妊娠したのですが、何か経済的な支援を受けられますか?

配信日:
この記事は約 4 分で読めます。
妊娠したのですが、何か経済的な支援を受けられますか?
すべての妊婦が安心して出産できるように、国や自治体がさまざまな支援を行っています。この記事では、出産までの主な経済的支援についてポイントを解説します。
新美昌也

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

妊婦のための支援給付

「妊婦のための支援給付」は、妊婦の産前産後期間における身体的・精神的・経済的負担を軽減し、妊婦や胎児である子どもの保健および福祉の向上を目的に、妊婦やその家族に寄り添い、妊娠期から子育て期の切れ目ない支援を行う制度です。
 
妊娠期から面談を通じて出産・子育ての相談に応じ不安を解消する「伴走型相談支援」と、給付金を支給する「経済的支援」がセットとなっています。
 
「経済的支援」では、2回に分けた給付金が支給されます。1回目は妊婦1人あたり5万円、2回目は妊娠している胎児1人につき5万円です。
 
問い合せ先や申請先は居住地の市区町村や地域子育て世代包括支援センターです。申請期限は医療機関で妊娠が確認された日から2年間です。
 

妊婦健診費用の助成

健康な赤ちゃんを出産するために妊婦健診は大切です。妊婦健診では、妊婦の健康ぐあいや、胎児の育ちぐあいを見るため、身体測定や血液・血圧・尿などの検査をします。
 
妊婦健診の頻度は、厚生労働省の基準では、妊娠初期から妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産までは1週間に1回の計14回が推奨されています。
 
妊婦健診の費用は1回あたり5000円~1万円程度ですが、妊娠は病気でないため妊婦健診の費用は健康保険などの公的医療保険が適用されず全額自費になります。
 
そこで、費用の負担を気にせず安心して健診を受けられるよう、お住まいの市区町村が妊婦健診の費用を助成しています。助成項目と助成額は自治体により異なります。詳しくはお住まいの市町村の担当窓口にお問い合わせください。
 
妊娠に気づいたら、お住まいの市町村の窓口にできるだけ早く妊娠の届出を行いましょう。窓口では、母子健康手帳と一緒に、「妊婦健診診査の受診券」が交付されます。また、保健師等による相談、母親学級・両親学級の紹介、各種の情報提供なども受けることができます。
 

出産一時金

厚生労働省の調査によると、正常分娩の出産費用の全国平均は50万6540円(令和5年度)です。正常分娩は病気ではないので、公的医療保険は適用されません。そこで、この経済的負担を軽減する制度に「出産一時金」があります。
 
「出産一時金」は、公的医療保険の加入者が妊娠4ヶ月(85日)以上で出産(早産、流産、死産、中絶も含む)したとき、子ども1人につき原則50万円が加入している保険者から支給されます。支給申請および支払方法には、大きく「直接支払制度」と「受取代理制度」があります。
 
通常利用する「直接支払制度」は、病院などが被保険者に代わって保険者に出産育児一時金の支給申請を行い、保険者から病院などに出産育児一時金が直接支払われる仕組みですので、退院時の支払は50万円を超えた分で済み、便利です。
 
「受取代理制度」は、直接支払制度に応じていない一部の病院等で採用されています。被保険者が自ら保険者に出産育児一時金の支給申請を行い、病院などが被保険者に代わって出産育児一時金を受け取る仕組みです。
 
なお、健康保険組合やお住いの市区町村によっては、別途給付金を受け取ることができますので調べてみましょう。
 

出産手当金

会社員の女性が妊娠し産前産後休暇(産休)を取る場合、有給かどうかは会社の規定によります。一般に、無給にしている会社が多いかと思います。この場合の収入減を補てんするのが「出産手当金」です。なお、国民健康保険にはこの制度はありません。
 
被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、会社を休んだ期間を対象として健康保険から1日当たり標準報酬日額の3分の2が支給されます。なお、産休中に出産手当金より少ない給与が支払われた場合、差額が支給されます。
 
給付は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から、出産の翌日以後56日目までの範囲内で、実際に会社を休んだ日数分が支給されます。
 
申請先は勤務している会社になります。申請期限は産休の翌日から2年以内です。
 

社会保険料の免除

産前産後休業期間中の国民健康・国民年金、健康保険・厚生年金の保険料は申請により免除されます。健康保険・厚生年金の保険料は会社負担分も免除になります。
 
妊娠したら、以上のような制度を漏れなく利用しましょう。
 

出典

厚生労働省 働く女性の心とからだ応援サイト
こども家庭庁 妊産婦への伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施
こども家庭庁 妊婦健診に関する取組み
厚生労働省 出産育児一時金等について
協会けんぽ 出産手当金
日本年金機構 産前産後休業期間中の保険料免除
日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
 
執筆者 : 新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

  • line
  • hatebu

LINE