群馬への移住を考えていますが、夫は「都内勤務なら東京にも住まいを残したほうがいい」と“二拠点生活”を希望。完全移住して通勤する場合と比べ、どちらが現実的なのでしょうか?
完全移住と二拠点生活のどちらを選ぶかは、出社日数や会社の通勤手当、住居費などによって変わります。本記事では、実際にかかる通勤費や自治体の支援制度を踏まえ、それぞれの費用や生活面の違いを比較します。
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目次
群馬から都内へ新幹線通勤するなら月10万円前後かかる
都内へ通いやすい高崎市を例にすると、高崎駅から東京駅までは上越・北陸新幹線で乗り換えなしです。列車によって異なりますが、所要時間は50分前後です。
2026年9月時点で、高崎-東京間の新幹線通勤定期は1ヶ月10万6700円です。年間では約128万円になるため、決して小さな金額ではありません。
ただし、全額が自己負担になるとは限りません。勤務先が新幹線定期代を通勤手当として支給する場合があるためです。税制上も、最も経済的かつ合理的な通勤経路であれば、新幹線を含む通勤手当は月15万円まで非課税になる場合があります。
例えば、会社が月8万円まで負担するなら、自己負担は月2万6700円です。まず勤務先に、新幹線通勤が認められるか、いくらまで支給されるかを確認しましょう。
完全移住なら通勤費補助や移住支援金を利用できる場合がある
群馬県内には、東京方面へ通勤する移住者を支援する自治体があります。
例えば沼田市では、一定の条件を満たして上毛高原駅から新幹線通勤する人に、月2万円を上限として最長3年間補助します。みなかみ町にも新幹線通勤費の補助があり、2026年度は条件に応じて月1万~3万円を上限に最長3年間支援しています。
新幹線以外では、館林市が東武鉄道の特急列車やJR東日本普通列車のグリーン車などで東京圏へ通勤する一定の人を対象に、実費の2分の1、月1万円を上限として最長3年間補助しています。
さらに、東京圏から対象となる群馬県内の市町村へ移住すると、条件を満たせば移住支援金を受け取れます。基本額は単身60万円、世帯100万円です。18歳未満の子どもには加算があり、太田市では1人につき100万円、最大3人まで加算されます。
こうした制度には転入や就業などの条件があります。移住してから対象外だったと気づかないよう、事前に自治体へ確認することが大切です。
二拠点生活は通勤負担を減らせる一方で住居費などが二重にかかる
東京に住まいを残せば、出社が続く日は東京、休日は群馬という暮らし方ができます。毎日長距離通勤をしなくてよいことはメリットでしょう。一方、二拠点生活では住居費や水道光熱費、通信費などを2カ所分負担する必要があります。
さらに交通費も必要です。高崎-東京間の新幹線は、自由席なら片道4600円程度です。週1回往復すると仮定すれば、4600円×2×4週で月約3万7000円、年間では約44万円になります。
仮に東京の住居費が月10万円、群馬が月5万円なら、住居費だけでも月15万円です。ここに交通費や2軒分の固定費が加わります。
また、住民票を東京に残すなど、群馬への転入要件を満たさなければ、移住支援金や自治体の通勤補助を利用できない場合があります。二拠点生活では、補助金を前提とせずに家計を考えましょう。
まず二拠点生活を試してから完全移住を判断する方法も検討しよう
費用を重視するなら、東京の住居を維持し続ける二拠点生活より、完全移住して会社の通勤手当や自治体の補助を利用するほうが有利になる場合があります。
特にテレワークを活用でき、出社回数を抑えられる人なら、群馬から都内勤務を続ける選択肢も検討しやすいでしょう。
ただし、最初から東京の家を手放す必要はありません。半年程度、群馬で賃貸住宅などを借りて二拠点生活を試し、通勤の負担や車中心の生活、地域の環境が自分たちに合うか確認する方法もあります。
完全移住と二拠点生活を比べる際は、新幹線代だけで判断せず、2軒分の住居費、会社の通勤手当、自治体の支援まで含めて計算することが重要です。まずは短期間暮らしてみて、無理なく続けられると分かってから完全移住へ進めば、夫婦ともに納得できる選択をしやすくなるでしょう。
出典
沼田市 沼田市移住促進通勤費補助金
みなかみ町 みなかみ町新幹線通勤費補助金
館林市 移住定住促進通勤支援金
太田市 太田市移住支援金事業
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
