えば、キャッシュカードに暗証番号を直接書いていたり、他人へ暗証番号を教えていたり、カードそのものを他人へ預けていたりしたようなケースでは、重大な過失と判断され、100万円盗まれても補償が受けられないかもしれません。
つまり、同じ100万円の被害でも、過失がなければ全額補償、過失があれば75万円、重大な過失や故意があれば補償なしというように、日頃のカード管理によって結果が大きく変わる可能性があるのです。
補償を受けるために普段から気を付けたいこと
万一の際に補償を受けやすくするためには、日頃からカードや暗証番号を適切に管理することが重要です。例えば、暗証番号を誕生日や電話番号など推測しやすい数字にしないこと、暗証番号を書いたメモをカードと一緒に保管しないことは基本です。
また、財布ごと盗まれた場合でも、暗証番号が第三者に分からないよう管理していれば、補償を受けられる可能性が高まります。普段はなにげなく行っている管理方法が、万一の際の補償額に影響することもあるため注意しましょう。
盗まれたらまず銀行へ連絡する
キャッシュカードが盗まれたことに気付いたら、最優先で行うべきなのは金融機関への連絡です。カードの利用停止手続きを行えば、それ以降の被害拡大を防げる可能性があります。
その後、警察へ被害届を提出し、銀行から求められる書類や事情説明などに協力しましょう。
まとめ
キャッシュカードが盗まれ、100万円を不正に引き出された場合でも、「預貯金者保護法」により補償を受けられる可能性があります。ただし、補償額は一律ではありません。過失がなく要件を満たせば全額補償されますが、過失があれば75%、重大な過失や故意が認められれば全く補償されないこともあります。
万一に備えるためには、暗証番号の適切な管理を心掛けることに加え、被害に気付いたらすぐ金融機関へ連絡し、警察へ届け出ることが重要です。「自分は大丈夫」と思わず、日頃からキャッシュカードの管理を見直しておくことが、大切な預金を守る第一歩と言えるでしょう。
出典
金融庁 (1) 預金・融資等に関する相談事例等及びアドバイス等
e-GOV法令検索 偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
