更新日: 2021.06.22 その他暮らし

転職の時に気をつけたい保険や税金の手続き方法

転職の時に気をつけたい保険や税金の手続き方法
今の時代、昔の「終身雇用」と異なり一度は転職に踏み切るということもあると思います。退職が決まってホッとするとともに、次の生活に胸躍らせた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
 
しかし、退職後にすぐに転職するかしないかで、保険や税金の手続きは異なります。具体的に見ていきましょう。
 
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

税金(所得税と住民税)の手続き

【所得税】
退職する会社から「源泉徴収票」をもらい、新しい会社にそれを提出するだけです。ただし、退職した年に再就職をしない場合、翌年の確定申告時期に源泉徴収票を使用するので、それまで大切に残しておいてください。確定申告をすることで税金が戻ってくるかもしれません。
 
【住民税】
原則として住民税は、1年分を12分割して給料から天引きするかたちで納めています。そのため退職するときに、納めていない分の扱いに注意しなければなりません。退職前に会社に相談・確認をし、その対応を決めておくことが大切です。
 
(1) すぐに転職するのであれば、その旨を伝え、市区町村から自宅に届く書類を新しい会社に提出する
(2) 退職する際の最後の給料で、残りの住民税を全て天引きしてもらう(これについてはその後の手続きなし)
(3) しばらく転職しないのであれば、その旨を伝え、市区町村から届く納付書で自分が支払う(納付期限があるので注意が必要です)
 

社会保険料その1(健康保険料・厚生年金保険料)の手続き

【健康保険料】
まずはお手持ちの健康保険証を退職する会社に返却します。家族を扶養している場合は、家族分も忘れず返却します。その後、すぐに転職するのであればとくに手続きは不要です。
 
すぐに転職しない場合は、「国民健康保険」に切り替えるのか「任意継続被保険者制度」を利用するのかを決める必要があります。決めないと、医者にかかる際の医療費が、それまでの原則3割負担から全額負担になります。医療費が多くなるので、注意が必要です。
 
とくに高齢者やお子さんを扶養されている方、また持病をお持ちの方は、切り替えに時間を要することも考慮に入れたうえでの対応が必要です。
 
【厚生年金保険料】
こちらもすぐに転職するのであれば、とくに手続きは不要です。すぐに転職しない場合は、「国民年金」に切り替わるので、市区町村での手続きが必要です。さらに、扶養しておられる方が20歳以上60歳未満の方であれば、その方も「国民年金」への切り替えが必要なので、忘れないようにしてください。
 

社会保険料その2(雇用保険料)の手続き

退職する会社から「雇用保険被保険者証」と「離職票」をもらってください。その後の手続きは、すぐに転職される方は「雇用保険被保険者証」のみ、転職先の会社に提出してください。「離職票」は不要です。
 
すぐに転職されない場合は、上記書類を2つとも、住所地を管轄するハローワークに持参し、基本手当をもらう手続きをしてください。
 

確定拠出年金の手続き

少々ややこしいです。転職先の会社により手続きが異なります。詳しくは、加入していた運営管理機関へ確認してください。ここでは、代表的なことのみ、まとめておきます。転職先に確定拠出年金の制度があれば、残高も引き継がれるので、転職先に手続きは任せてください。
 
転職先に確定拠出年金の制度がない場合や独立して個人事業主になる場合は、確定拠出年金(個人型)に移管する手続きが必要です。その後、拠出を続けるか続けないかを決めることも忘れないようにしてください。
 
手続きは、退職日の翌日から6ヶ月以内にしないと、余分な手数料がかかる可能性が高いので、注意してください。その他、わからないことは、退職前に会社の担当者から話を聞いておくことをおすすめします。
 

社会人として恥ずかしくない行動を

転職をするには、一大決心が必要です。そのため退職が決まると、新生活に浮ついてしまうこともあります。
 
しかし、あなたは社会人です。お世話になった会社に最後に迷惑をかけることだけは避けるべきでしょう。手続きに関しても、自分がすべきことをしっかり把握したうえで、スマートに退職し、スマートに新生活を迎えてほしいものです。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で手続きをすすめてください。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
 

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