実家を片付けていたら、20年以上前の「給与明細」が大量に出てきました。もう会社も退職していますが、すべて捨ててしまって問題ないのでしょうか?必要になることもあるのでしょうか?

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実家を片付けていたら、20年以上前の「給与明細」が大量に出てきました。もう会社も退職していますが、すべて捨ててしまって問題ないのでしょうか?必要になることもあるのでしょうか?
20年以上前の給与明細が段ボール何箱分も残っていれば、「もう使わないから全部捨てたい」と思うでしょう。個人に対して、昔の給与明細を一生保存し続けなければならないという一般的な義務はありません。
 
しかし、古い給与明細が役立つ可能性があるのが「年金記録」です。厚生年金の加入期間や標準報酬月額に誤りがあった場合、給与から厚生年金保険料が天引きされていたことを示す資料として給与明細が使われることがあります。
 
すべて処分する前に、まず自分の年金記録を確認することをおすすめします。
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20年以上前でも給与明細が年金記録の証拠になることがある

厚生労働省の案内によると、厚生年金の加入記録などが実際の勤務状況と違っている場合、年金記録の訂正請求ができます。その手続きで関係資料として挙げられているのが、給与明細書です。
 
特に「会社には勤務していたのに厚生年金の加入期間が記録されていない」「実際の給与に対して標準報酬月額が不自然に低い」といったケースでは、給与から厚生年金保険料が差し引かれていたことを示す資料が重要になります。
 
20年以上前の会社がすでに廃業していれば、会社側から古い賃金資料を取り寄せるのは難しいでしょう。
 
仮に会社が存続していたとしても、会社側が法律で義務付けられている書類の保管期間には期限があります。労働基準法に基づく「賃金台帳」は当面の間3年間(原則5年間)、税法上で企業に保管が義務付けられている「源泉徴収簿」などの国税関連書類でも期間は7年間です。
 
つまり、20年以上前の給与データは会社側には残っていないと考えた方が安全です。そのようなとき、自宅に残っていた給与明細が有力な手掛かりになる可能性があります。そのため、「古いから無価値」とは言い切れません。
 
なお、年金記録の訂正請求の受付は、年金事務所となっています。2025年12月からは、電子申請による手続きも可能になっています。詳細は、厚生労働省HP「年金記録の訂正請求手続」ページにて確認することができます。
 

捨てる前に「ねんきんネット」で加入記録を確認する

大量の給与明細を全部残すか迷う場合は、まず現在登録されている年金記録を確認しましょう。「ねんきんネット」などでは、自分が加入していた年金制度や勤務先、標準報酬月額などを確認できます。
 
20年以上前の給与明細に記載された勤務先名や在籍期間と照らし合わせ、「この会社で5年間働いていたのに記録は3年間しかない」といった違いがないか見ます。
 
記録に問題がなければ、古い給与明細を残す必要性はかなり下がります。一方、勤務期間の抜けや給与額との大きな違いに気づいたら、処分せず年金事務所へ相談しましょう。
 
会社名が途中で変わった、関連会社へ転勤や出向をしていたなどの理由で、一見すると記録が違って見えることもあります。
 
日本年金機構は、「こんな方はぜひ、年金記録に漏れがないかご確認を!」のページ内にて、勤務先の会社に基礎年金番号を届け出していなかった方、氏名に複数の読み方がある方、退職後に結婚し姓が変わった方などを挙げています。
 
給与明細が残っていれば、こうした確認もしやすくなります。
 

残すなら全部を紙のまま保管しなくてもよい

年金記録に問題がなくても、「何となく不安だから全部残したい」という人もいるでしょう。紙で大量に保存する必要性が低いと判断したなら、勤務先や年ごとに代表的な明細だけ残したり、スキャンしてデータ化したりする方法があります。
 
特に残しておきたいのは、入社直後、昇給した月、賞与支給時、退職直前など、給与や社会保険料の変化が分かるものです。ただし、年金記録に少しでも疑問があるなら、確認が終わるまでは原本を捨てないほうが安全です。
 
給与明細には氏名、勤務先、給与額など重要な個人情報が載っています。処分するときは、そのまま資源ごみに出すのではなく、シュレッダーにかけるなど内容を読み取れないようにしましょう。
 
なお、給与明細と源泉徴収票は役割が違います。源泉徴収票は1年間の給与や所得税額などをまとめた書類です。
 
古い源泉徴収票、退職金に関する資料、雇用保険関係の書類、年金の通知書などが一緒に出てきた場合は、「訂正請求に関する状況が分かる資料」として認められるものもあるため、給与明細と区別して確認してから処分しましょう。
 

まとめ

20年以上前の給与明細について、退職した個人がすべて紙のまま永久保存しなければならないという一般的な義務はありません。
 
ただし、厚生年金の加入記録や標準報酬月額に誤りが見つかった場合、昔の給与明細が重要な証拠になる可能性があります。厚生労働省も、年金記録の訂正請求で給与明細書を関係資料として挙げています。
 
そのため、大量に捨てる前に「ねんきんネット」などで自分の勤務先・加入期間を確認しましょう。記録に問題がなければ、必要なものだけ残したり、データ化したりして整理できます。
 
特に勤務していた会社がすでに存在しない場合、手元の給与明細を一度捨てると同じ資料を取り戻せない可能性があります。まず年金記録を確認してから処分するという順番にすれば、安心して実家の書類整理を進められます。
 

出典

厚生労働省 年金記録の訂正請求手続
e-Gov 法令検索 労働基準法
国税庁 No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間
日本年金機構「ねんきんネット」によるご自身の年金記録の確認
日本年金機構 こんな方はぜひ、年金記録に漏れがないかご確認を!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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