マンションのベランダに「ひび割れ」を発見。夫は「自宅のベランダだから修理代は自腹」と言いますが、こうした修繕費は住人が払うものなのでしょうか?

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マンションのベランダに「ひび割れ」を発見。夫は「自宅のベランダだから修理代は自腹」と言いますが、こうした修繕費は住人が払うものなのでしょうか?
マンションのベランダにひび割れや劣化を見つけると、「修理費用は自分の家で出さなければいけないのか」と考えて不安になる方もいるでしょう。「わが家の敷地だから自腹」と考えがちですが、実はマンションのベランダ修繕費は常に住人個人が負担するとは限りません。
 
本記事では、マンションのベランダにひび割れが生じた場合、修繕費を住人と管理組合のどちらが負担するのか、管理規約や過去の裁判例を踏まえて解説します。
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ベランダは「共用部分」! 原則として管理組合が修繕費を負担する仕組み

マンションのベランダは居住者が日常的に独占して使っているため、一見すると「専有部分(自分の家の一部)」のように思えるかもしれません。
 
しかし法律上、ベランダは区分所有者全員の共有に属する「共用部分」に位置づけられています。管理規約に基づき、特定の住人だけが使える「専用使用権」が認められているものの、構造上はマンション全体の資産(共用部分)なのです。
 
そのため、経年劣化によって防水層が傷んだり、ひび割れが発生したりした場合の計画的な修繕費用は、原則として「管理組合」が積み立ててきた「修繕積立金」から支払われます。
 
費用負担の基本的な考え方は次の通りです。

(1)経年劣化による修繕:原則として管理組合の負担(修繕積立金から支出)
(2)住人の過失や不注意による損傷:原則として居住者個人の負担
(3)管理規約に特約がある場合:管理規約の定めが優先される

このように、時間の経過による自然な劣化であれば、入居者が修繕費を負担する必要はないとされる場合があります。
 

ベランダにひび割れができたら? 補修方法と費用負担を確認

ベランダにひび割れが見つかった場合、補修にどの程度の費用がかかるのかは、ひび割れの状態や補修方法によって異なります。表面だけの軽微なひび割れなのか、下地まで劣化しているのかによって必要な工事も変わるため、まずは状態を確認することが重要です。
 
(1)軽微なひび割れの補修
表面に生じた小さなひび割れであれば、補修材を使用してひび割れを埋めるなど、部分的な補修で対応できる場合があります。劣化が軽度であれば、大がかりな工事を行わずに済むこともあります。
 
(2)下地まで劣化している場合
ひび割れが大きい場合や下地まで劣化が進んでいる場合は、ひび割れ部分だけではなく、周辺を含めた補修が必要になることがあります。放置すると雨水が入り込み、劣化が進むことも考えられます。
 
(3)防水層にも劣化がある場合
ひび割れとあわせて防水層の劣化が確認された場合は、ひび割れの補修だけでなく、防水工事が必要になるケースもあります。工事範囲が広くなるほど、費用も高くなる傾向があります。
 
前述の通り、マンションのベランダは共用部分とされているため、ひび割れを見つけたからといって、居住者が自分の判断で修理業者へ依頼するのは避けたほうがよいでしょう。まずは管理規約を確認し、管理組合や管理会社へ連絡することが重要です。
 
ただし、日常の使用に伴う劣化とみなされた場合や管理規約の規定によっては、個人負担が求められるケースもあります。例えば、過去の裁判例では、ベランダ出入り部分のサッシ戸車やクレセント錠などの劣化について、年数の経過による傷みは「専用使用権者の通常の使用に伴うもの」として、住人側の負担と判断されています。
 

勝手に修繕せず管理規約の確認と管理組合への相談を

ベランダのひび割れを見つけても、個人の判断ですぐに業者へ修理を依頼するのは避けたほうがよいでしょう。
 
修繕費を住人が負担するのか、管理組合が負担するのかは、マンションの管理規約やひび割れが生じた原因などによって異なるためです。劣化を発見したら、まずは管理規約を確認し、ベランダや専用使用権に関する取り決めがどのようになっているか把握することが大切です。
 
自己判断で修理を進めるのではなく、現状の写真を撮り記録に残した上で、速やかに管理会社へ連絡して相談することをおすすめします。管理規約や修繕に関するルールをあらかじめ確認し、適切な手順で対応することが、想定外の出費を避け、住まいを適切に維持していくことにつながります。
 

出典

e-Govポータル法令検索 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)
国土交通省 マンション標準管理規約
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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