共働き「世帯年収910万円」のわが家…今年から「年48万円」の“私立高校の授業料”は、所得制限がなくなりタダのはずが、学校から「請求28万円」が! 無償化されたのになぜでしょうか?
実は、支援金がまかなうのは授業料だけで、学校に納めるお金はそれだけではありません。本記事では、28万円の内訳を計算式でたどり、都道府県の上乗せでどこまで減るのかもあわせて確かめます。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
支援金がまかなうのは、授業料だけ
文部科学省のリーフレットによると、令和8年度(2026年度)から高校生の授業料支援の対象が広がり、私立高校(全日制等)の支給上限額は年45万7200円になりました。所得上限はありません。授業料が年48万円の学校なら、こう計算できます。
・48万円-45万7200円=2万2800円(授業料のうち自分で払う分)
年収910万円の世帯は、令和7年度までは私立向けの上乗せを受けられませんでした。その意味で負担はぐっと軽くなっています。それでも28万円の請求がある場合、その大半は授業料以外の費用です。
28万円のうち、25万7200円は授業料以外
授業料の自己負担2万2800円を、請求額から引いてみます。
・28万円-2万2800円=25万7200円(授業料以外の費用)
この25万7200円は、施設費や実習費、冷暖房費、保護者会費といった項目の合計にあたります。支援金は授業料に充てるためのものなので、これらには使えません。
東京都が公表した令和8年度の調査では、都内の私立高校(全日制)の令和8年度の平均費用は授業料が51万2882円、施設費が3万4386円、その他が20万5805円でした。
・3万4386円+20万5805円=24万191円(授業料以外の平均額)
25万7200円という金額は、この平均から大きく外れてはいません。無償化でまかなえるのは学費の一部で、授業料以外は今までどおり必要です。
同じ調査では、入学金の平均が25万4599円、初年度に納める合計が100万7549円でした。1年目はこの入学金が必要なため、負担はさらに重くなります。
都道府県の支援上乗せがあると、授業料の自己負担は消える
国の支援金とは別に、都道府県など自治体が独自に支援の上乗せをしている場合があります。
東京都私学財団は、都の授業料軽減助成金について、国の就学支援金と合わせて年50万1000円まで助成すると案内しました。授業料軽減助成金だけを申請する場合、所得要件はありません。
・50万1000円-45万7200円=4万3800円(都が上乗せする分)
授業料が48万円なら、国と都の合計50万1000円の範囲に収まります。この場合、授業料の自己負担2万2800円はなくなる計算です。
注意したいのは、申請の窓口が分かれている点です。同財団は、上限額まで受け取るには国の就学支援金と都の授業料軽減助成金をそれぞれ別に申請する必要があるとしています。片方だけの申請では、上乗せ分を取りこぼすことになります。
ただし、上乗せの有無や金額は自治体ごとに違います。また、上乗せが受けられても、授業料以外の25万7200円はそのまま残る点にも注意が必要です。
まとめ
令和8年度から高等学校等就学支援金の所得制限がなくなり、私立高校の授業料には年45万7200円まで支援が出ます。授業料48万円の学校なら、自分で払う授業料は2万2800円です。
請求された28万円のうち、25万7200円は施設費やその他の費用にあたり、支援金では払えません。東京都の施設費およびその他の費用の平均24万191円と比べて、特別に高い水準ではありません。
都の上乗せのように、住んでいる自治体の制度で自己負担がさらに減る場合もあります。国と自治体の支援は別々に申請が必要なことが多いので、入学前に学校と自治体の案内を両方そろえて確かめておくとよいでしょう。
出典
文部科学省 高等学校等就学支援金【新制度】
東京都 令和8年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況
公益財団法人東京都私学財団 私立高等学校等授業料軽減助成金(都の制度)
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
