薬局で「ジェネリックに変更できます」と言われました。少しでも薬代を抑えたいのですが、毎回変更すると実際どのくらい支払いが変わるのでしょうか?
先発医薬品とジェネリックの薬価の差、薬の量、服用日数、医療費の自己負担割合などによって変わります。
また、2026年6月からは、ジェネリックがある先発医薬品を患者自身の希望で選ぶと、原則として価格差の2分の1相当の「特別の料金」がかかる仕組みになっています。そのため、薬によっては以前よりジェネリックを選んだ場合との差が大きくなることがあります。
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ジェネリックにすると安くなる金額は薬によって異なる
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許期間などが終了した後に販売される薬です。厚生労働省によると、先発医薬品と品質や有効性、安全性について同等であることが証明されたうえで承認されています。
ただし、薬の形や色、添加剤などが異なることはあります。価格についても、「ジェネリックなら必ず半額」という共通ルールがあるわけではありません。先発医薬品とジェネリックの薬価は薬ごとに異なり、その価格差も一律ではありません。
たとえば先発医薬品の薬価が1錠100円、ジェネリックが1錠60円なら、薬そのものの価格差は1錠40円です。一方、先発医薬品が1錠70円、ジェネリックが60円なら差は10円しかありません。
さらに、窓口で払う金額は薬価そのものではありません。保険診療では1~3割などの自己負担割合が適用されるほか、薬局では調剤に関する費用なども加わります。
そのため、ジェネリックへ変えても会計全体が薬価の差と同じだけ安くなるわけではありません。
2026年6月から先発医薬品を希望した場合の「特別の料金」が引き上げられた
現在は、ジェネリックがある先発医薬品(長期収載品)を患者自身の希望で選ぶ場合、「選定療養」という仕組みによる特別料金がかかります。
厚生労働省によると、2026年6月から、この特別料金は先発医薬品とジェネリックの価格差の2分の1相当になりました。2026年5月までは価格差の4分の1相当でしたが、2026年6月から2分の1相当に引き上げられました。
厚生労働省が示す例では、先発医薬品が1錠100円、ジェネリックが60円なら価格差は40円です。2026年6月以降は、その2分の1の20円が、通常の1~3割の自己負担とは別に加わります。さらに特別料金には消費税もかかります。
なお、ジェネリックが複数ある場合は、最も薬価の高いジェネリックとの価格差を使って特別料金を計算します。仮に自己負担3割、消費税10%として単純計算すると、ジェネリック60円なら薬剤部分の自己負担は18円です。
一方、100円の先発医薬品を患者自身の希望で選んだ場合、特別料金となる20円を除いた80円の3割に当たる24円と、消費税込みの特別料金22円を合わせ、46円となります。
この例では、ジェネリックとの差は1錠当たり28円です。1日1錠を30日分処方されたとすると、単純計算では840円の差になります。ただし、実際の窓口負担は薬剤料の計算単位や調剤費などによって変わるため、単純計算と完全には一致しません。
長期間飲む薬ほど年間では差が大きくなりやすい
ジェネリックの節約効果を考えるときは、1回の会計だけでなく年間で考えると分かりやすくなります。たとえば1回の処方で800円程度の差でも、同じような処方が毎月続けば、年間では1万円近い差になる計算です。
高血圧や脂質異常症などで毎日薬を飲む人は、数種類の薬を長期間使うこともあります。その場合、一つひとつの差は小さくても年間ではまとまった金額になる可能性があります。
反対に、3日間だけ飲む薬で価格差も小さければ、会計が数十円しか変わらないこともあります。薬局で「ジェネリックにすると今回いくらくらい安くなりますか」と尋ねても問題ありません。薬剤師なら、そのとき処方されている薬をもとに目安を説明できます。
なお、医師が医療上必要と判断して先発医薬品を処方する場合や、ジェネリックを用意できない場合などは、患者希望による特別料金の対象外となります。
また、以前ジェネリックを使用した際に副作用が出たことがあるなど、使用に不安がある場合は、値段だけで決めず医師や薬剤師へ相談しましょう。
まとめ
ジェネリック医薬品へ変更したときに安くなる金額は、「毎回○円」「必ず○%」とは決まっていません。先発医薬品とジェネリックの薬価差、処方量、服用期間、自己負担割合などによって変わります。
さらに2026年6月からは、ジェネリックがある薬で患者が先発医薬品を希望すると、価格差の2分の1相当の特別料金が原則として加わるようになりました。
そのため、ジェネリックを選んだ場合との支払額の差が以前より大きくなる薬もあります。特に毎月同じ薬を飲んでいる人は、1回ではなく年間の差額で考えるのがおすすめです。
「変更できます」と言われたら、薬局で「今回ジェネリックにすると窓口負担はいくら変わりますか」と聞いてみましょう。金額を確認したうえで、薬の特徴や体質についても薬剤師へ相談すれば、費用と治療の両面から納得できる選択をしやすくなります。
出典
厚生労働省 ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進について
厚生労働省 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について
厚生労働省「長期収載品の選定療養」導入 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
