平日は使わない月極駐車場を、近所の人から「日中だけ貸してほしい」と頼まれました。私がお金を払って借りている区画でも、空いている時間なら人に貸してよいのでしょうか?
しかし、月極駐車場の契約者は駐車場そのものの所有者ではなく、契約条件の範囲で区画を利用する権利を借りている立場です。そのため、貸主の承諾なしに第三者へ区画を貸すと「転貸」に当たり、契約違反になる可能性があります。お金を受け取る場合はもちろん、無料で使わせる場合でも契約内容を確認してからにしましょう。
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月極駐車場は借りているだけなので自由に又貸しできない
民法612条では、賃借人は貸主の承諾を得ずに賃借権を譲ったり、賃借物を第三者へ転貸したりすることはできないと定めています。そして、貸主の承諾なく第三者に使用・収益させた場合、貸主は契約を解除できるとされています。月極駐車場の契約でも、この考え方が問題になります。
たとえば月額1万5000円で駐車区画を借りていて、自分が使わない平日午前9時から午後5時まで近所の人へ1日500円で貸したとします。仮に月20日貸せば、受け取る金額は月1万円になります。
空いている時間を有効活用したいと考える理由にはなりますが、料金を受け取るかどうかにかかわらず、第三者に区画を使わせてよい契約なのかを確認することが先です。
本人からすると「自分が使っていない時間を有効活用しただけ」ですが、貸主から見れば、契約していない第三者が駐車場を利用しています。
さらに、契約書に「契約車両以外の駐車禁止」「第三者への転貸・使用貸借禁止」などと書かれていれば、契約違反と判断されやすくなります。「月額料金をきちんと払っているのだから自由に使える」というわけではありません。
無料で貸す場合でも契約違反になる可能性がある
「お金を取らなければ又貸しではないのでは」と考える人もいるでしょう。
しかし、駐車場の契約では「第三者に使わせる行為」そのものを禁止しているケースがあります。
たとえば親戚が1日遊びに来たときだけ停める場合と、近所の人が毎週月曜日から金曜日まで継続して利用する場合では、使われ方が大きく違います。
後者は、たとえ無料でも実質的に第三者の駐車スペースとして使われているため、貸主から問題視される可能性があります。
また、車両登録制の月極駐車場もあります。契約時に車種やナンバーを登録し、それ以外の車を停めないルールなら、近所の人の車を置くだけで規約違反になることがあります。
管理会社が巡回したときに「無断駐車」と判断され、警告を受ける可能性もあるでしょう。そのため、「日中だけだから」「無料だから」と自己判断せず、まず契約書の「転貸」「使用者」「登録車両」の項目を確認してください。
貸したいなら管理会社やオーナーから事前に承諾をもらう
近所の人へどうしても貸したい場合は、管理会社や駐車場オーナーへ相談しましょう。「平日の昼間、自分が使用しない時間帯に近所の人の車を停めても問題ありませんか」と具体的に確認します。許可してもらえる場合は、できればメールなど記録に残る形で回答を受けておくと安心です。
また、お金を受け取る場合は、その点も隠さず伝えましょう。
貸主としては、知らない人が駐車することで事故や設備破損が起きた場合、誰が責任を負うのかという問題があります。
たとえば近所の人が駐車時に隣の車へぶつけた、駐車場のフェンスを壊したといった場合です。契約者本人の車ではないため、管理会社とのトラブルが複雑になる可能性があります。「空いているなら使っていいよ」と気軽に鍵や区画番号を教える前に、事故時の責任も考えておきましょう。
貸主が認めない場合は、残念でも貸さないほうが安全です。月数千円の副収入を得るために、本来必要な自分の駐車場契約を解除されてしまっては意味がありません。
まとめ
自分が料金を払って借りている月極駐車場でも、使っていない時間を自由に第三者へ貸せるとは限りません。
民法では、賃借人が貸主の承諾を得ずに賃借物を第三者へ転貸することを原則として禁止しています。契約書にも、又貸しや契約車両以外の駐車を禁止する条項があることがあります。
自己判断で第三者に区画を使わせるのは避けたほうがよいでしょう。
まず月極駐車場の契約書を確認し、分からなければ管理会社やオーナーへ問い合わせましょう。正式に承諾を得られれば安心して利用方法を決められます。平日空いていても「自分の土地」になったわけではないことを理解し、無断での又貸しは避けるのが安全です。
出典
e-Gov 法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
