娘に“iPhone 17”を「友だちが2万円台で買ったから、私も欲しい!」と言われました。本来「新品14万円」ほどなので、携帯会社は損ですよね? 何か“裏がありそう”ですが、大丈夫なのでしょうか?
Apple公式では、iPhone17は14万円台から販売されています。それが、携帯会社では、条件によって「実質2万円台」などと案内されることがあります。なぜここまで差が出るのでしょうか。端末返却プログラムの仕組みと、携帯会社側の事情を見ていきます。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
「実質2万円台」は、本体価格が2万円台になるわけではない
初めに押さえておきたいのは、「実質2万円台」と「2万円台で買い取れる」は同じ意味ではないという点です。
携帯会社では、端末代を分割で支払い、一定期間使った後に端末を返却すると、その後の支払いの一部が不要になるプログラムがあります。このため、14万円台のiPhoneでも、2年ほど使って返却することを前提にすれば、返却までに支払う金額を大きく抑えられる場合があります。
さらに、他社からの乗り換えやオンラインでの購入などに対する割引が適用されれば、利用者の負担額が「2万円台」まで下がるケースも考えられます。
ただし、これは端末そのものが2万円台に値下げされたわけではありません。返却せずに使い続ければ、免除される予定だった分の支払いが必要になります。また、返却時に故障や大きな破損があると、追加費用が発生する場合もあります。
「実質〇万円」という表示を見るときは、何ヶ月後に返却する条件なのか、返却しなかった場合はいくら支払うのかまで確認することが重要です。
携帯会社が大きく損をしないのは、返却された端末にも価値があるため
では、10万円を超える端末を、数万円程度でユーザーが利用しても、携帯会社は損をしないのでしょうか。
ポイントは、返却された端末にも、中古端末としての価値が残っていることです。2年程度使用した端末でも、状態が良ければ再利用や再販売などが可能です。携帯会社にとっては、利用者から受け取る支払額だけでなく、返却された端末そのものも価値のある資産になります。
つまり、14万円の端末について利用者が数万円しか負担しなかったとしても、残りの金額を携帯会社がそのまま損失として抱えるわけではありません。あらかじめ将来の端末価値を見込み、返却されることを前提として負担額を設定しています。
返却時に端末の状態を確認し、破損などがある場合に追加負担を求めることがあるのも、返却後の端末価値を一定程度確保するためと考えられます。新車を数年後に返却する残価設定型の購入方法に近い仕組みと考えると、イメージしやすいのではないでしょうか。
安い端末は、新しい利用者を呼び込むきっかけにもなる
携帯会社にとって、スマートフォンは端末を販売するだけの商品ではありません。端末の購入をきっかけに通信サービスを利用してもらい、その後も継続して契約してもらうことに大きな意味があります。
特に、乗り換えを条件とした割引は、新しい利用者を獲得するための販売促進策という側面があります。端末単体では利益が小さくても、通信料金や各種サービスを継続して利用してもらえれば、長期的な収益につながる可能性があります。
また、返却プログラムを利用すると、数年後には次の端末を選ぶタイミングが訪れます。そのとき再び同じ携帯会社で機種変更してもらえれば、顧客との関係を継続しやすくなります。
このように、「実質2万円台」という価格は、単純な値下げではありません。返却端末の価値、利用者の獲得、継続的なサービス利用などを含めて、全体として成り立つように設計されているのです。
まとめ
iPhone17が「実質2万円台」で利用できるケースがあるのは、本体価格そのものが2万円台になるからではありません。一定期間後の返却を前提に支払いの一部を不要にし、割引などを組み合わせることで負担額を抑えています。
子どもに持たせる場合も、表示されている金額だけで判断せず、返却時期や破損時の負担、毎月の通信料金、返却せず使い続ける場合の総額まで確認して比較しましょう。
出典
Apple iPhone17を購入
執筆者 : 小川ひろ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
