地方で一人暮らしをする70代の父。通院に車が欠かせませんが、「生活保護を受けるなら車は手放さないといけない」と申請を諦めています…。車を所有したままでは、本当に受給できないのでしょうか?

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地方で一人暮らしをする70代の父。通院に車が欠かせませんが、「生活保護を受けるなら車は手放さないといけない」と申請を諦めています…。車を所有したままでは、本当に受給できないのでしょうか?
「生活保護を受ける場合、車は処分しなければならない」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
 
生活保護では自動車の保有は原則として認められていませんが、地域の交通事情や通勤・通院などの事情によっては、例外的に保有が認められる場合があります。そのため、車を所有しているからといって、生活保護を受けられないと一概に判断することはできません。
 
本記事では、生活保護における自動車保有の基本的な考え方や、保有が認められるケースなどについて分かりやすく解説します。
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生活保護では車の保有は原則認められない? 基本的なルールを確認

「生活保護を受給するなら車を処分しなければならない」と考えて申請をためらうケースもあるでしょう。しかし、原則としての決まりはあるものの、生活の実態や地域事情に応じた例外的な措置が存在します。
 
厚生労働省によると、生活保護制度は活用できる資産や能力、他の制度による手当などをすべて利用してもなお困窮する場合に、厚生労働大臣が定める基準で算定された「最低生活費」と「世帯の収入」を比較し、不足する差額を保護費として支給する仕組みです。
 
例えば、月額の最低生活費が13万円で公的年金などの収入が8万円の場合、差額の5万円が支給されます。
 
自動車については、売却によって現金化できる資産価値を持つことや、駐車場代、ガソリン代、自動車税、自賠責保険料や任意保険料といった毎月の維持費が最低生活費の中から捻出できないと考えられることから、原則として保有が認められていません。
 
ですが、生活保護は単に就労による金銭的自立だけでなく、高齢者や障がい者の日常生活および社会的なつながりを維持する自立も目的としています。そのため、必要不可欠な事情がある場合は一定条件のもとで保有が容認されるケースもあります。
 

通院や交通手段が限られる地域では車を保有できる場合も

では、具体的にどのような場合であれば車を持ち続けることができるのでしょうか。厚生労働省によれば、例えば障がいのある方が通院や通学などで自動車を必要とする場合や、公共交通機関の利用が著しく困難な山間部・へき地などに居住している場合が挙げられます。
 
さらに、通勤用の車を持ちながら求職活動を行ったり、自営業に必要な車両を処分せずに保護を受けたりすることが可能とされています。
 
自動車の維持などにかかる経費についても、ルールが定められています。例えば、通勤や事業用として認められた自動車の場合、燃料費や修理代、各種保険料や軽自動車税などの維持費は必要最小限度の額を「必要経費」として勤労収入や事業収入から差し引く(控除する)ことができます。
 

生活保護で保有が認められた車は買い物などにも使える?

これまで例外的に車の保有が認められていた場合でも、その利用用途は通院や通勤といった特定の目的に制限されており、それ以外の目的での利用は想定されていませんでした。しかし、令和6年12月25日に厚生労働省から発出された「生活保護問答集について」の改定事務連絡により、利用範囲に関する大きな見直しが行われています。
 
この改定により、障がいを持つ方本人やそのご家族が日常生活に欠かせない食料品や日用品の買い物に行く場合にも、保有を認められた自動車を利用できるようになりました。
 
また、公共交通機関の利用が著しく困難な過疎地などに住む方についても、地域の交通事情や世帯の状況を考慮し、他の低所得世帯とのバランスを崩さないと判断されれば、買い物などの移動に車を使うことが認められるケースがあります。
 
生活の維持に欠かせない移動手段の実情に寄り添う形で、運用のルールが前進しています。
 

車の保有や利用について迷ったら地域の福祉事務所へ相談を

地方で一人暮らしをしている場合など、地域の交通事情を踏まえ、通院や日常生活を送るうえで自動車の利用が必要と判断されれば、一定の要件のもとで保有が認められる場合があります。
 
車を所有していることだけを理由に生活保護の利用を諦めるのではなく、まずは居住地を管轄する福祉事務所の生活保護担当窓口へ相談してみましょう。世帯の状況や車を必要とする理由、地域の交通事情などを具体的に伝え、利用できる制度や自動車保有の可否を確認することが大切です。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 第11回 社会保障審議会福祉部会 資料2 説明資料3 自動車の保有要件及び維持等に必要な経費の取扱い
厚生労働省 生活保護を申請したい方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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