千葉豪雨「レッカー2000円から」と表示も、実際は「作業料金8万円」「キャンセル料10万円」!? 消費者センターにも相談多数…災害に便乗した“悪質業者”に「支払い義務」はあるのか―契約成立の条件も確認

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
千葉豪雨「レッカー2000円から」と表示も、実際は「作業料金8万円」「キャンセル料10万円」!? 消費者センターにも相談多数…災害に便乗した“悪質業者”に「支払い義務」はあるのか―契約成立の条件も確認
2026年8月の千葉豪雨では、水に漬かった車のレッカー移動をめぐって、高額な料金を請求されたという相談が千葉県内の窓口に相次ぎました。サイトには「2000円から」と表示されていたのに、電話では作業料金として3万~8万円、断ろうとするとキャンセル料10万円といった金額を示された、という内容などです。
 
まだ作業が始まっていないのに、本当に支払わなければならないのでしょうか。本記事では、契約が成立しているのかという点に加えて、消費者契約法で無効になり得るキャンセル料、そして「訴える」と言われたときの対応を解説します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

作業前に断った場合、契約は成立している?

契約は、申し込みと承諾の意思が合っていれば、書面を交わさなくても成立します。そのため、電話でレッカー移動を依頼し、業者が引き受けた時点で、契約そのものは成立していると考えられる場合があります。
 
ただし、成立しているのは、あくまで依頼したときに示された条件での契約です。サイトの「2000円から」という表示や電話での説明と、現場で告げられた金額が大きく違うのであれば、その高い金額で合意したとは言えません。
 
国民生活センターは、サイトや電話で説明された料金どおりで依頼できるとは限らず、事前に説明のなかった費用を請求される例があるとして、契約内容と料金を事前に確認するよう呼びかけています。現場に来てもらうときは、キャンセル料が発生するのかどうかも、あらかじめ確認しておきたいところです。
 

キャンセル料「10万円」に支払い義務はあるのか

消費者契約法9条1項1号では、契約の解除に伴う損害賠償の額を予定したり違約金を定めたりする条項について、同じような契約の解除によって事業者に生じる「平均的な損害の額」を超える部分は無効になる、と定められています。
 
業者が言い値で示した金額が、そのまま通るわけではないということです。作業に入る前に断ったのであれば、事業者に生じる損害は現場へ向かうまでにかかった費用程度にとどまると考えられ、キャンセル料10万円が全額認められるとは限りません。
 
実際、国民生活センターには、「基本料金2980円から」と表示されたサイトから依頼したところ、現場で6万6000円の見積書を渡され、高いと伝えると「キャンセル料は3万5000円だ」と言われたという相談も寄せられています。
 

「訴える」と言われたら、その場で支払わないのが基本

高額な請求を断ると、「払わないなら訴える」と強い言葉を返されることがあります。しかし、その場で現金を渡してしまうと、あとから取り戻すための交渉は一気に難しくなります。
 
国民生活センターは、請求された金額や作業内容に納得できない場合、後日納得した金額を支払う意思があることを示したうえで、その場での支払いはきっぱり断るようアドバイスしています。金額の根拠や作業の内容について説明を求め、返事を保留にしてかまいません。
 
仮に裁判になったとしても、キャンセル料の根拠は請求する側が示すことになります。また、路上など営業所以外の場所で契約した場合、その契約が訪問販売に当たれば、法律で定められた書面を受け取ってから8日以内はクーリング・オフができます。当てはまるかどうかは契約の経緯によって変わるため、自己判断せずに窓口で確認しましょう。
 

まずは保険会社、困ったときは「188」に相談を

自動車保険には、ロードサービスが付いていることが多くあります。国民生活センターは、車が動かなくなったら、ネットで検索する前に、契約している損害保険会社や保険代理店に問い合わせるよう呼びかけています。あとから連絡しても保険が使えない場合があるためです。
 
千葉市消費生活センターも、表示された料金をうのみにせず、請求金額や作業内容の説明を求めて、納得できないときはその場での支払いをきっぱり断るよう案内しています。
 
不安を感じた際は、消費者ホットライン「188」に電話すれば、最寄りの消費生活センターにつながります。災害に遭うと、誰でも冷静な判断が難しくなります。加入している自動車保険のロードサービスの連絡先を今のうちに控えておくことが、落ち着いて対応するための備えになります。
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

【PR】ソニー生命保険株式会社

  • line
  • hatebu

LINE