「函館も8月は35.4度、北海道も普通に暑い」と油断したら、9月の旅行中「気温9.9度」で急きょ“上着”を買うハメに!? 在住者が「9月の函館は11月の東京に近い」と言うワケ

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「函館も8月は35.4度、北海道も普通に暑い」と油断したら、9月の旅行中「気温9.9度」で急きょ“上着”を買うハメに!? 在住者が「9月の函館は11月の東京に近い」と言うワケ
筆者撮影
 
「北海道でも夏は暑いらしい」と聞いて、半袖中心の荷物で函館へ向かう方もいるでしょう。函館では8月に35.4度を記録した年がありますが、同じ年の9月には最低気温が9.9度まで下がりました。
 
現地で慌てて上着を買えば、旅行の予算はその分だけ削られます。本記事では気象庁の資料をもとに、服装選びで失敗しやすい理由を解説します。
木彫りグマ

FP2級、北海道在住ライター

その日の最高気温は22.5度 それでも朝は9.9度だった

函館の9月は、単に寒い日があるという話ではありません。上旬は8月並みの暑さが残る一方、下旬に入ると日中の気温が下がり、朝晩はそれ以上に大きく冷え込みます。実際に記録された1週間の推移から確認していきましょう。
 

予報どおりの日中と、予報に出ない朝

2023年9月の函館では、わずか1週間で気温の様子が大きく変わりました。気象庁の記録から推移を抜き出します。
 
図表1

日付 最高気温 最低気温
9月18日 28.9度 23.1度
9月20日 24.8度 13.6度
9月21日 18.7度 13.9度
9月24日 22.5度 9.9度

気象庁 函館(渡島地方) 2023年9月(日ごとの値)より筆者作成
 
注目したいのは9月24日です。最高気温は22.5度あり、日中なら上着なしでも歩ける水準です。ところが最低気温は午前4時40分ごろの9.9度で、同じ1日に12.6度もの差がありました。予報の最高気温だけで服装を決めると、この冷え込みによって、かなり寒い思いをしてしまいます。
 

同じ年の8月には35.4度を記録していた

函館で35.4度が観測されたのは2023年8月10日で、1872年の統計開始以降でもっとも高い記録です。35度以上になった日は、この1日だけです。観測史上もっとも暑い夏の年でも、45日後の朝には9.9度まで下がっていました。
 

下がるのは朝晩だけ 日中は1ヶ月で4.2度しか変わらない

写真1

写真1

筆者撮影
 
2023年がたまたま極端だったわけではありません。長期の平均値である平年値を見ても、函館の9月は日中と朝晩で下がり方がはっきり違います。この差が、服装選びを難しくする原因といってよいでしょう。
 

日中は4.2度、朝晩は6.0度下がる

気象庁は1991年から2020年の平均を平年値としています。函館の8月下旬から9月下旬を並べます。
 
図表2

時期 日最高気温 日最低気温 昼夜の差
8月下旬 25.6度 18.2度 7.4度
9月上旬 24.9度 17.0度 7.9度
9月中旬 23.3度 14.7度 8.6度
9月下旬 21.4度 12.2度 9.2度

気象庁 函館(渡島地方) 平年値(旬ごとの値)より筆者作成
 
1ヶ月で日最高気温は4.2度しか下がりませんが、日最低気温は6.0度下がり、昼夜の差も広がります。日中に受ける印象が8月のままなので、朝晩の変化に気づきにくいわけです。9月の函館なら、最低気温を基準に荷物を決めましょう。
 

9月下旬の朝は、東京の11月に近い

東京の平年値では、日最低気温が10月で14.8度、11月で8.8度です。函館の9月下旬の12.2度はちょうどこの中間で、東京の10月から11月にかけて着る服が目安になります。
 

冷え込む時間帯と、観光したい時間帯が重なっている

写真2

写真2

筆者撮影
 
地元で暮らす者として気がかりなのは、夜景観賞や海沿いの散策など函館らしい楽しみ方の多くが、朝夕の外歩きを伴う点です。観光したい時間と冷え込む時間帯がちょうど重なってしまうのです。
 

朝市も夜景も、気温が下がる時間に重なる

9月の函館で注意しておきたい点を整理します。

・最低気温は深夜から明け方に記録されやすく、朝市へ出かける時間と重なる
・夜景の見ごろは日没後で、日中との気温差が大きい
・平均風速は8月上旬の毎秒3.0メートルから9月下旬は3.5メートルに上がる
・海沿いは風の影響を受けやすく、同じ気温でも寒く感じられやすい

先ほどの9月24日も、最低気温を記録したのは日の出前でした。筆者の実体験では、日中に半袖で快適に過ごせた日でも、夜景を見に出る時間には風が冷たく感じられます。日中の快適さを基準にすると、朝と夜だけ耐えられなくなります。
 

上着を1着買い足すと、ひと月分の洋服代がほぼ消える

では、現地で上着を買い足すと、家計にはどの程度の影響があるのでしょうか。旅行中の出費は特別なものと考えがちですが、金額としては日ごろの衣類代と同じ財布から出ます。公的な統計で確認しましょう。
 

二人以上の世帯の「洋服」への支出は月3868円

総務省統計局の家計調査によると、2025年平均で二人以上の世帯が被服及び履物にかけた金額は1ヶ月あたり1万63円でした。
 
このうち洋服にあたる支出は3868円です。旅行先で買う上着が3868円を超えれば、ひと月分の洋服代を1日で使う計算になります。同資料には、2025年10月に気温が下がり、秋冬物衣料の需要でシャツ・セーター類の支出が増えたとの記述もあります。
 

旅行単価7万2412円には買物代も含まれる

観光庁の調査では、2025年の宿泊旅行の1人1回当たりの旅行支出は7万2412円でした。同じ資料には、この金額に交通費や宿泊費だけでなく買物代も含まれると記されています。予算を決めて出かけるなら、上着代の分だけ現地で使えるお金が減ります。
 

まとめ

函館の9月は寒いというより、日中は暖かいまま朝晩だけ秋になる時期です。平年値でも1ヶ月で日中は4.2度しか下がらない一方、朝晩は6.0度下がります。最高気温の予報だけで判断すると、服装を外しやすい条件がそろっています。
 
薄手で風を通しにくい上着を1枚たたんで入れておけば、現地で慌てて買い足す必要はありません。秋口にも使える一着なら、荷物としても無駄にならないでしょう。
 
執筆者 : 木彫りグマ
FP2級、北海道在住ライター

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