夏の3ヶ月だけ避暑地で暮らす「季節移住」を検討中。夫は「東京で冷房を使い続けるより節約になる」と言いますが、住居費や移動費まで含めると本末転倒にならないでしょうか?

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夏の3ヶ月だけ避暑地で暮らす「季節移住」を検討中。夫は「東京で冷房を使い続けるより節約になる」と言いますが、住居費や移動費まで含めると本末転倒にならないでしょうか?
夏の暑さを避けるため、7~9月だけ北海道や長野県などの避暑地で暮らす「季節移住」。東京でエアコンを使い続けるより、涼しい地域へ移ったほうがお得だと考える人もいるかもしれません。
 
しかし、家計の節約だけを目的にするなら注意が必要です。東京の電気代が減る一方、避暑地では新たな住居費や交通費が発生します。
 
では、夏の3ヶ月を避暑地で過ごすと、実際の負担はどのくらいになるのでしょうか。今回は、季節移住で得られる快適さも含めて考えてみましょう。
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東京の冷房を3ヶ月使わなくても節約できる金額には限界がある

まず確認したいのが、季節移住によって東京でどのくらいの電気代を減らせるのかです。
 
総務省統計局の「家計調査 (二人以上の世帯)」を参考にすると、東京で暮らす二人以上の世帯が夏に支払う電気代は、月1万円前後になることがあります。3ヶ月なら3万円を超える計算です。
 
ただし、これをすべて節約できるわけではありません。電気代には冷蔵庫や照明など、エアコン以外で使う電気も含まれているからです。
 
株式会社帝国データバンクの調査では、2026年夏の東京では、平年を上回る暑さによる家計支出の増加額が1世帯当たり月平均1569円と試算されています。記録的な暑さだった2025年の試算でも月3512円でした。
 
そのため、避暑地に移っても、東京で減らせる電気代は3ヶ月で数万円程度に収まる可能性があります。季節移住の損得を考える際は、「東京の電気代がすべてゼロになる」と考えないことが大切です。
 

避暑地で3ヶ月暮らすと住居費や交通費で数十万円かかることもある

季節移住で大きな負担となるのが、現地の住居費です。家具・家電付きのマンスリーマンションなどを3ヶ月借りれば、数十万円の費用がかかることもあります。
 
さらに、東京の自宅が賃貸なら、避暑地に滞在中も基本的に家賃を支払います。住宅ローンを返済している場合も同様です。つまり、東京と避暑地で二重に住居費を負担することになります。
 
移住先によっては、北海道であれば航空券代、長野県などであれば新幹線代や自動車での移動費などもかかります。
 
例えば、東京の電気代を3ヶ月で3万円減らせたとしても、避暑地の住居費に30万円、往復交通費に5万円かかれば、差し引きでは32万円の支出増となります。
 
このように、純粋な家計の節約を目的とする場合、季節移住で元を取るのは難しいでしょう。電気代だけでなく、現地の家賃や交通費、東京に残る固定費まで含めて比較する必要があります。
 

季節移住は「節約」ではなく暑さを避けて快適に暮らすための選択肢

金銭面で割高だからといって、季節移住に意味がないわけではありません。「何円節約できるか」ではなく、「追加費用によって何を得られるか」という視点も重要です。
 
例えば釧路は、釧路地方気象台が「天然の避暑地」と紹介するほど夏が涼しい地域です。1991~2020年の平年値では、6~8月に最高気温が30度以上となる真夏日は0.3日です。
 
こうした地域で暮らせば、東京の厳しい暑さを避けられます。テレワークをしている人なら、より快適な環境で仕事ができる可能性もあるでしょう。
 
国土交通省も二地域居住について、新たな働き方や暮らし方の実現、ウェルビーイングの向上などにつながるものとしています。
 
季節移住は、冷房代を減らすための「節約術」というより、暑い時期を快適に過ごすための「生活への投資」と考えるほうが現実的でしょう。
 

季節移住は費用と快適さの両方を比べて判断しよう

夏の3ヶ月だけ避暑地で暮らす場合、東京で減らせる電気代より、現地の住居費や交通費のほうが高くなる可能性があります。そのため、冷房代の節約だけが目的なら、季節移住によってかえって支出が増えることも考えられます。
 
一方、自治体によっては二地域居住や長期滞在を支援しています。例えば釧路市では、長期滞在に関する施設や生活情報を紹介しているほか、対象者向けにコワーキング施設などの利用助成も行っています。
 
利用できる支援制度があれば、滞在に伴う負担を抑えられる可能性があります。ただし、対象者や条件は制度によって異なるため、自治体の公式サイトで確認しましょう。
 
いきなり3ヶ月暮らすのが不安なら、まずは短期間滞在し、気候や仕事のしやすさ、生活環境を確かめるのもひとつの方法です。金銭的な節約だけでなく、「追加費用に見合う快適さを得られるか」まで考えることで、自分に合った季節移住かどうかを判断しやすくなるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(2023年(令和5年)~2025年(令和7年)平均) 食料以外
株式会社帝国データバンク 東京都の猛暑が家計支出に与える影響調査(2025年)
株式会社帝国データバンク 東京都の猛暑が家計支出に与える影響調査(2026年)
国土交通省国土政策局 二地域居住等の促進について(1ページ)
釧路地方気象台ホームページ 釧路地方の夏(6~8月)
釧路市公式ホームページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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